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偕楽園で例年4月中旬から5月上旬に開催される「水戸のつつじまつり」
江戸時代には全国各地に大名庭園が造営されました。その中でも特に優れた景観をもつ3つの庭園が、「日本三名園」として高く評価されています。雪の兼六園、月の後楽園、花の偕楽園には、季節ごとに豊かな表情で来園者を迎えてくれます。水戸藩第9代藩主の徳川斉昭が造園した偕楽園は国内有数の梅の名所として、例年2月中旬から3月下旬にかけて、「水戸の梅まつり」の会場となります。梅の花が実に変身をはじめる4月中旬から5月上旬には、つつじの花が主役を引き継ぎ、「水戸のつつじまつり」が開催されます。2021年には4月17日~5月9日の期間で実施されました。
偕楽園は約13ヘクタールの広大な敷地面積をもっていますが、つつじが植栽されているのは、見晴広場の西部と南部です。
原産地の霧島山を治める薩摩藩から水戸藩に寄贈された樹齢200年を超えるキリシマツツジの古木
園内にはキリシマツツジやドウダンツツジなど約380株が育っています。キリシマツツジの中には、樹齢200年を超える古木も85本前後、確認されています。原産地の霧島山を治めた薩摩藩から水戸藩に寄贈されたのです。
見晴広場の西に接して建つ好文亭が創建されたときには、薩摩藩第11代藩主の島津斉彬が贈ったつつじの巨木で茶室の床柱を作ったと伝わります。現在では奥御殿に「つつじの間」が設けられ、襖絵にはつつじが描かれています。
偕楽園の南斜面を覆うつつじ
見晴広場の南は千波湖に接しています。湖の水面に向かう斜面は、つつじの花で豊かに彩られます。なだらかな坂道を上り下りしながら、つつじの花を異なる角度から鑑賞することができます。
千波湖の穏やかな水面を取り囲むつつじ
偕楽園の南の千波湖で穏やかな水面を取り囲むのは、つつじの花です。湖を一周する遊歩道からは、つつじの花越しに太陽の光を反射してレインボーカラーに輝く噴水が見え隠れします。
「日本三名園」の一つに数えられる水戸市の偕楽園には、江戸時代に薩摩藩から寄贈された樹齢200年を超えるキリシマツツジの古木が今でも数多く元気に育っています。例年4月中旬から5月上旬には、豊かな彩りの花を咲かせ、「水戸のつつじまつり」が開催されています。