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「日本遺産」を舞台に歴史を巡るツアーと新たな形の伝統芸能ライブ。オンラインで配信

「日本遺産」を舞台に歴史を巡るツアーと新たな形の伝統芸能ライブ。オンラインで配信

「NOBODY KNOWS」は、全国各地の日本遺産※1を舞台に地域に伝承される芸能とプロの伝統芸能パフォーマンスを組み合わせ、“伝統芸能ライブ・ツーリズム”という新たな観光の形を開発するプロジェクト。文化庁と公益社団法人日本芸能実演家団体協議会(以下、芸団協)らが主催となり「日本博」事業※2として昨年より開始。2019年度は「自然と技」「自然と祈り」をテーマに6箇所でツアープランを企画・実施された。
11月1日より2020年度の「NOBODY KNOWS」がスタートする。新型コロナウイルス感染拡大にともない 今年は現地へのツアー開催を控え、地域の歴史文化、そして伝統芸能ライブを楽しめるオンラインプログラムを配信。知られざる地域の魅力、日本の伝統を知る旅に誘う。

※1 日本遺産…全国各地の歴史や魅力を通じて日本の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産」として認定する 文化庁による取り組み。ストーリーに関係する各地の有形・無形の文化財群をパッケージ化し、地域活性や観光振興へ活かすことを目的とする。2020年6月時点で104箇所が認定されている。

※2 「日本博」事業…2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の機運醸成や訪日外国人観光客の拡大等を見据え、我が国の文化芸術の振興と、その多様かつ普遍的な魅力を発信するため、日本全国を舞台に展開される事業。

開発背景

伝承を絶やしたら地域に伝わる文化や芸能は消えてしまう。コロナ禍でのツーリズムや伝統芸能ライブのあり方を考える

新型コロナウイルス感染拡大によって、各地のお祭りは中止となり、大人数が集まるライブイベントは感染対策の難しい状況が続いている。「NOBODY KNOWS」でも昨年同様のライブツアー形式での開催が困難となるなか、今年はライブの雰囲気も味わえて歴史も学べる「旅行の前後を100倍楽しくする」オンラインプログラムを配信する。第1弾は、日本人の暮らしの中から生まれた「自然への信仰」がテーマとなる、山形と神奈川の日本遺産にスポットをあてる。
コロナ禍の「旅・観光」と「伝統芸能」という2つの業界が抱える課題から新たな事業可能性を模索しながら、次年度以降の現地来訪へ繋げていくためのオンライン配信プログラムに挑戦する。

2020年度「NOBODY KNOWS」配信プログラムの特徴

▶︎ 美しい映像で撮影された地域の風景や祭礼の様子から、現地での旅行気分を味わえる。
▶︎ 一部訪れにくい場所にある全国の「日本遺産」への観光体験を 気軽に、誰でもお試しできる。
▶︎ 各地の「日本遺産」のストーリーに関係する演目やプログラムを、地域で伝承される芸能や伝統芸能のプロフェッショナルが実演。鑑賞を通じて、深く楽しくその物語を理解できる。
▶︎ ただ訪れるだけでは見逃してしまう「日本遺産」の魅力を、ガイドや演者のトークを通じて、詳しく&わかりやすく知ることができる。
▶︎ 映像と地域物産を組み合わせたツアー商品によって、現地の「食」も楽しめる。※一部対象コンテンツのみ

第1弾プログラム ①

2020年11月1日 (日) 鶴岡(山形県)
出羽三山神社禰宜×能楽師×山伏によるクロストーク配信

【出演】(出羽三山神社禰宜) 吉住登志喜、(能楽師) 山井綱雄、(山伏) 坂本大三郎
【進行】(津軽三味線奏者)浅野祥

「松例祭(火の打替神事-松明行事)」、出演者 画像提供:芸団協

山形県の出羽三山(羽黒山、月山、湯殿山)はそれぞれ現在、過去、未来になぞらえられ、三山を巡ることは死と再生を辿る「生まれかわりの旅」として、江戸時代から多くの人々が旅してきた。現在も山伏修行(修験道)が行われ、白装束で三山参りをする姿や、秋には市中で寄進を募り勧進する姿が見られる。この「松の勧進」は、9月24日から100日間にわたって行う冬の峰修行の一つ。最終日12月31日に羽黒山山頂で行われる松例祭は、疫病の流行を鎮めるために行ったのが起源ともいわれ、多様な神事が繰り広げる。山伏は、修行によって大自然の霊力を吸収し、その力を祈祷や芸能に込めて、人々に授ける存在。

修行によって自然と共生する術を得る山伏と、日々鍛錬を積み、超自然の世界を体現する能楽師。なぜ彼らは自然の力を体現するのだろうか?今を生きる求道者たちによるクロストークを現地からオンラインにて配信する。※2021年2月には「松例祭」の映像と精進料理を楽しめるオンラインツアーを配信予定。

【日時】2020年 11月 1日(日)13:00〜14:30
【料金】無料(年内はアーカイブを公開)
【配信チャンネル】ホームページにて10月20日頃、発表予定

第1弾プログラム ②

2020年11月3日 (火祝) ―1月31日 (日) 伊勢原 (神奈川県)
日本の魅力を追い続ける編集者と山岳写真家が、大山詣りと伝統芸能ライブに触れる。
「NOBODY KNOWS」を体験できるオンラインツアー配信

【出演】 (PAPERSKY代表) ルーカスB.B、(山岳写真家) 三宅岳、(伊勢原観光ガイド) 志村功
【伝統芸能パフォーマンス】(日本舞踊家)花柳源九郎、(三味線) 杵屋勝十朗
【映像制作】(株式会社テオ)久松慎⼀、(菅原康太写真事務所)菅原康太

「大山詣りの様子」画像提供:芸団協

日本遺産「江戸庶民の信仰と行楽の地〜巨大な木太刀を担いで『大山詣り』〜」の世界を登拝と芸能、2つの視点で楽しめる映像を無料で配信する。自然と歴史、そして時代を超えて受け継がれる芸能が楽しめる。

◯登拝(山を歩く)

大山は別名「雨降山(あめふりやま)」と呼ばれ、古くから雨乞いや五穀豊穣を願う信仰の地。江戸時代には、富士よりも近い小旅行先として大人気となり、毎年江戸の人口の5分の1が訪れたといわれている。地域や職能のグループでお金を出し合い「講」を組み、粋な江戸っ子が木太刀をかついで参拝する様は浮世絵にも多く描かれている。滝で禊をし、ふもとの宿坊で登拝祈願をして、いざ山頂へ。
今回、アメリカ人のルーカスさん(「PAPER SKY」代表)、山岳写真家の三宅岳さん、ガイドの志村功さんの3名で歴史と自然のトークを交えながら歩いて山を登る。

「大山詣りの様子」画像提供:芸団協

◯芸能(江戸時代に誘う)

大山阿夫利神社境内の見晴らしのよい茶寮「石尊」での、大山詣りにちなんだ日本舞踊と三味線のスペシャルパフォーマンス。粋な江戸っ子や武士や老婆が大山を目指す姿はどんなものだったか?日本舞踊ならではの演じ分けや、江戸時代に庶民に愛された三味線の情緒溢れる音色にのせた四季の風情が繰り広げられる。

「伝統芸能ライブ」画像提供:芸団協

【配信開始】 2020年11月3日(火祝)9:00 〜 2021年1月31日(日)
※12月以降に英語字幕バージョンを公開予定
【料金】無料
【アンケートキャンペーン】2020年11月3日(火祝)~2021年1月31日(日)
映像を鑑賞しアンケートに回答した参加者の中から、各月30名に、大山の「きゃらぶき」と「大山詣りパンフレット」をプレゼント。

関連イベント

2020年11月3日(火祝) ―11月8日(日)
NOBODY KNOWS 伊勢原・大山詣り展 @ Sta.
レストランでは大山の食材を使った特別メニューも。

『不二三十六景 相模川』、大山からみた富士山 撮影:三宅岳、Sta.ギャラリー、コラボメニュー(イメージ) 画像提供:芸団協

渋谷の人気レストラン「Sta.」にて、NOBODY KNOWSの世界を楽しめる展示イベントを開催。伊勢原・大山詣りの旅を、山岳写真家・三宅岳氏による写真や美しい映像で再現する。また、江戸時代の雰囲気を感じる日本舞踊&三味線の芸能パフォーマンスを収録した会場限定映像も上映。レストランでは大山の食材を使った特別メニューを展開する。かつて富士山と並んで浮世絵に描かれた大山、その歴史や自然に深く思いを馳せるバーチャルトリップが楽しめる。

【日時】11月3日(火)〜8日(日)14:00-21:00(最終日は17:00まで)
【会場】Sta.東京都渋谷区円山町11-7 https://online-sta.com/
展示期間中、上階レストランでは伊勢原コラボメニューを提供 (事前にウェブフォームより予約)。
【料金】入場無料
新型コロナウイルス対策として来場者には入場時の手指消毒を行い、状況に応じて会場整理を行う。

出演者プロフィール

[第1弾プログラム ①] 2020年11月1日 (日) 鶴岡 (山形県)

吉住登志喜(出羽三山神社 禰宜)
出羽三山神社 祭儀部部長、企画広報室室長。羽黒派古修験道を今に伝える。羽黒山麓修験明光院当主。

出羽三山神社 禰宜 吉住登志喜氏写真提供:芸団協

山井綱雄(金春流 能楽師)
「能楽は世界最高の芸術である」との信念の下、能楽普及と「日本の心」の啓蒙に奔走している。初心者のための能のワークショップ、学校公演などを多数開催。重要無形文化財(総合指定)保持者。公益社団法人能楽協会理事、2014年度文化庁文化交流使、NHK文化センター青山校講師、JR東日本「大人の休日倶楽部」講師、海外公演や他ジャンル芸術家との共演・創作作品多数。能楽の新たな可能性にも挑む。

金春流 能楽師 山井綱雄氏写真提供:芸団協

坂本大三郎(山伏)
1975年千葉県生まれ。東北を拠点に活動する山伏。美術作家として「山形ビエンナーレ」「瀬戸内国際芸術祭2016」「リボーンアート・フェスティバル2019」などに参加。現在は東北を拠点に自然と人との関わりをテーマに執筆活動も行う。主な著作に『山伏と僕』(リトルモア)、『山伏ノート』(技術評論社)、『山の神々』(エイアンドエフ)など。

山伏 坂本大三郎氏写真提供:芸団協

浅野祥(津軽三味線奏者)
1990年宮城県出身、慶應義塾大学卒業。14歳で津軽三味線全国大会で最年少優勝、その後3連覇(殿堂入り)。民謡や古典の伝承を目指すとともに、国内外で様々なアーティストとのコラボも。巧みな技術と持ち前の愛嬌で、三味線音楽の魅力を伝える力量は群を抜いている。東日本大震災後には、瓦礫から楽器を創る「ゼロ・ワン・プロジェクト」を推進。

津軽三味線奏者 浅野祥氏画像提供:芸団協

[第1弾プログラム ②] 2020年11月3日 (火祝) 伊勢原(神奈川県)

Lucas B.B. |ルーカスB.B(クリエイティブ・ディレクター/編集人)
アメリカ出身。カリフォルニア大学卒業後、来日。(有)ニーハイメディア・ジャパン代表として、トラベル・ライフスタイル誌『PAPERSKY』を発行しながら、他メディアのクリエイティブも行っている。これまでに手がけた雑誌は『TOKION』『mammoth』『metro min.』『PLANTED』など。また、日本再発見の旅プロジェクト「PAPERSKY tour de Nippon」のイベントプロデュース、2020年には日英バイリンガルのウェブメディア「PAPERSKY Japan Stories」を立ち上げ、自身の経験を活かして日本の魅力も発信している。

クリエイティブ・ディレクター 編集人 ルーカスB.B氏画像提供:芸団協

三宅岳(山岳写真家)
1964年東京都生まれ。丹沢の北、藤野町(現・相模原市緑区)に育ち、今も家族と暮らす。東京農工大学環境保護学科卒業。ユズ編集工房写真部を経てフリー写真家。丹沢山塊、北アルプス、入笠山を中心に各地山岳を撮影している。一方で、炭焼きをはじめ、山仕事や山暮らしの撮影も重ねる。著書に『ヤマケイアルペンガイド丹沢』(山と渓谷社)、『炭焼紀行』(創森社)など。

山岳写真家 三宅岳氏画像提供:芸団協

志村功(伊勢原観光ガイド)
1955年伊勢原市生まれ。伊勢原市役所で観光振興事業に従事し、定年退職後2018年より伊勢原市観光協会事務局長。大山・日向地域を中心に、主に団体向けに歴史解説ガイドを実施している。

伊勢原観光ガイド 志村功氏画像提供:芸団協

花柳源九郎(日本舞踊家)
1981年奈良県出身。2003年東京藝術大学卒業。華やかで力強い芸風が持ち味で、観客を惹きつけて離さない、将来を嘱望される実力派。2007年文部科学大臣奨励賞、2013年舞踊批評価協会新人賞受賞。

日本舞踊家 花柳源九郎氏画像提供:芸団協

杵屋勝十朗(三味線)
1978年千葉県出身。東京藝術大学卒業。艶のある音色と巧みな技術を持ち、歌舞伎公演、日本舞踊公演、演奏会など幅広く活躍。津軽三味線でも受賞歴のある腕前。

三味線 杵屋勝十朗氏画像提供:芸団協

NOBODY KNOWS  [令和2年度 日本博主催・共催型プロジェクト]

主催:文化庁、独立行政法人日本芸術文化振興会、公益社団法人日本芸能実演家団体協議会(芸団協)
共催:(鶴岡)出羽三山「生まれかわりの旅」推進協議会、鶴岡市、鶴岡市教育委員会
(伊勢原)小田急電鉄株式会社、大山阿夫利神社
企画協力:縦糸横糸合同会社 (鶴岡)出羽三山神社、出羽三山門前町プロジェクト、西の伊勢参り 東の出羽三山参りプロジェクト(伊勢原)伊勢原市観光協会、Sta.
広報協力:伊藤総研株式会社
コミュニケーションデザイン:株式会社Que
協力:一般社団法人長唄協会、公益社団法人日本舞踊協会、公益社団法人能楽協会
後援:環境省 (伊勢原)伊勢原市

その他画像

松例祭松例祭(火の打替神事-松明行事)」画像提供:芸団協

大山阿夫利神社からの眺望「大山阿夫利神社からの眺望」画像提供:芸団協

大山詣りの様子「大山詣りの様子」画像提供:芸団協

大山からみる富士山「大山からみる富士山」撮影:三宅岳

【公式ページ】https://www.nobodyknows.tours

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