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長岡まつり大花火大会!打ち上げ直前企画「花火の駅 長岡花火ワールド悠」長谷川館長との特別対談!

長岡まつり大花火大会!打ち上げ直前企画「花火の駅 長岡花火ワールド悠」長谷川館長との特別対談!

日本三大花火大会の一つでもある新潟県の長岡まつり大花火大会。ここ数年でテレビ放送も行われ、首都圏などからも多くの人が訪れる花火大会に成長しました。

今回は長岡生まれ長岡育ちであり、物心がついてから70年以上もの長岡花火を見てきた長谷川健一氏にお話を聞いてきました。普段は長岡駅から車で10分ほどの場所にある「花火の駅 長岡花火ワールド悠」と言うミニ花火資料館を運営しております。

昨年はBS-TBSで長岡まつりの解説も行っている超花火マニアです。今年は8月3日(土)19:00よりBS-日テレから生中継。色々と興味深いお話も聞いてきましたので是非、読んでみてください!

蛭田:まず、長谷川館長が運営している「花火の駅 長岡花火ワールド悠」について聞かせてください。

長谷川館長:この花火の駅は、平成22年4月29日に開設しました。民間・行政問わず全国各地で運営されている「まちの駅」の一つであり、地域の情報を提供したり、訪れた人が利用できる休憩場所、さらに地域内での交流などにも使用される施設になります。

そこで花火に特化した情報提供は「花火の駅」として館長の私が行い、花火カフェ「フェニックス悠」として休憩場所の提供、地域交流の一環としての「うたごえ喫茶」のイベントなどは「まちの駅」の駅長として妻の栄久子が担っています。

今回の主役、長谷川健一館長。

蛭田:館長の花火好きが高じて、新潟県を中心とした花火に関する資料などが、かなり沢山ありますが一体何点ぐらいあるのでしょうか?

長谷川館長:正三尺玉のレプリカや実際に使用された正四尺玉の玉皮、電気点火の機材、花火の書籍や花火のグッズやポスターと種類も多いので正確には分からないです。近年では全国各地から(台湾からも)多くの花火好きが訪れる場所になり、お土産として花火グッズを持ってきてくれるので、その種類も年々増えてきています(笑)

奥様の栄久子さん(駅長)が説明している花火が正三尺玉のレプリカ

手前の機材は点火時に使用する打ち上げ装置。

花火マニアにとってはお宝の山です。

蛭田:ありがとうございます。また、定期的に花火写真展が開催されていますよね。訪れた際には誰かしらの花火写真展が行われているので、きっと地球上で一番花火の写真展が行われている場所だと思います(笑)毎年2月頃には全国の花火好きから2Lサイズの花火写真を集めて行われる写真展も開催されているので、私も毎年提出させて頂き、お世話になっています。

蛭田:それでは話を変えて、長岡まつりの歴史について教えてください。長谷川館長は花火の歴史にも詳しく、花火鑑賞士の資格も持っていますよね。以前訪れた時は昔の新聞から調べた長岡花火の歴史についても興味深い話をたくさん聞かせていただきました。

長谷川館長:はい。長岡まつりの花火は一般的に第二次世界大戦後の復興や慰霊の為に始まったと知られていますが、実はその前身は明治初期には既に存在していました。当時は千手町の八幡様への秋季例大祭としての位置づけであり、9月14日と15日の2日間で行われ、遊郭などの関係者よりお金を集めて花火を打ち上げていたのが最初です。

その後、次第に二尺玉や正三尺玉、スターマイン(速射連発花火)などの打ち上げに伴い規模が大きくなったものの、戦争で一時的に中止になってしまいます。

明治16年の花火プログラム(コピー)

1945年8月15日に第二次世界大戦は終わりましたが、そのわずか2週間前の8月1日に長岡の地は空襲の被害を受けました。そこから何とか立ち上がろうと翌年より始まったのが現在の長岡まつりになります。当時は長岡復興祭と呼ばれていました。

その後、ナイヤガラの花火やメッセージ花火などプログラムも次第に充実し、2004年(平成16年)10月23日に新潟県中越地震で被災した事により、復興と慰霊を目的とした花火を打ち上げたのが復興祈願フェニックスになります。

実はこのフェニックス花火自体は被災の有無に関わらず、一つのプログラムとして考案されていたものになります。震災があった事で当初の計画より前倒しして進められたと聞いています。その復興祈願フェニックスを立ち上げたチームこそ、現在、長岡まつりを運営している長岡花火財団になるのです。

復興祈願フェニックス

蛭田:ありがとうございます。他のプログラムについても色々と理由がありそうですね。

長谷川館長:長岡まつりの花火は正三尺玉やナイヤガラなどで以前から全国的に有名でしたが、ここまで飛躍したのは、実はここ十数年の事なのです。

蛭田:確かに…。僕が初めて長岡の花火を見に行った2011年でもここまで混雑する事はありませんでした。宿に関しても長岡市内は無理だったとしても隣の燕三条では取れたし、今は有料席になっている場所も無料でゆったりと見れていました。

長谷川館長:きっかけとしては、2008年に長岡にゆかりがある上杉家の家老・直江兼続を題材にした大河ドラマ「天地人」の放送決定を祝して「天地人花火」を打ち上げた事だと考えています。(初年度はオリジナル曲でマルゴーが担当)

当時はまだ珍しい音楽とシンクロしたストーリー性のあるミュージックスターマインをドラマのオープニング曲に合わせて日本有数の花火師である茨城県の野村花火工業に依頼し、長岡の花火がより一層盛り上がる起爆剤になったと思われます。(マルゴー小千谷煙火興業も担当)

その後は、神明の花火で有名な山梨県市川三郷町よりマルゴー、地元新潟県の小千谷煙火興業による「この空の花」「故郷はひとつ」なども加わり、芸術性の高い花火で更に拡散されたのだと思います。

担当:野村花火工業

蛭田:ここ数年ではYouTubeやSNSで拡散されて有名花火大会に出かける人が多くなり、キャパオーバーな花火大会が増えている様に感じています。特に今年は長岡まつりの有料席について新聞やネットを賑わしていますね。

長谷川館長:はい。昨年までは、花火大会の有料席を優先的に購入できる市民枠と言うものが存在していました。都心に出て行った若者でも長岡まつりには帰って来るので家族で一緒に花火を見るのが、これまでの楽しみであり、長岡に住む人の生き甲斐でもあったと思います。

それが今年から市民枠の撤廃が行われてしまいました。運営からの理由としては昨年、市民枠のキャンセルが4割も出ており、それらを再販する労力が大変だったと言う内容でした。長岡市民としての言い分としては、県外にいる家族や親戚が来るので絶対に何とかして有料席を確保する必要があるので、保険を掛ける為にも複数枚の応募が必須だったのが大きな理由です。

運営側でも事が大きくなってしまいある程度の救済措置をしましたが、それも情報の伝達が上手く行かず、深夜から並んでも早々に売り切れてしまい購入できない人が続出しました。購入できなかった人の中には東京のツアーを申し込んで、行きたくもない長岡周辺の散策に付き合い、花火の有料席を確保している人もいるそうです。

蛭田:それはかなり厳しい現状ですね。運営側の労力も勿論考える必要がありますが、これまで長岡まつりを支えてきたのは間違いなく地元の人ですし、誰の為の花火大会かを考えれば、もっと良いやり方があったのではないでしょうか?例えば、市民枠をもっと早めに売り出してみるとか…?

長谷川館長:来年から協賛しないと言う市民も多数いるそうです。販売方法にしてもネットのみだとお年寄りにはかなり厳しい。そして、一般に流出した有料席はインターネットで高額販売されています。

蛭田:え?今年の6月にチケット不正転売禁止法が成立して逮捕者も既に出ている筈ですが?

長谷川館長:確かにその通りなのですが、出品者の数が膨大過ぎて対処できないみたいです。また、駐車場に関しても東京に本社がある軒先パーキングと言うシステムを使用し、事前にネット予約ができる様に大々的に取り組み始めた様で、現在予約状況もかなり増えているそうです。当日は駐車場不足が懸念される所です。

蛭田:なるほど…。これも知っている人にとっては楽だし安心して利用できますが、これも長岡市民、特にスマホが使用できない年配者にとってはあまり良いものではありませんね。市内と言っても広いですし、田舎は車社会なので当日は車を利用して来られる人も多いでしょう。当日、大混乱にならない事を願います。

長谷川館長:運営側としても多くの花火大会が抱えている人手不足や資金不足の問題があるので、試行錯誤しながら新しい事に取り組んでいるのは理解できます。それでもやはり地元あっての花火大会なので遠方からくる観光客とより良い関係を作っていって欲しいものです。

※軒先パーキングの予約はこちらから

蛭田:ちょっと問題点も多く暗い話になってしまいましたが、話題を変えて今年の長岡まつりの見所と言うかいつもと違う点を教えてください。

長谷川館長:今年は何と言っても復興祈願フェニックス花火が例年と違うと聞いています。この花火が始まって15周年の節目でもあり時間こそ5分から3分に短縮されましたが、尺玉の数が増えると聞いています。また、以前では復興祈願フェニックスの中に1匹だけブルーフェニックスを紛れさせていたのですが、今年はもっと視認性を高める為に数を増やすと言う話もあるみたいです。

冬に行われた長岡ウィンターファンタジーより、ブルーフェニックス。

蛭田:ありがとうございました。色々と問題点もありますが、長岡まつり大花火大会は国内最高峰のクオリティーである事は間違いありません。多くの人が訪れ、みんなが楽しんで貰える様な花火大会になる事を願っています!

長岡まつり DATA
日程:
8/1~8/3(花火大会は2日と3日)
運営:長岡花火財団
担当煙火店:(新潟県)嘉瀬煙火工業、(新潟県)小千谷煙火工業、(新潟県)阿部煙火工業(茨城県)野村花火工業、(山梨県)マルゴー
最大号数:30号玉(正三尺玉)
打ち上げ数:約20,000発(2日間) 公式HP

written by
蛭田 眞志

蛭田 眞志

花火専門カメラマン、ライターです。
日本の良質な花火文化の記録・拡散を理念に活動中。個人のWEBサイトでは「花火の心得」を運営してます!
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