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実家のお雑煮ってどんな?東北から奄美大島まで11種のお雑煮の実食レポ!

2022/12/27
2023/1/6
実家のお雑煮ってどんな?東北から奄美大島まで11種のお雑煮の実食レポ!

お正月というハレの日に欠かせない「お雑煮」は地域によってさまざまな種類があります。お餅の形、つゆの味付け、日本各地で愛されるお雑煮について徹底比較していきましょう。後半では、オマツリジャパンメンバーによる地元のお雑煮紹介もありますので、ぜひ最後までお読みください。

そもそも、お雑煮はどんな料理?

お雑煮

「お雑煮」には、元旦の朝に井戸から汲んだ新しい水、その年最初の聖なる火で煮て作り、それを食べることで一年の無病息災・家内安全などを願ったという歴史があります。
現在、お雑煮の作り方は変化していますが、お雑煮を食べながら家族の幸せを願う思いは今も変わりません。

お雑煮の起源については諸説ありますが、室町時代の京都が発祥という説が、有力だといわれています。白みそ仕立ての京都のお雑煮が各地に広がり、小豆汁、すまし汁などさまざまなお雑煮に変化しました。お雑煮の味付けは地域によって変わるものの、お正月の風物詩として今も親しまれています。

お餅の違いを見てみよう!角餅?それとも丸餅?

のし餅

お雑煮のお餅には、四角い形の「角餅」と丸い形の「丸餅」があります。お雑煮は、地域によってお餅の形にも違いがあることはご存知でしょうか。

角餅

角餅がお雑煮に使われるのは、岐阜県の関ヶ原より東側の都道府県とされています。

形の由来は諸説ありますが、武士が戦を前に「敵をのす」という縁起を担ぐために伸し餅を四角く切って食べていたそうです。その武士の風習が、東側の地域に広がったのではないかといわれています。

丸餅

丸餅がお雑煮に使われるのは、岐阜県の関ヶ原より西側の都道府県とされています。

こちらも形の由来は諸説ありますが、宮廷文化が残る西側の地域では、丸めたお餅を食べることで「角が立たずに円満に過ごせますように」という思いが込められているという説があります。

つゆの味付けも多種多様!すまし汁かみそ仕立て?それとも?

お餅だけでなく、つゆの味付けも地域によって個性が光ります。その中から「すまし汁」「みそ仕立て」「小豆汁」に注目してご紹介します。

すまし汁

すまし汁は澄んだスープが特徴的で、主に東日本で親しまれています。味の決め手となる「だし」の種類は一般的なものだと、かつおだし・昆布だし・煮干しだし辺りではないでしょうか。

みそ仕立て

白みそ仕立ては甘みが特徴的で、主に関西圏で親しまれています。

白みそは発酵時間が短く、少なめの塩で作られるため、まろやかな甘さで仕上がります。「角が立たないように」と願う丸餅との相性は最高ですね。

小豆汁

小豆汁・小豆雑煮はいうまでもなく小豆が特徴的で、主に山陰地方で親しまれています。

甘さ控えめに煮た小豆は、お汁粉・ぜんざいに比べるとあっさりとした甘さで、さらさらとした喉越しがあります。ひとつのさやから沢山の豆が採れる小豆には「子孫繫栄」の願いも込められているのです。

全国各地の特徴的なお雑煮3選

お餅の形や、つゆの味付け、その土地ゆかりの具材など、組み合わせを思い浮かべるだけでも楽しいですね。全国各地の中から、特徴的なお雑煮3つを紹介していきます。

東京江戸雑煮

日本の首都・東京都から紹介するのは、東京江戸雑煮です。

 

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かつおと昆布のだしで作ったすまし汁に、焼いた角餅が入っています。具材は鶏もも肉・人参・椎茸・小松菜・三つ葉などを入れ、醬油やみりんをしっかりと効かせるのが特徴。関東の広い地域では、この雑煮に近いものが親しまれています。

宮古くるみ雑煮

岩手県、主に宮古地域から紹介するのは、宮古くるみ雑煮です。

 

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煮干しだしのつゆで焼いた角餅、具だくさんなお雑煮です。具材には鶏もも肉・人参・高野豆腐・大根・いくらなどが入ります。お雑煮に入っているお餅を取り出して、甘いくるみのタレにつけて食べます。

あんもち雑煮

香川県から紹介するのは、あんもち雑煮です。


いりこだしのつゆを使い、あんこが入った餅を煮て、白みそで仕立てたものです。具材は里芋・金時人参・大根などが入ります。あん餅から汁に溶けだした小豆あんが、お雑煮独特の美味しさを作り出します。

地元のお雑煮自慢!11種のお雑煮を実食レポート

ここからはオマツリジャパンメンバーが、それぞれの実家で食べているお雑煮をご紹介します。

関東地方のオーソドックスなお雑煮

関東地方 お雑煮

具材は鶏肉、にんじん、大根、ほうれん草と、のし餅(妻の実家でついたお餅です)。
味付けは、鰹ベースの出汁と濃口醤油。
お餅はオーブントースターで焼きました。
焦げ目がちょっぴり香ばしいお餅と、鰹に加え鶏肉の出汁がきいた、関東地方ではオーソドックスなお雑煮です。

関東の要素の入った関西風お雑煮

関西風お雑煮

神奈川出身、関西9年目な我が家のお雑煮は、関東の要素の入った関西風お雑煮です。
関西風の金時人参、里芋、丸餅、糸カツオ節(手に入らなかったので今回は削り節)を使いました。
関西ではお餅を焼かないそうですが、我が家では焼いたお餅を入れています。
元旦は白味噌で。2日目はおすましにし、残りのかまぼこや伊達巻も入れて最後はごった煮状態でいただきます。

海なし県の長野のお雑煮

長野中信地方のお雑煮

実家である長野中信(白馬村)のお雑煮は、お醤油仕立てで、具材は鶏肉とネギ、ほうれん草。お餅は角餅です。
何度食べても飽きない味です。

海なし県の長野では、年越しに魚を食べることが習慣になっていて、場所によって鰤だったり、鮭だったり、その両方だったりします。
ちなみに、私の実家のある中信地域では、鰤&鮭の両方でした。
12月になるとわざわざ2~3時間かけて、新潟や富山まで買いに行ってました!

お雑煮にも鰤が入っていることがあるのですが、こ良い鰤が手に入らずで、鰤なしのお雑煮です。

アレンジ自在の石川県金沢のお雑煮

石川県金沢市のお雑煮

東京出身なので普通で、全国の味わってみたくて、お雑煮セット買ってみました。
金沢のお雑煮セットに追加トッピングで、三つ葉、羽子板かまぼこ、たらば蟹をいれました。
東京に近い味わいで、海鮮が合いました♪

山の味が満載の山形のお雑煮

山形のお雑煮

実家の山形のお雑煮は、餅、鶏肉、せり、長ネギ、大根、にんじん、ごぼう、こんにゃくが入った醤油ベースのものです!
母の実家が山形の天童というところなので、その地方でよく食べられるものみたいですが、家庭によって具材は若干違うようです。
あっさりして鶏の旨味が出ているのが特徴的ですね。具沢山なのでお雑煮でお腹いっぱいになります。

筑前煮風な埼玉のお雑煮

埼玉のお雑煮

埼玉の実家で食べるお雑煮です。おつゆは出汁+醤油ベース。
具材は家によって変わってくるのだと思いますが、実家ではおせち料理のお煮しめ(筑前煮)と紅白なますに使った残りをそのまま雑に煮ていたので、同じものが入ってきます。あとは好きなものがあれば自由に入れる感じです。
鶏肉、にんじん、里芋、ごぼう、大根はたいてい入ってます。
しいたけ、れんこんは筑前煮で余っていれば入れる。
もちは焼くのが面倒くさいので、食べる数だけ直前に入れて温めなおし。最後に三つ葉をのせて、何となくお正月感を出します。
味は筑前煮とほぼ一緒なので、何でわざわざ作るのかなと思いながら大人になりました… 今でも謎です。
ちなみに具沢山なお雑煮ですが、お餅を引き上げるとトロトロなので具が全部くっついて上がってくるので、一度に食べられます笑

ホワイティな和歌山のお雑煮

和歌山のお雑煮

大阪生まれの義母作成の和歌山のお雑煮をご紹介します。
白味噌仕立てのお雑煮の具材は、大きくカットした里芋と大根、小口切りしたネギ、柔らかい丸餅。彩りに青のりを散らしたシンプルながらもおかわりしてしまう美味しさ。
義母曰く、使ってるお芋(四国のいるまの野産)と白味噌(広島の府中味噌)が味の決め手とか!年末の慌ただしさからホッと一息できる優しいお味でした。

名古屋で生まれ育った母が作る岐阜のお雑煮

岐阜のお雑煮

名古屋生まれ名古屋育ちの母が作る岐阜の実家のお雑煮は、すまし汁に焼かない角餅、もち菜、かまぼこ、鰹節だけの非常にシンプルなお雑煮です。
我が家のスタンダードです!

岩手と青森のいいとこどりのお雑煮

岩手青森のお雑煮

我が家のお雑煮は、岩手と青森の混在感がある物です。
お餅は、角餅(リクエストで焼いたり焼かなかったり)、昆布だしにお醤油を少し、牛蒡、人参、大根、蒟蒻、芹にいくらを添えます。ほかにも鶏肉が入っています。

名古屋と三重、両親それぞれの地元の味が決め手のお雑煮

愛知のお雑煮

愛知県半田市の我が家は、名古屋出身の父のもち菜のみのお雑煮と、三重県松阪市飯高町(旧波瀬村)出身の母の里芋と聖護院大根を合体させています。
すまし汁ですが、里芋で濁っているのもご愛敬ということで!

とにかく具沢山な奄美大島のお雑煮

奄美大島のお雑煮

奄美大島のお雑煮は、かつお出汁に干し椎茸を戻し汁も追加したすまし汁。お塩と醤油で軽く味付けされています。
そこに、茹でて柔らかくしたお餅、茹でた鳥肉、揚げた魚、干し椎茸、ゆでたまご、かまぼこ、海老、そして彩りとして三つ葉やネギを入れます。とにかく具沢山で、お椀の蓋が閉まらないことも…
正月三が日の間、お客様がいらっしゃると必ずだすお雑煮のため、お汁と大量の具材は家族分以外にも大量に準備し、おもてなしにぬかりのないようにしています。

まとめ

こちらの記事では、全国各地のお雑煮をご紹介しましたが、あなたの地元のお雑煮に近いものはありましたか? 地域ごとに特徴的な具材が入っていたり、家ごとで少し作り方や具材を変えていたり、お雑煮の世界は奥が深い…
この記事を参考にして、2023年のお正月はいつもとちょっと違うお雑煮を試してみてはいかがでしょうか。

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