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下鴨神社「流し雛」十二単のお雛様が子供の健康を願う

更新日:2023/3/10 佐々木 美佳
下鴨神社「流し雛」十二単のお雛様が子供の健康を願う

鴨川の下流にあるため「下鴨神社」と呼ばれている、正式名称「賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)」。
参道沿いには広大な「糺(ただす)の森」が広がっています。

本殿の東側に進むと井戸の上に祀られている末社の井上社、別名「御手洗社(みたらししゃ)」があります。そこから湧き出る水が御手洗池・御手洗川となって、境内から糺の森へと流れていきます。この御手洗池・御手洗川で流し雛が行われます。

井上社(御手洗社)と御手洗池

この神事はコロナ禍のため中止が続き、2023年は4年ぶりの開催となります。今回、そんな下鴨神社の井上社で行われる「流し雛」を京都在住のカメラマン佐々木がレポートいたします。

京都タワーのゆるキャラ「たわわちゃん」が十二単姿で登場

雛まつりと流し雛のルーツ

旧暦3月3日の上巳(じょうし・じょうみ)の節句は、桃の花が咲く季節のため、桃の節句とも呼ばれています。

御手洗川にかかる輪橋(反り橋)と画家・尾形光琳が「紅白梅図屏風」のモデルにした「光琳の梅」

現在の雛まつりでは雛壇の雛飾りが一般的ですが、そのルーツは平安時代の貴族の子女の人形遊び「雛(ひいな)遊び」にあるといわれています。

一方、中国では古くから上巳の節句は、季節の変わり目に水辺で心身を清める日。人形(ひとがた)に厄をうつして水に流す祓いの風習や、水辺で行う宴の行事が宮中に伝わり定着していきます。

これらが時間をかけて結びついた後、女の子の健康を願う雛まつりへと繋がりました。今でも人形を川に流す風習は各地に残っており、そのうちの一つが下鴨神社で行われている流し雛です。

雛人形とツーショットを撮れる時間が設けられている

下鴨神社では、藁(わら)で作った円形の桟俵(さんだわら)に、小さな紙で作った人形をのせ、罪穢(つみとが)を移して流します。

大小2種類の桟俵がある

十二単の着付け

この行事の主役ともいえるのが、雛人形そのものの雅な衣装に身を包んで流し雛を行う男女です。

10:30になると橋殿で女雛役の女性の着付けが始まります。十二単の着付けが見られるとあって、橋殿の前には大勢の人が集まっており、人気の高さが伺えます。

着付け中に「十二単は平安時代の宮中の儀式で着る装束です。色も着る人の年齢によって決められており、着物は約10キロほどあり、半歩ずつで進みます」などと、わかりやすい解説が続きます。

袖を通す時の所作が美しく、和装好きにはたまらない見応えのある貴重な時間でした。

十二単姿の女雛と平安装束の男雛

子どもの無病息災を願い、様々な人が雛を流す

着付けが終わり、11:00頃になると祭典がはじまります。

祝詞奏上やお祓いの神事が最初に行われる

御手洗社は水の流れを司り祓い浄めの女神である瀬織津姫命(せおりつひめのみこと)を祀っています。

祝詞の中では「瀬織津姫が罪穢れを大海原に流す」とつづられており、厄払いのご利益があります。京都の水の中心であり、お祓いに適している鴨川に縁のある下鴨神社で、水と関わりの深い女神が厄災を流す。これは罪穢れが払われるなと感じます。

いよいよ待望の流し雛の儀。まず最初は神職が流し雛を行います。
和紙人形を載せた桟俵を持った神職がゆっくりと御手洗池に進みます。御手洗池に桟俵をそっと浮かべると、ゆっくりと流れていきました。

次に平安装束のお雛様たちがゆっくりと御手洗池に進みます。例年は公募ですが、2023年のお雛様役は主催の京人形商工業協同組合により選出されています。

この桟俵は米俵の蓋の部分を模したもの。今回、米俵に蓋があるということも初めて知りました。そういうことを知るきっかけになるのも、お祭りの楽しみのひとつです。

神事は続き、次は子供達の番。元気に育って欲しいと願わずにはいられません。

今度は美しい宮川町の芸舞妓さんたち3名が流し雛を行います。

京都のマスコットキャラクター「たわわちゃん」も雛を流します。

京人形商工業協同組合のゆるキャラ鎧甲太郎(よろいこうたろう)もやってきました。階段を一人で降りたのも凄いですが、最後に流し雛をする際、御手洗池に手を伸ばすのも大変そうでした。ゆるキャラがんばれ!と参拝者はみな心に思ったことでしょう。無事に神事が進み、ほっとしました。

こうして流し雛が終わり、子供達が「うれしいひなまつり」の曲を合唱します。

可愛らしい子供達の歌で神事は無事に終了しました。

この後は参拝者が桟橋や石段から桟俵を流します。桟俵にのったお雛様は舞殿前にて販売しています。1年間、家に飾ったあとに流すこともできます。

以上、流し雛のレポートでした。

人気があるため、十二単の着付か流し雛の神事のどちらを見るかになります。どちらも見たい場合は二回に分けて行くのがよいでしょう。

神事が始まる前には大道芸を見て楽しんだり、3月3日限定の御朱印を拝受するのもオススメです。

ひな祭りの印が入った特別御朱印

下鴨神社は京都三大祭りのひとつで源氏物語にも描かれた「葵祭」でも有名な神社です。

葵祭で輿に乗る斎王代

この御手洗川では葵祭の際、斎王代が両手をひたし、身を清める御禊神事(みそぎしんじ)で、厄を祓う場所でもあります。また、御手洗池から湧き出る水泡をかたどった団子がみたらし団子で、みたらし団子発祥の地と言われています。

神事の後にお団子をいただいていくのも良いですね。水に浮かべるおみくじもあります。下鴨神社で子供達と一緒に楽しいひな祭りを過ごしてみてはいかがでしょうか。

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祭り開催情報

名称 下鴨神社 流し雛
開催場所 京都府京都市左京区下鴨泉川町59
開催日 2023年3月3日(金)
毎年3月3日
アクセス JR京都駅から市バス205系統四条河原町北大路バスターミナル行きで30分、下鴨神社前下車すぐ
関連サイト https://www.mapple.net/spot/26002805/
http://www.shimogamo-jinja.or.jp/
この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
毎日「京都散歩の旅」なカメラマン。
奈良・吉野アンバサダー。観光経済新聞、楽天トラベル等を執筆。聖地と舞が好き。民俗芸能や瀬織津姫研究中。
instagram @kyoto.photographer
https://earth-traveler.com/

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