秋の訪れを告げる萩の花
日本は四季の変化に恵まれ、様々な草木が豊かな季節感を見せてくれます。東京都墨田区の向島百花園は、多種多様の植物が植栽され、季節ごとに豊かな風情が漂います。夏の暑さが和らぎ、秋の気配を感じさせてくれるのが萩の花でしょう。向島百花園では例年9月中旬から10月上旬にかけて「萩まつり」が開催されています。2019年には9月14日~10月6日に行われました。2020年は新型コロナウイルス感染防止のため、イベントは中止となりましたが、園内を初秋の彩りで包みます。
向島百花園で初秋を演出する「萩のトンネル」
向島百花園での「萩まつり」の最大の特徴は「萩のトンネル」が初秋を演出することです。薄紫色や白色の萩の花が、約30メートルのアーチを作ります。「ミヤギノハギ」と「シロバナハギ」の2種類の萩が約120株、弧を描く竹を覆うように枝を伸ばしています。高さ約2メートル、幅約1.6メートルのトンネルの中には、涼しい秋の情緒が漂い、季節の移り変わりを感じることができます。
園内に漂う秋の空気
「萩のトンネル」ばかりでなく、園内の随所で萩の花が秋の訪れを知らせてくれます。萩ばかりではなく、彼岸花も季節感を漂わせます。2020年は9月20日前後には園内の萩が見頃となっています。「萩のトンネル」はこれに少し遅れ、9月末頃から見頃を迎えそうです。
例年「萩まつり」の直前に開催される「月見の会」のために吊るされる絵行灯
「萩まつり」の期間中には、園内に数多くの絵行灯が吊るされています。例年「萩まつり」の直前に開催される「月見の会」のための趣向なのですが、2020年は「月見の会」も中止となってしまいました。
向島百花園は仙台出身の骨董商によって、1804年に造園された日本庭園です。当初は梅をメインとしていたため、「新梅屋敷」と呼ばれましたが、現在では一年を通じて季節の彩りが楽しめる庭園となっています。季節ごとに多彩なイベントが企画されているので、都内で四季を感じる絶好のスポットと言えるでしょう。園内の池越しには東京スカイツリーも眺められ、売店ではドリンクやスイーツを楽しむことができます。
東京都墨田区の向島百花園は、一年を通して季節の彩りで包まれます。例年9月中旬から10月上旬には「萩まつり」が開催され、園内には「萩のトンネル」が設けられます。約30メートルのアーチの中が涼しい空気で満たされ、初秋の落ち着いた雰囲気を感じることができます。