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【王子稲荷神社・初午祭】火事が多発する2月に防火の願いをこめる凧市

更新日:2021/2/15 obaq
【王子稲荷神社・初午祭】火事が多発する2月に防火の願いをこめる凧市

稲の守り神とされる狐が主役の稲荷神社

野山に生息するキツネは数多くの昔話や童話に登場し、日本人にとっては極めて身近な動物と言えるでしょう。農民にとっては稲などの農作物を荒らす野ネズミなどから守ってくれるため、稲の守り神とされ全国の稲荷神社に狐の像が設けられるようになりました。全国各地に建立される稲荷神社では、毎年初午の日に「初午祭」が斎行されています。東京都北区に社殿を構える王子稲荷神社でも、2021年には2月3日に「初午祭」が行われました。

王子稲荷神社の正門に掲げられる「初午祭」の案内

王子稲荷神社の正門に掲げられる「初午祭」の案内

平安時代から関東稲荷総司として崇敬される王子稲荷神社

王子稲荷神社の創建に関する記録は残っていませんが、平安時代の中期には河内源氏の2代目棟梁を務めた源頼義が、関東稲荷総司として崇敬しました。1822年には江戸幕府第11代将軍の徳川家斉が、権現造りの様式で社殿を造営しました。

正門

鳥居と拝殿を繋ぐ石階段

拝殿前

拝殿

拝殿

拝殿の西に隣接する神楽殿では、「初午祭」の開催日には幼稚園児による舞楽奉納が行われます。王子稲荷神社の敷地内にいなり幼稚園があり、女児によって浦安の舞、男児によって剣舞が奉納されます。

神楽殿

「初午祭」の舞楽奉納の案内

王子稲荷神社の敷地内のいなり幼稚園

拝殿の東の朱色の鳥居が交錯する境内には、本宮社、御石様が設けられ、最も奥には「狐穴」を見ることができます。石に囲まれた穴には狐が住んでいたと言われています。地域の人々が集うようになると、不思議な伝説が産まれたのです。毎年大晦日の夜に稲荷の使いである狐が、身なりを整え初詣に訪れるというのです。その際の狐火の行列は壮観で、農民たちは数を数えて翌年の豊凶を占ったと伝わります。

朱色の鳥居が交錯する境内

本宮社

御石様

狐穴

火事除けの縁起を担ぐ火防凧

拝殿で参拝を済ませた大半の人々は、授与所に向かいます。充実した授与品の中で、最も目を引くのが火防凧です。初午の日の前後は寒さの厳しい時期のため火事が多発しました。凧は風を切って空を舞うため、火事除けの縁起を担ぐようになったのです。

授与所

授与品

授与品

火防凧

火防凧

初午の日には境内に露店が登場します。凧市が開かれるのです。露店では、形や大きさ、デザインの選択肢が大きく広がります。

初午の日に境内に登場する凧市の露店

初午の日に境内に登場する凧市の露店

初午の日に境内に登場する凧市の露店

凧市の店頭に並ぶバラエティー豊富な凧

凧市の店頭に並ぶバラエティー豊富な凧

神社から王子駅に向かう森下通りの左右に隙間なく軒を連ねる露店

露店の姿は神社の境内ばかりでなく、JR、東京メトロの王子駅に向かう森下通りに溢れています。300メートルあまりの参道の左右には露店がぎっしりと並びます。バラエティー豊富な飲食店の間には、古くから子ども達を楽しませるゲームのコーナーも設けられています。

王子稲荷神社と王子駅を繋ぐ森下通り

左右には露店がぎっしりと並ぶ森下通り

森下通りの南端

飲食店の間に姿を現すゲームコーナー

飲食店の間に姿を現すゲームコーナー

東京都北区に社殿を構える王子稲荷神社には、狐火の行列の伝説が伝わります。初午の日の「初午祭」に合わせて凧市が開かれ、参道には露店がぎっしりと並びます。

この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
2010年より旅行系のフリーライターとして各種メディアで記事の執筆を行っております。「おまつり」には各々の地域の歴史や伝統、文化が凝縮しています。関東地方で開催されている「おまつり」を中心に、その魅力を紹介して参ります。

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