現存12天守を残す松山城
日本の各地には城を中心として発展した都市が数多くあります。江戸時代には国内に200近くの城が存在しましたが、明治時代以降に次々に失われ現在、天守が残っているのは12しかありません。愛媛県松山市の中心に聳え立つ松山城の天守は、現存12天守の一つです。標高約130メートルの勝山の中に、櫓や門など21棟の建造物が残されています。本丸を見上げる二之丸跡は、二之丸史跡庭園が整備されています。園内は例年11月中旬から下旬にかけて紅葉で彩られます。2020年には11月20、21、22、27、28日の5日間、「二之丸光の庭園」が開催され、夜間のライトアップが行われました。
城山公園に接する二之丸史跡庭園
松山城の二之丸には、藩の中枢機能を果たす表御殿と、藩主の家族が暮らした奥御殿が設けられていました。本丸に向かう北側の四脚御門を公式の門とし、西側の多聞櫓の門は通用口とされていました。現在の庭園の出入口は城山公園に接する多聞櫓に設けられています。
多聞櫓の東に接する聚楽亭では、茶会や句会が行われ、秋には水路際から紅葉で彩られます。
ヤマモミジやケヤキで囲まれる林泉庭
聚楽亭から水路に沿って東に向かうと林泉庭です。和の情緒が漂う池の周りは、ヤマモミジやケヤキで囲まれ、例年11月中旬から下旬には紅葉で覆い尽くされます。
数多くのカップルが記念撮影のために訪れる「恋人の聖地」
松山城二之丸史跡庭園からは、日露戦争のときロシア人捕虜の男性と日本人女性看護師とのロマンスを秘めた金貨が出土したことから、NPO法人地域活性化支援センターの「恋人の聖地」に認定されています。このため紅葉を背景に和装で記念写真を撮るカップルの姿をいたるところで見かけます。
カップルは林泉庭を取り囲むのですが、園内には他に米蔵や番所、大井戸の遺構が残されています。
江戸時代に建ち並んでいた御居間や大書院の建物は失われていますが、当時の間取りを偲ばせるように柑橘園が作られ、温暖な瀬戸内海地方によく育つ様々な柑橘類が栽培されています。
現存12天守を残す松山城の二之丸跡は、二之丸史跡庭園が整備されています。日露戦争当時の伝説から「恋人の聖地」とされています。例年11月中旬から下旬の紅葉で彩られる時期には、数多くのカップルが記念撮影に訪れています。