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「ナイトアクアス×石見神楽 煌めく神秘の夜」開催レポート!奇跡のコラボに訪れた人々の反応は?

2024/2/1
2024/4/1
「ナイトアクアス×石見神楽 煌めく神秘の夜」開催レポート!奇跡のコラボに訪れた人々の反応は?

2024年1月14日、島根県浜田市にある島根県立しまね海洋館アクアスで、石見神楽の鑑賞会「ナイトアクアス×石見神楽 煌めく神秘の夜」が行われました。閉館した夜の水族館で、石見神楽の公演が行われるのは史上初!たくさんの観客が訪れた特別な一夜のレポートをお届けします。

「石見神楽」と、一夜限りの神楽の館になった「アクアス」

全国に数多ある神楽のなかでも、ダイナミックさと華やかさにかけては随一といわれる石見(いわみ)神楽。
島根県の西半分を占める石見地方で発展した伝統芸能で、約140もの神楽団体(社中)があり、アクアスのある浜田市はその中でも最も多い50以上の団体を有しています。石見神楽はこの地域の人々の暮らしに深く溶け込んでおり、神社での奉納神楽をはじめ、お祭りや定期公演、さらには結婚式でも上演されているのです。

演目の数は30以上もあり、豪華絢爛な衣裳や面をつけた神や鬼が躍動的に舞う「能舞」は、勧善懲悪の分かりやすいストーリーも相まって子どもからお年寄りまで、とても人気があります。

今回、国内初の試みの舞台となった「しまね海洋館アクアス」は「シロイルカ」親子のパフォーマンスが大人気の水族館。幻想的な空間が、石見神楽の神話性とマッチして生み出す新しい神秘の世界に大きな注目が集まりました。

生き物たちに影響がないことを、事前に水槽の前で演奏したり照明をつけたりと何度もテストをして確認をし、準備は万端。一夜限りの神秘の世界を目撃するために、県内外から訪れた350人の観客を迎え、いよいよ幕が上がります!

「神話の海」の前で繰り広げられた石見神楽の「神話」

神話の海での上演

会場に選ばれたのが、パノラマ大水槽「神話の海」。長さ17m、深さ4m、そして総水量1,000tの巨大水槽には、島根の神話に縁の深い魚であるワニ(サメ)を中心に、エイやアカウミガメなど数十種類の生き物たちが泳いでいます。

壁一面の水槽で視界が青一色で埋め尽くされると、まるで本当に海の底にいるかのよう。ここで「神話」をモチーフにした演目が繰り広げられると、あたかもその世界に入り込んだような没入感に包まれます。

神話の海

この会場では岡⾒神遊座が「塵輪」「⼗羅」「⼤蛇」の3つの演目を披露し、集まった観客は水槽と石見神楽のコラボによる神秘的な世界観に魅了されていました。

シロイルカと大蛇が奇跡のコラボ!

シロイルカプール

真っ白な身体と大きな頭が特徴的な「シロイルカ」。西日本では唯一ここアクアスのみで会うことができます。普段はそのパフォーマンスを楽しめる水槽の前で石見神楽が上演されるという、前代未聞のチャレンジとなりました。

こちらでは⽯⾒神楽美川⻄神楽保存会によって「道返し」「鍾馗」「⼤蛇」が披露されました。悠然と泳ぐシロイルカを背景に、お囃子と共に激しく舞う神楽。その非対称性によって他では体験できない不思議な空間が演出され、多くの観客がこの瞬間を逃すまいとスマホやカメラを向ける姿が見られました。

シロイルカプール

アクアスのいたるところが舞台に早変わり!

喫茶コーナーでの上演

普段は来場者がリラックスして過ごす「喫茶コーナー」に隣り合うスペースにも特設舞台が登場し、アクアス内では常時様々な場所から石見神楽のお囃子が鳴り響きます。

今福社中

こちらでは今福神楽社中によって「天神」「⼋幡」「⼤蛇」が上演されました。

衣裳や道具とふれあう機会も!

衣裳、蛇胴を体験する来場者

豪華絢爛な衣裳、表情豊かな面、巧みに操る蛇胴など石見神楽に欠かせない道具は、浜田市の希少な工房で職人たちが作る繊細な工芸品です。技の結晶である衣裳は場合によっては一着仕上げるまでに1年以上かかり、数百万円することも!

今回のイベントでは衣裳展示によってその技術の粋を間近で見ることができ、人気演目の大蛇で登場する蛇胴と一緒に写真撮影ができる機会も用意されました。

展示衣裳・蛇胴

会場の各所に設置された衣裳や蛇胴は直接手で触れることもでき、見た目を楽しむだけでなく、その質感などを体感する来場者があとを絶ちませんでした。特に衣裳の試着体験は大人気。次から次へと体験希望者が現れ、神楽社中団員になりきって記念撮影をする姿に会場は笑顔があふれました。

大盛況だった会場、前代未聞のコラボに老若男女が大満足!

初めての試みにもかかわらず、会場は大盛況。お母さんやお父さんに抱かれた乳児から、10代後半の若者世代、車椅子で鑑賞するお年寄りまで、文字通り老若男女すべての方々がこの非日常な空間を楽しんでいました。

神話の海での上演

石見神楽を鑑賞する子供たち

近隣の島根、広島の方はもちろん、中には東京や大阪などから訪れた観客も。笑顔を浮かべて各々の家路につく来場者の中からは、運営スタッフに「次はいつやるんですか?」「すごく楽しかったのでまたやってください!」などと声をかける人が続出し、そのリアクションからも非常に満足度が高かったことがうかがえます。

また、外国人の来場者からは「大蛇の迫力には驚いた。こんなに間近に観られることはないだろうし、とても感動している。」などの声が聞かれ、貴重な異文化を心ゆくまで楽しんだ模様。水族館×石見神楽という前代未聞のコラボレーションは、世代や性別のみならず人種・国籍すらも超え、たくさんの人々に驚きと感動を与えたようです。

鬼軍団と来場者

歴史ある伝統芸能でありながら新しいチャレンジにも取り組む島根県浜田市の石見神楽。次の一手からも目が離せません。

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