赤ちゃん誕生!パパやママ、祖父母にとって何より嬉しいできごとです。赤ちゃんが生まれると、お宮参りやお食い初め、初節句など、たくさんの行事がありますが、今回は、お宮参りにフォーカスを当てていきます。お宮参りは、地方毎に違いがありますが、一般的・伝統的なスタイルをご紹介します。
そもそもお宮参りとは?
お宮参りとは初宮詣とも言います。
母子共に無事な出産に感謝し、その旨を神様に奏上(そうじょう)し、赤ちゃんが元気で健やかに成長しますようにという願いや、けがれを祓うという意味から、神社に詣でて参拝することを言います。赤ちゃんにとっては生まれて初めての神社へのお参り行事です。
お宮参りってなにをするの?
まずは神社への参拝、更には祈祷を受けるご家族が多いようです。祈祷の前には、願い事や赤ちゃんの氏名、生年月日などを申し込み用紙に書き込みます。その後、控室で茶菓のもてなしを受けてから神殿に移動し、神職による祈祷を受けます。祈祷の際には、赤ちゃんの名前や生年月日が神職によって読み上げられます。出席者は、こうべを垂れて、祝詞(のりと)を聞きます。神職が祝詞を唱えている間、赤ちゃんが大声で泣き出してしまうこともありますが、それはそれで微笑ましい光景です。
祈祷が終わると、初宮詣記念と書かれたお札を授与されます。神社の中には、あわせてお食い初めの食器セットや参拝記念の写真を下さるところもあります。このように、最近では神社も各種のサービスを付与してくれています。
祈祷に際しては、当日、予約なしで受け付けてくれる神社もありますが、事前予約が必要な神社も多いため、行く前に確認しておくと良いでしょう。
いつまでに行くべき?お宮参りに行く時期
一般的には、男の子は生後32日、女の子は生後33日目に参拝するのが本来の習わしです。生まれた日を1日目と数えます。生後1か月を目安としていますが、地域によっては、3日前後変わる場合もあります。病院の1か月検診を終え、母親の体調も元に戻るのが1か月です。赤ちゃんにとっても母親にとっても少し落ち着いた生後1か月はちょうどいい時期ですね。ただ、最近では必ずしも、生後1か月にこだわらず、参列する祖父母の都合などに合わせて日程を組むご家族も多いようです。
例えば、生後1か月が真夏や真冬に当たる場合は、お宮参りをずらしても構わないとされています。酷暑や寒冷の中、生後間もない赤ちゃんを外に連れ出すのは危険であるためです。赤ちゃんはまだ体温調節がうまくできないので、気候のいい時期にお宮参りに行きましょう。北海道や東北、北陸地方では、冬生まれの赤ちゃんのお宮参りは生後100日にするところも多くあります。
基本は生後1か月ですが、気候の具合や参列者の都合を考慮して、多少ずれても構わないというのが最近の流れのようです。
どこに行けばいいのか?
お宮参りは、土地の守り神である産土神(うぶすながみ)、つまり氏神様へお参りします。しかし、例えば里帰り出産で、母親の実家に母子が滞在している場合は、実家の近隣の神社での参拝でも差しつかえないとされています。
初穂料とは?お宮参りにかかる費用
初穂料とは、祈祷を頼む際に、神社に納めるお金のことです。いくらかかるのか気になるところですよね。祈祷料は、神社にもよりますが、3,000円、5,000円、10,000円、30,000円など祈祷料には幅があります。お宮参りの場合は、5,000円から10,000円が平均的な額です。
初穂料は、のし袋に入れます。水引は蝶結びです。ちなみに蝶結びは、何度あってもいいお祝い事に使う水引です。のし袋の表書きには、上に初穂料と書き、下に赤ちゃんの名前を書きます。祈祷の前に祈祷受付か、社務所に納めます。
お宮参りのときの服装
赤ちゃんには、ベビードレスの上に祝い着という華やかな着物を上から被せます。祝い着は男の子と女の子とでは、色合いや柄が全く異なります。
男の子の場合は、黒、紺、緑といった深く濃い色が使われます。柄は、鷹やかぶとが用いられます。鷹は、先を見通す力や、幸運をしっかり掴めるようにとの意味があります。かぶとは、災厄や邪気から身を守り健やかに成長していけるようにとの意味を含みます。
一方、女の子は、赤やピンクといった色が主流です。柄には、毬や、桜・梅の花が多く用いられます。毬の柄には丸々と可愛く育つようにとの意味があり、桜は縁起の良さ、梅は節操を象徴しています。
※上記はあくまでも一般論のご紹介です。
赤ちゃんの祝い着が和なので、それに合わせて母親も、和服を選ぶと写真映えも良くなります。訪問着や色留袖など、お祝いの場にふさわしく明るい色を選ぶといいでしょう。ですが、生後1か月では、授乳の必要もあり、和服では大変な場面も多々あります。授乳を考えたり、また母体の体調がまだ回復していなかったりする時は、季節や天候によってスーツやワンピースなどを選んで着る女性も多いようです。
父親は基本、礼服やビジネススーツです。赤ちゃんや母親の服装に合わせて、また写真写りが良いように清潔でシンプルな物を選びましょう。
祖父母は、父方と母方の両家でバランスを揃えて準備しましょう。
片方が礼服や和服を着ているのに、もう片方がカジュアルな格好では釣り合いが取れませんよね。
とはいえ、手持ちに和服がない人も多いでしょう。貸衣装のレンタルサービスを利用したり、フォトスタジオのレンタル衣装を利用したりすることもできます。母親の和服だけでなく、赤ちゃんのお祝い着もレンタルできるので服装選びに困りませんね。
準備しておくと安心な持ち物
普段のお出かけの時と同様の準備がまずは必要です。おむつ、ごみ袋、お尻拭き、おむつ替えシートを用意しましょう。母乳をあげている赤ちゃんなら授乳ケープを持参しましょう。ミルクの赤ちゃんは、ミルクや哺乳瓶、湯ざましを持っていきます。また、ベビーカー、抱っこひも、ガーゼも必要です。よだれかけも余分に持っていきましょう。
お宮参りには、カメラやビデオを持参される方がほとんどでしょう。バッテリーの充電や、メモリーカードの空き容量をあらかじめチェックしておくのがベストです。
着つけない和服を着て、気分が悪くなったり、帯がきつく感じてしまったりする母親もいます。着替え用のラフな洋服も1セット荷物に入れておくと安心です。
記念撮影はどうする?
新しい家族が加わった最初の行事。きちんと写真に残しておきたいですよね。参拝記念の写真を撮ってくれる神社もありますし、周りの家族もスナップやビデオに収めるでしょう。写真スタジオへ行って家族の記念写真を撮っておくのもおすすめです。その場合、自宅や神社からあまり遠くない写真スタジオを前もって探し、予約も入れておきましょう。家族の大切な一生の記念になりますよ。
写真スタジオを利用する
写真スタジオを利用する第一のメリットは、たくさんあります。
・家族全員で撮影できる
家族の誰かが撮影者になると、家族全員の写真が撮れません。通りがかりの人に頼むこともできますが、不慣れなカメラだと出来栄えが保証されません。プロに頼めば、家族揃った写真が残せます。
・光の調節が難しい
逆光や、暗い室内、明るすぎる室外など、素人では写真の出来栄えに左右される条件があります。写真スタジオでプロに撮ってもらえば、ベストアングルで撮影してもらえます。
・天気や人出に左右されない
お参りをすませた神社で、家族で写真を撮るのもいいのですが、境内が混雑していたり、お天気が悪かったりして撮影が難しいケースもあります。予約をした写真スタジオで撮影してもらえば、ゆったりと、撮影はプロに任せることができます。
・貸し衣装の利用ができる
写真スタジオによっては、衣装を貸してくれ、着付けもしてくれるところがあります。
スタジオで着付けをして、記念撮影をし、神社にお参りして、あとは、スタジオに戻ってきて、衣装を着替えるだけ。自前の和服だと、帰ってから着物の手入れもしなければなりませんが、写真スタジオなら脱いでそのまま着替えて帰れます。
撮影時のご機嫌のとり方
初めて、外出した赤ちゃん。いざ写真を撮ろうとしたらご機嫌ななめという事も大有りです。ニコニコ笑ってほしいのに、眠ってしまったり、泣き止まなかったり、と写真を撮るだけでも一苦労ですよね。そうした場合に備えて、お気に入りのおもちゃを持参するのもおすすめです。また、スマホで赤ちゃんお気に入りの画像を表示させたり、動画を流すのも良いでしょう。
子供の扱いに慣れている写真スタジオなら、こうした場合の対応もまさにプロの技で乗り切ってくれます。あやしなら、親よりもスタジオのスタッフの方が上手な場合もあります。お宮参り時の撮影に慣れているスタジオなのか事前に調べておきましょう。
「オンライン神社」で自宅に居ながらお宮参りできる!
新型コロナウイルスなど伝染病の流行や、家庭の事情などで、お宮参りに行きたいのに行けない、というご家族もいるでしょう。そうした場合には、オンライン参拝を提供してくれている神社さんを頼ってみてはいかがでしょうか。
参考に、とある神社のオンライン参拝の流れをまとめてみました。
1.自宅から願い事を託すため、神社の特設サイトから申し込みをします。
2.神社で絵馬の画像が作られます。お願い事をSNSでシェアします。
3.願い事が神社で祈祷されるので、Twitter Live配信で拝見します。
4.後日、祈祷された印として、御朱印の待ち受け画像が神社から送信されてきます。
参拝できる日に神社で本物の御朱印と交換することができます。
このように、新たなスタイルの参拝も増えていますので、ぜひ合ったものを探してみてください。
まとめ
新しい家族を迎えて喜びいっぱいのご両親や祖父母。皆で最初にお祝いするのがお宮参りです。赤ちゃんの健やかな成長を祈って、神社でお祈り致しましょう。神社には授乳室やおむつ替えの台がない所も多いので、それも事前に調べ、対応できるように準備しておくと安心ですね。赤ちゃんが社会にデビューする第一歩を、皆でお祝いしてあげましょう。