クリスマス、バレンタイン、そしてすっかり定着したハロウィーン。それに次いで盛り上がること必至のキリスト教系お祭り、それが聖パトリックデー。
Green Dayとも呼ばれるこのお祭りは、もともと3月17日アイルランドで祝われていたもの。今では欧米中心に世界中に広がり、日本でもじわじわと知られつつあります。
なんで緑なの?何をするの?そんな疑問を解決!今年はグリーンに染まって参加してみましょう!
目次
1.聖パトリックデーとは
聖パトリックデーは、もともとはアイルランドの守護聖人パトリキウスの命日で、彼の功績を称えるためのお祭りです。アイルランドはもちろん、世界中を緑色に染め、各地で様々なイベントが催されます。緑色の衣装のパレードに、緑色の水が流れる川や噴水、緑色のビールも!あれもこれも、緑色!
もちろん宗教的な祝日なので、教会に礼拝に行くことも行事の一つですが、現在ではアイルランド国民だけでなく、世界中すべての人々が飲んで、歌って、踊り、アイルランドの豊かな文化や伝統に祝杯をあげ、共に祝う日となっています。
2.聖パトリックデーの歴史
聖パトリックが活躍したのは五世紀半ば。苦難の障害の中で、アイルランド中を旅しながらカトリックを広め、各地に修道院・学校・教会を建てたと言われています。
彼がカトリックの教えである「三位一体」を説くのに使ったのが「シャムロック」と呼ばれる3つ葉のクローバー。今でもアイルランドのシンボルとして親しまれています。シャムロックはアイルランド語でクローバーを意味しアイルランドの国章。四つ葉のクローバーではないんですね!
聖パトリックデーの楽しみ方
聖パトリックデーといえば、緑!観光客として訪れた地でも、ぜひ緑色のものを身に付けてパレードを観に行きましょう。緑色のものを何もつけていないとつねられる、という習慣があるそうですよ!
街中の至る所でコスチューム屋さんが出店しているので、現地で帽子やTシャツをすることも可能です。
聖パトリックデーはアイルランドの伝統的な食事を楽しみましょう。代表的なものは「コーンビーフ&キャベジ(キャベツ)」
と「ソーダブレッド(重曹で膨らませたパン)」。
そして緑のビールを飲む!
これはブルーキュラソーというオレンジの果皮で風味づけしたリキュールをビールに混ぜたもの。この色はちょっと抵抗がある、という方はアイリッシュビールの王道、ギネスをどうぞ。
聖パトリックデーは、どこもパレードのため大変な人混みになります。ホテルの確保、渋滞や交通規制を避けるためのルート確認、そしてスリなどの防犯対策をお忘れなく!
3.ダブリンから各国へ!世界の聖パトリックデー
アイルランド本国で聖パトリックデーのお祭りが最も盛り上がるのは、首都ダブリン。3月初頭には町中が緑色に飾られ、最終日17日のパレードで盛大なフィナーレを迎えます。
さて、アイルランドは移民として海外に多く移住した人の多い国。それとともにこのお祭りも世界各国に広がりました。
アメリカ
ニューヨークやボストンなど、アイルランド系移民の多い地域・都市を中心に、この日を盛大に祝うアメリカ。現在見られるような巨大パレードが始まったのも、実は本国ではなくアメリカなのです。
1762年にイギリス軍隊に加わっていたアイリッシュ部隊がニューヨークの町を行進したのが始まり。そして現在世界最大の聖パトリックデーのパレードもニューヨークのマンハッタンのものです。
アメリカの聖パトリックデーで有名なのはシカゴ川。フルオレセインという蛍光塗料で緑色に染め上げられます。またシカゴ市警察では警察バッジをシャムロックの模様入りの物にするので、機会があれば要チェックです。
ウィスコンシン州のニューロンドンでは、この期間中だけ町名が「ニューダブリン」に変更されたり、大リーグではこの日には特製の緑色のユニフォームあるいはキャップを使用したりするなど、国民的な行事となっています。
St Patrick's day でNYの全パリピ達が街にでてきとる。 pic.twitter.com/2ax3Jd8yOt
— Riona Angeles (@r9730) March 18, 2018
オーストラリア
都市シドニーのシンボル、オペラハウスが緑色に!
カナダ
モントリオールでパレードが始まったのは1824年。モントリオールはフランス人が多いモントリオール。フランス人と同じカトリック教徒であるアイルランド系移民が多く集まったことから、古くからこのお祭りが祝われています。
イギリス
アイルランドに接するイギリスでももちろんこのお祭りは盛ん。バーミンガムのパレードは、国内最大。世界でもダブリンとニューヨークに次いで、3番目に大きいイベントです。
4.日本でも楽しめる!聖パトリックデーで緑に染まろう
駐日アイルランド大使館によると、2019年日本国内で聖パトリックデーのパレードやフェスティバルが予定されているのは、計18ヵ所。
東京では、3 月16日(土)・17 日(日)の二日間にわたり、代々木公園で第6回「アイラブアイルランド・フェスティバル」(主催:在日アイルランド商工会議所)が開催。アイルランドの文化、スポーツ、伝統料理や銘酒など、気軽に触れることができます。
また、3 月17日(日)の午後1時からは、原宿・表参道で「セント・パトリックス・デー・パレード東京」(主催:アイリッシュ・ネットワーク・ジャパン東京)が行われます。アジアで最も歴史の長い、最大規模の聖パトリックデー・パレード。
グランドマーシャルを先頭に、ミュージシャンやダンサー、マーチングバンドなどが練り歩き、聖パトリックのマスコットのほかアイルランドと日本のVIP ゲストも参加予定です。
2019年はラグビーワールドカップ日本大会が行われます。ラグビーの盛んなアイルランドと日本の友好を祝うイベントも多く開催。
2019年初めて聖パトリックデーの祝賀イベントに参加するのは、静岡県袋井市。9月28日、同市エコパスタジアムでキックオフ。また2020年オリンピック・パラリンピック東京大会におけるアイルランドの試合前トレーニング拠点に同市が指定されたこともあり、大いに盛り上がっています。
また北海道札幌市でも、少し遅れた3月23日(土)に聖パトリックデーのイベントが初開催。北海道はアイルランドとの間にビジネスや競走馬繁殖・競馬産業を通じて古くからつながりがある、という背景もあります。
ポール・カヴァナ駐日アイルランド大使は、聖パトリックデーのイベントが増えていることを歓迎して、次のように述べています。
「聖パトリックデーに合わせて日本で開催されるこれらの楽しいイベントは、日本とアイルランドの人々の間ではぐくまれた素晴らしい友情と、両国の国民が共有する祝い楽しむことを愛する気持ちの表れです。ラグビーワールドカップはアイルランドにとって重要なスポーツイベントであり、この特別な年に日本との絆をより一層深める機会を持てることを大変うれしく思います」
アイルランド大使館
アイルランド大使館発行「セント・パトリックス・デーin Japan 2019ガイド」ダウンロード
そのほか、日本各地のアイリッシュパブでイベントを開催。気軽にアイリッシュ気分を味わってください。ちょっとでも緑色を取り入れれば気分も盛り上がりますね!
5.グリーンでSNS映え!インスタ、ツイート紹介
街中がグリーン染まる聖パトリックデーは、SNS映え抜群!
本場ダブリン箱の人混み!
これがグリーンに染まるアメリカミシガン州シカゴのシカゴ川!
アメリカコネチカット州スタンフォードから、クラシックなバグパイプの演奏
アメリカジョージア州サヴァンナから。もうかわいくて仕方のない車!これは2018年9月の投稿。「あと6ヶ月です!準備万端!」だって。どんだけ好きなの~!?
日本も負けていられません。
表参道のパレード
名古屋も盛り上がっています。
そしてジャパンオリジナル!
確かにグリーンだ!
いかがでしたか?ここまで来たら、日本で聖パトリックデーがハロウィーン並みの盛り上がりを迎えるのももうすぐ!
緑色を身に着ければ参加できる気軽さもいいですね。今年はぜひ、お近くで開催されるパレードを見に行ってみませんか?
トップ画像:Olivier Juneau / Shutterstock.com