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京都・宇治のランタン祭りが楽しい!2023萬福寺「黄檗ランタンフェスティバル」!インゲン和尚ゆかりの名刹で春節先取り!

更新日:2023/11/14 佐々木 美佳
京都・宇治のランタン祭りが楽しい!2023萬福寺「黄檗ランタンフェスティバル」!インゲン和尚ゆかりの名刹で春節先取り!

2023年も京都府宇治市の萬福寺で、「黄檗(おうばく)ランタンフェスティバル」が行われています!

江戸時代初期、中国から渡来した僧・隠元禅師にちなんで、寺の境内が中国ランタンで埋め尽くされるこのイベント。10月8日からすでに開始していますが、まだまだたっぷり12月10日まで楽しめます。

この記事では、京都在住のフォトグラファー・佐々木美佳さんによる2022年の現地レポートとともに、2023年の開催情報をお届けします。

春節先取り「黄檗ランタンフェスティバル」

京都・宇治エリアにある「萬福寺」にて、2022年10月28日(金)〜2023年1月31日(火)の日程で黄檗山萬福寺・一般社団法人京都山城地域振興社(DMO)・日中文旅株式会社による日中友好の「黄檗ランタンフェスティバル」が開催されています。

この素敵なランタンフェスティバルを中国在住経験のあるフォトグラファーの佐々木がレポートいたします。

黄檗宗 大本山「萬福寺」

黄檗宗(おうばくしゅう)は江戸時代初期に中国から渡来した隠元禅師(いんげん ぜんし)が開創した寺院です。ランタンフェスティバルの会場である萬福寺は日本三禅宗の一つで黄檗宗の大本山です。

隠元禅師の茶器をかたどったランタン。明時代の中国茶器の名工・時大彬(じだいひん)の落款が入っています。

黄檗ランタンフェスティバル

萬福寺を開山した隠元禅師が渡来してから368年。隠元禅師は、日本にインゲン豆を伝えた人物としても有名です。煎茶やスイカ、レンコン、タケノコ(孟宗竹)など身近な食材のほか、建築、文学、印刷技術など隠元禅師の訪日をきっかけに渡来した文化や技術は多岐にわたります。2022年は隠元禅師350年遠忌諱にあたり、日中を繋いだその偉業を記念して「黄檗文化ランタン展示会」が開催されています。

一目で見てわかる!ランタンで中国文化の紹介

この黄檗ランタンフェスティバルは中国の文物がわかりやすくランタンで表現されています。たとえばパンダのランタンをはじめ、闇夜に並び立って美しく輝くランタンを見れば、中国の歴史・伝統や文化を知るきっかけになります。

日中友好の門

黄檗駅(京阪、JR)から徒歩3分。
お寺に到着すると入り口には「日中友好の門」。
わぁ!まさに中国で見た春節のランタンが京都にある!!と感激。

「牌坊(はいぼう)」という中国伝統の建築様式で建てられた門は、横浜中華街や神戸中華街をはじめ、世界各地の中華街にある中華文化のシンボル。それが見事に模されたランタンに、早くも気分は中華色に染まります。

入ってみると、早速、あちこちから中国語が聞こえます。
スタッフの方に話を聞いてみると、このランタンは「本当に中国から持ってきたものです」とのこと。

隠元禅師渡来

門をくぐると、今度は本当に人が乗れそうなほど大きな船が見えてきました。これは萬福寺を開山した隠元禅師が来た時の様子をかたどったものです。

龍舞賀春(りゅうまいがしゅん)

こちらは「長崎くんち」などで見られる龍舞を思い出させるランタン。中国と日本の文化的な深いつながりを感じさせます。

麒麟瑞獣(きりんずいじゅう)

麒麟は、中国神話に登場する伝説上の動物(瑞獣)です。主に紙で出来ている他のランタンとは違い、麒麟の体には色の付いた小さなガラス瓶が使われています。

小瓶がキラキラしているのが綺麗!思わずアップで撮影しちゃいました。

敦煌の飛天

こちらは「飛天」と言います。音楽を奏で、香を焚きながら仏さまの周りを飛ぶ天人たち。世界遺産である敦煌(とんこう)「莫高窟(ばっこうくつ)」の壁画に描かれた飛天がモチーフになっています。

鹿王本生(ろくおうほんしょう)

こちらも中国の北魏時代に敦煌の「莫高窟」に描かれたとされる壁画「鹿王本生図」をモチーフにしています。「鹿王本生図」は、釈迦の前世物語集『本生経』に収められているお話です。

南海観音

こちらのランタンは中国の海南島三亜市の南山寺付近にある観音菩薩を模したものです。右手で持っている楊柳(ようりゅう)は災いを避け、人々の病苦を癒す力があるとされ、左手の浄瓶(じょうへい)の中の甘露は幸せを人間界に広げることができると言われています。

神聖な蓮池

実際にある境内の池を使ったランタンです。池に映りこむ光も素敵ですね。
中国語で魚の発音は「余裕がある」という言葉と同じ発音のため、縁起が良いと言われています。

仕女の花見(しじょのはなみ)

仕女(宮仕えの女性)は、中国の伝統的な美人画によく描かれるモチーフです。いくつものランタンを使って、満月の夜に庭園で宮仕えの女性が花見をしている様子を表現しています。
こちらは大掛かりなランタンでなかなか迫力があります。ランタンの前で記念撮影をしている人もいました。

桃源郷

「桃源郷」は俗世間を離れた想像上のユートピア。そこは「蟠桃(ばんとう)」という中国原産の平たい桃の実をつける木々に囲まれているとされています。蟠桃は中国では神々の不老不死の源と考えられてきました。
蟠桃を食べている猿は、日本でもおなじみの孫悟空でしょうか?。

というのも、中国の古典小説『西遊記』に登場する孫悟空は、神さまの蟠桃を盗み食いして、人間界に追放されたという生い立ちです。彼はその後、三蔵法師のお供として中国へ仏典を持ち帰るという大活躍を見せます。桃源郷ランタンの隣には、如意棒を振りかざす孫悟空のランタンがあり、その奥は開山堂です。ライトアップされた参道が荘厳な雰囲気をかもしだしています。

境内はとても広く、まだまだ他にもたくさんのランタンが。
ソーシャルディスタンスが保ちやすく、ゆっくり見て歩けます。

子供と一緒に楽しめるのはこちらのト音記号のランタン。
周りにあるレコードのような丸い部分を踏むと音が鳴る仕掛けです。

大人でも楽しめる光るブランコもあります。
パープルカラーの時に撮ったらオシャレな感じになりました。

境内にはガシャポンがあったり、家族や子供と一緒に楽しめる場所だなと感じます。
ぜひお子さんと一緒に楽しんでみてくださいね。

幸福満載

「幸福満載」という名前のこちらのランタンも来客参加型の作品。紫色の中央の部分に手を広げて立ち、「福」の字を完成させてください。

中華街に行くと、福が逆さまになった「逆さ福」や「倒福」もよく見かけますね。

これは、中国語で「福が逆さまになる」という意味の「福倒了(フー・ダオ・ラ)」は、「福が来る」という意味の「福到了」と発音が同じという洒落です。「福」の字は、中国でとても好まれる漢字なのです。

以上、萬福寺の「黄檗ランタンフェスティバル」のレポートでした。

中国ゆかりのおもちゃの売店や、軽食を食べられる屋台もありますよ。

粽の味が濃くてめちゃくちゃ美味しい!温かい肉まんやエッグタルトもあります。

中国文化を楽しみながら、日中をつないだ隠元禅師に思いを馳せてみてください。

ランタンフェスティバル限定御朱印もあります!

黄檗山「萬福寺」ランタンフェスティバル

2022年10月28日(金)~2023年01月31日(火)17:30 ~ 21:00(最終入場20:30)
入場料(当日券)大人:2500円、中高生:1000円、小学生以下・身障者ご本人:無料
京都府宇治市五ケ庄三番割34

2023年の開催情報!

開催期間:2023年10月8日(日)~12月10日(日)17:30~21:00(最終入場20:30)

会場:黄檗宗大本山 萬福寺(京都府宇治市五ケ庄三番割34)

アクセス:京阪宇治線、JR奈良線黄檗駅下車徒歩5分

入場料:大人1,500円(前売り1,300円 )、学生1,000円(前売り:800円 )、中高校生500円(前売り400円 )、小学生以下:無料(要保護者様同伴)※学生の方は入場時、学生証の提示を願います。※前売券はLINEかJTB電子チケットで購入できます。

開催中の主なイベント:

・伝統芸能/中国変面ショー:~12月10日(日)の金・土・日曜

・エイサー公演:11月18日(土)

・ひょっとこ踊り:12月10日(日)

・サウンドヒーリングLIVE:11月19日 (日)・ 23日(木祝)・ 12月3日(日)

・宇治市公認ご当地キャラクター「チャチャ王国のおうじちゃま」がやってくる:12月3日(日)

・バルーンアート:~12月10日(日)の金・土・日曜(予定)

・おたのしみ中華屋台:~12月10日(日)

・毎日先着合計150名様にプレゼント!:12月1日(金)~ 10日(日)

この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
毎日「京都散歩の旅」なカメラマン。
奈良・吉野アンバサダー。観光経済新聞、楽天トラベル等を執筆。聖地と舞が好き。民俗芸能や瀬織津姫研究中。
instagram @kyoto.photographer
https://earth-traveler.com/

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