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男鹿の自然を通じて、ナマハゲへの学びを深める!第2回オンラインツアーの様子をレポート

男鹿の自然を通じて、ナマハゲへの学びを深める!第2回オンラインツアーの様子をレポート

JR東日本とオマツリジャパンが推進し、オンラインを活用し地方との関係を生み出す新しい交流方式・祭り留学の第2回が10月23日(土)に行われました。

“ナマハゲを知る”と題し職員さんによる、なまはげ館の紹介や、オンライン問答体験などで好評を博した第1回。今回行われる第2回のテーマは、“ナマハゲを学ぶ”。五穀豊穣の神として知られるナマハゲのご利益を通して、男鹿の人々とナマハゲの関わりを紐解いていきます。ツアーではナマハゲ縁りの神社“真山神社”の方や、男鹿地方で農業を営んでいる方が出演。オンラインで紹介いただいた商品を競り落とす“オンライン競り体験”も実施され、第1回以上に大盛り上がりとなりました。

本記事ではその“第2回  祭り留学  ナマハゲを学ぶ オンラインツアー”の様子をレポートにしてお届けしていきます!!

五穀豊穣の神 ナマハゲのご利益が詰まった男鹿の特産物

オンラインを使って祭りを知り、祭りを知って地域を知り、人を知る。そしてオフラインで地域へ向かい、仲間と触れあい、祭りを体感する。コロナ禍の今だからこそリリースされた祭り留学。

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今回行われた第2回目は、来訪神ナマハゲが御利益を与える男鹿の恵みを通して「悪ぃ子はいねが〜」とは違った、男鹿で暮らす人々とナマハゲの深い関係を学んでいきます。

株式会社オマツリジャパン・大塚さんの進行のもと、男鹿地域にある真山神社の境内と結ばれた中継で登場したのは、前回も出演されていた男鹿市観光協会DMO推進室の佐藤さんと、現地リポーター・株式会社オマツリジャパンの菅原さん。

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佐藤さんからは、今回の切り口ともなる男鹿の自然を絡めながら、チケットに付属しているそれぞれの体験ギフトについて紹介がなされました。

“男鹿の海の幸プラン”で使われているのは、いくら、タコ、甘エビ、ギバサなど、どれも男鹿沖で取れた魚介。なかでも注目したいのが男鹿沖で取れた真鯛。男鹿沖は真鯛の産卵地の北限であり、毎年5〜6月には“男鹿の鯛まつり”が行われるほど地域の特産物として親しまれています。

参加体験ギフト

また“だまこ汁セット”の内容物である、“だまこ”とは男鹿のお米を使用した、秋田の名産物“きりたんぽ”に似た郷土料理。きりたんぽとの違いは一口大に丸められていることで、男鹿地域の方々は、根菜や鶏肉などと一緒に、比内地鶏のスープで煮込んでいただくそう……。聞いているだけでおいしそうです。

参加体験ギフト、最後の一つは“日本酒・真山”。大晦日にナマハゲ迎える際、必ずと言っていいほど用意されるお酒で、実は今回の中継地点である真山神社でつくられているそうなんです。

毎年の違いを楽しむ 真山神社とナマハゲの関わりとは?

日本酒・真山について解説いただいたのは、真山神社・権禰宜の高森さん。高森さんによると、日本酒・真山は真山神社の氏子さん達からいただいたお米から作られているとのこと。その年に取れたお米が混ざるため、毎年、味が違うのが特徴なのだと言います。「毎年変わる味を楽しむために飲まれている方もいるんですよ」と高森さん。

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イベント中のコメントでは「おいしいいです!」や「フルーティーな香りが素晴らしいです」といった感想が寄せられていました。

日本酒・真山は真山神社でのみ販売されているお酒。現在は収穫を終えたお米を使い、仕込みの準備をしているそうで、今年の日本酒・真山がどんな味わいになっていくのか、今から楽しみですね。今回のオンラインツアーで日本酒・真山を召し上がられた方は、現地に足を運び、今年の日本酒・真山と味わいを比べてみてはいかがでしょうか??

真山神社について、高森さんは「日本酒・真山を製造している真山神社が建立されたのは、古事記に記されている、景行天皇の時代。瓊瓊杵命(ににぎのみこと)、武甕槌命(たけみかづちのみこと)の二柱を祀っており、参拝すると、国家安泰や、五穀豊穣、勝利のご利益が得られます。」と話してくれました。

真山神社過去に撮影した、冬の真山神社・拝殿

ナマハゲゆかりの神社とも知られ、約900年前から1月3日に、「柴灯祭(さいとうさい)」という、ナマハゲのお祭りを開催してきたそう。

「柴灯祭は現在、地方の訛りを経て「柴灯祭(せどまつり)」とよばれています。当日は、男鹿地方の民家が1年に使う量に匹敵するほどの薪を1日で使い、盛大な火を炊くんですよ。」と高森さんは話してくれました。

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燃え盛る炎のなかを行くナマハゲの姿……。想像しただけで神々しさと雄々しさが伝わってきます。毎年2月には、「柴灯祭(せどまつり)」を元にした、観光向けに開催されている「なまはげ柴灯まつり」の会場ともなっているそう。ナマハゲと真山神社の深い繋がりを感じますね。

男鹿の米作りを営む農家さん ナマハゲ問答で意識しているのは“絆”

続いて登場してくださったのは、男鹿市の男鹿中中間口地区で稲作を営んでいる武田さん。丹精込めて育てた稲が収穫を迎えるなか、スケジュールを調整してきていただいたのだとか。

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武田さんによると、今年のお米は、例年並の収穫量なのだそう。「個人的には少ないかな」ともお話しされていました。

「米作りには、天候と水、そして日当たりが大きな影響を与えます。中間口地区は中山間地なので田んぼによっては日当たりが良くない場所もあり、同じ地区でも収穫量は変わってくるんです。男鹿は地形の関係で広い田んぼを確保できないため、必然的に管理の行き届いたお米になり、さまざまな方から『おいしい』と評価をいただいています。」

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男鹿で暮らす武田さんは、なんとナマハゲの担い手でもあるそう。当日は農家やお子さんのいる家、体調を崩された方のいる家など、それぞれのお家の状況を考えながら、問答に向かうといいます。

例えば子どものいる家では、子どもが親の元へ逃げ込むよう脅す方向を考えるなど、家族の絆を感じさせるような戒めを行っているという武田さん。ちゃんと子どもが親の元へ駆け込むのを見ると、お面の下で「よかった〜。」と感じると話してくれました。優しいナマハゲさんです。

祭り留学2-6過去に中間口地区で使われていたナマハゲ面

ナマハゲについての想いを伺うと

「まさか自分がナマハゲになるなんて思ってもみませんでした。やるようになってから、帰省する方が楽しみにしてくださっている姿をみて、ナマハゲはこの地域になくてはならないものだと感じるようになりましたね。神様の遣い、地域を見守っていく存在という意味でも、続けていきたいと思っています。」

と話してくれました。

先ほど、真山神社で高森さんに伺った“日本酒・真山”。実は武田さんが収穫したお米も原料として用いられているのだとか。ナマハゲが与えたご利益を得て、お米を作り、それを原料にお酒が作られ、男鹿の人がナマハゲの化身としてお酒をのみ、また地域へ力を与える。ナマハゲという文化を起点とした、男鹿地域の不思議な力の循環を感じました。

ちなみにナマハゲ問答で何を言うかは、特に練習などはされないそう。出発前の儀式を終え、お神酒を飲んだ瞬間に気持ちが入るそう。ただ外に出ると寒くてそのスイッチはすぐに切れてしまい、おうちに入る瞬間にまた気持ちが入るとも教えてくれました。「ナマハゲスイッチ、おもしろいです」といったコメントが寄せられており、まさに“ナマハゲが降りてくる”といった状態なのでしょうね。

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男鹿の魅力を競りおとせ!“オンライン競り体験” 真山神社 御神木をめぐるツアーも!

続いてに行われたのはオンラインツアーでありがなら、ナマハゲのご利益を得て育くまれた、男鹿の味覚を体験できる“オンライン競り体験”!

一品めに出品されたのは、先ほど出演いただいた武田さんが育てた新米“あきたこまち10kg”。さらに今回は男鹿海洋高校の生徒がつくった“伝統のサバ缶”や、男鹿の塩ダレで味付けした無添加の“味のり”も一緒に出品され、盛りだくさんのセットとなっていました。

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現地リポーター菅原さんの掛け声でスタートした競りは、100円から200円、1000円と値段が上がり、最終的に5600円で落札!!男鹿の魅力を詰め込んだセット、筆者も欲しいです……、落札者さんが羨ましいですね。

一回目の競りが終了したところで、休憩として真山神社の御神木を見学するツアーに出発。修験道としても用いられている場所だけあり、細く険しい道が続きます。通りすがりに見られた木ですら樹齢200年という真山神社の境内。いったい御神木はどんな姿をしているのでしょうか?

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社務所を通り抜け、とうとう見えた御神木。末広りという言葉がぴったりな風貌で、日差しは枝々の間からふんわりと降り注ぎ、神々しい雰囲気を感じさせます。

「この御神木はイチイ科の榧(かや)で、樹齢は1100年以上と伝わっています。碁盤の木材にピッタリとされている榧は通常、縦に伸びていくのですが気候の影響か、この地では横に広がるように成長しています。南北に24m、東西に17mの広さがあるんですよ。」

真山神社・御神木の圧倒的なスケールは、気候の影響の可能性があるとはびっくりです。配信場所である神楽殿に戻る途中では、1月の柴灯祭でナマハゲが登場する登山道も紹介されていました。

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柴灯祭で使われる広場を抜け、配信場所に戻り、いよいよオンライン競り体験のトリ、“和牛なまはげ”が出品されました。和牛なまはげは今年7月にデビューした、男鹿市の農場・大進農場の和牛ブランド。14代にわたって畜産を営む大進農場ではストレスのない飼育を行っており、出荷されるお肉は大半がA5ランクを獲得するほど高い評価を得ています。

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“和牛なまはげ”は、それらの中から選りすぐったものだけが名乗れる特別なブランド。あっさりとした脂が特徴で、まだ市場には流通しておらず、価格も決めることのできない激レア品です。今回は特に希少な部位、フィレが出品されました。

100円からスタートした競りは一瞬で、1000円を突破。3000円、4000円、5000円、と上昇していき、7000円あたりから刻んだ入札がなされ、最終的には8000円で落札されました!

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競りの後には進行の大塚さんが、落札できなかった方のために、日本酒・真山と男鹿の新米が購入できるページを案内。参加した方全員が、ナマハゲのご利益を得た男鹿の魅力を体験できる、素敵なオンラインツアーとなりました。

第3回は12月4日(土)の現地ツアー!!

最後にアナウンスされたのは、オンラインツアー参加者限定の特典の紹介。

内容は第1回、第2回と行われるオンラインツアー参加者に、第3回のオフラインツアー、つまり現地ツアーの際に、なまはげ太鼓の鑑賞・石焼料理体験・男鹿温泉郷の宿泊券がセットになった特別プランを用意しているというもの。

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また12月4日に開催される、祭り留学第3回・現地体験ツアー、または翌日12月5日のナマハゲ伝道師試験を受け、さらに2月の“なまはげ柴灯まつり”に参加された方には、面彫師・石川千秋さんによる、木彫りのなまはげ面がプレゼントされるといった特典も紹介されました。

2月の“なまはげ柴灯まつり”が行われるのは、本日中継が繋がっていた真山神社。中継所の目の前にある広場で、男鹿の民家で1年に使われる量の薪が燃やされるわけです。想像しただけで大迫力です。興味のある方はぜひ、現地で体験してみてくださいね!!

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次回の祭り留学は、ナマハゲ伝道師試験、直前の12月4日(土)。地元の方と一緒に郷土料理だまこ汁作りを体験したり、なまはげの着用する藁(けで)でリースを編んだり、真山神社やなまはげ館を巡るなど、男鹿・そしてナマハゲに深く関わることのできる、盛りだくさんの現地体験ツアーとなっています。

これまでオンラインツアーに参加してくださった方には、先ほどの特別プランのご案内もありますので、ぜひご参加ください!

おわりに

高森さんによる真山神社の紹介や、日本酒・真山の味の違い、真山神社の御神木の特徴、そして武田さんによる男鹿の農業の紹介や、ナマハゲのスイッチのお話など、男鹿、そしてナマハゲへの学びを深められた楽しい時間でした。オンライン競り体験も、どんどんと価格上昇して盛り上がり、たくさんの人が熱中していたのが感じ取れました。

今回は第1回の反省を活かして、大型のWi-Fiを持ち込んでいたそうで、特に違和感なく視聴できたのも楽しめたポイントの一つ。そのおかげか前回と比べ、たくさんのコメントが寄せられていたように感じます。

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次回の祭り留学は12月4日(土)、興味のある方は現地に足を運んで、ナマハゲ文化を体感してみてくださいね!!

【祭り留学 ・第3回】なまはげに触れる 現地体験ツアー

 

この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
地域のお祭りやインタビュー、由来を調べるのが好き。いろんなお祭りを知りたいと思っています。

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