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【さきたま火祭り】古事記に記される海幸彦、山幸彦の誕生に秘められた古代のロマンを再現

埼玉の県名発祥の地、埼玉県行田市埼玉で開催される「さきたま火祭り」

埼玉県の北東部に住所を表記する際に「埼玉」を2度書かなければならない地域があります。埼玉県行田市埼玉です。同じ文字でも読み方は異なり順に「さいたま」、「さきたま」と読むのです。この地区には古墳時代の創建と伝えられる前玉(さきたま)神社が荘厳な社殿を構え、埼玉の県名発祥の地とされています。5世紀末から7世紀には周辺に巨大な古墳がいくつも造営されたのです。神社に隣接して「さきたま古墳公園」が整備され、毎年5月4日に「さきたま火祭り」が開催されています。

さきたま史跡の博物館のパンフレットに掲載される「さきたま古墳公園」の航空写真

「さきたま古墳公園」内に立つ埼玉県名発祥之碑

9基の大型古墳が密集する「さきたま古墳公園」

「さきたま古墳公園」には、9基の大型古墳が密集しています。中でも「丸墓山古墳」は日本最大の規模の円墳と言われ、「稲荷山古墳」からは古代の歴史研究に大きな意義をもつ「金錯銘鉄剣」が出土されています。2007年には「日本の歴史公園100選」に選定されました。

9基の大型古墳が密集する「さきたま古墳公園」

「日本の歴史公園100選」の一つ「さきたま古墳公園」

「さきたま古墳公園」内の「丸墓山古墳」

「さきたま古墳公園」内の「稲荷山古墳」

「さきたま古墳公園」は約27ヘクタールの広大な緑地を利用した公園なので、行田市街地側の北面から敷地内に入ると、一面に芝生が植えられた「さきたま広場」の側道を歩かざるをえません。広場の一画にはレストハウスが設けられ、まつりの当日には広場に沿って、露店が軒を連ねます。「さきたま広場」を越え、まつりのメイン会場に向かう歩道沿いにも、露店がぎっしりと並びます。露店の中には、行田のご当地グルメ「ゼリーフライ」を販売する店を見かけることができます。

「さきたま古墳公園」内のさきたま広場

さきたま広場に沿って軒を連ねる露店

さきたま広場の一画に設けられたレストハウス

「さきたま火祭り」の会場に向かう「さきたま古墳公園」内の歩道

歩道に沿って軒を連ねる露店

さきたま広場沿いの露店で販売されるゼリーフライ

行田のご当地グルメ「ゼリーフライ」

まつりのメイン会場の中央には、藁や竹を使った高さ約6メートルの古代住居が組まれています。火まつりの中心舞台です。この古代住居を囲む観覧エリアは、朝早くから大勢の人々で埋め尽くされます。場所確保のためのシートが、古代住居を中心に綺麗な円周を描きます。

火まつりの中心舞台となる古代住居

古代住居の側面

古代住居の背面

古代住居の正面

古代住居の前のお供え物

古代住居を囲んで円周を描く観覧エリア

古代住居を囲んで円周を描く観覧エリア

「さきたま火祭り」のメインイベントは18:55前後に開始されますが、イベント広場の特設ステージでは10:00から郷土芸能や舞踊、バンド演奏などのイベントが、途切れることなく続きます。

特設ステージでのイベント

イベントを楽しむ観客

特設ステージでのイベント

特設ステージでのイベント

特設ステージでイベントが行われるのと同時に、出演者が入念な準備を始めます。

メイン会場に集まる出演者

古墳の上でまつりの準備をする出演者

古墳の上でまつりの準備をする出演者

まつりの神事の準備

陽が西に傾く頃になると篝火がたかれ、まつりの開始に期待が膨らみます。

篝火がたかれるメイン会場

篝火がたかれるメイン会場

篝火がたかれるメイン会場

篝火がたかれるメイン会場

「修ばつの儀」によって始まる「さきたま火祭り」

「さきたま火祭り」は「修ばつの儀」によって始まります。祓詞を唱えることによって穢れを祓い浄めます。

「修ばつの儀」によって始まる「さきたま火祭り」

祓詞を唱えることによって穢れを祓い浄める「修ばつの儀」

祓詞を唱えることによって穢れを祓い浄める「修ばつの儀」

「修祓の儀」に続いて、古代の衣装を身に着け、たいまつを掲げる300人近くの人が行列を作ります。「たいまつ行列」の中には、「瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)」と「木花佐久夜姫(このはなさくやひめ)」が乗る輦台も「たいまつ行列」に加わります。「瓊瓊杵尊」は天照大神(あまてらすおおみかみ)の孫、「木花佐久夜姫」は伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の孫で、婚姻の契りを結んだのです。「たいまつ行列」は古代住居を一周し、たいまつの輪を作ります。

「修祓の儀」に続く「たいまつ行列」

古代の衣装を身に着けた人による「たいまつ行列」

「たいまつ行列」を作る輦台に乗る「木花佐久夜姫」

古代住居を中心に輪を作る「たいまつ行列」

たいまつの輪から古代住居に向かう「瓊瓊杵尊」と「木花佐久夜姫」

古事記に記される古代のロマン

『古事記』によれば、「木花佐久夜姫」は一夜の契りで身ごもったのですが、「瓊瓊杵尊」は「木花佐久夜姫」の不貞を疑いました。その疑いを晴らすために「木花佐久夜姫」は、自ら産屋に入り「神の御子であるならば、たとえ火の中でも無事に生まれるでありましょう」と言って産屋に火を放ち、燃え盛る炎の中で「海幸彦」、「山幸彦」の2柱の神々を出産されたのです。「古代住居炎上」では、「木花佐久夜姫」が産屋に火を放つ場面が再現されます。

「木花佐久夜姫」が産屋に火を放つ場面が再現される「古代住居炎上」

「木花佐久夜姫」が産屋に火を放つ場面が再現される「古代住居炎上」

夜空を焦がす産屋の炎が勢いを弱めると、メイン会場を見下ろす稲荷山古墳と丸墓山古墳の頂から御神火の行列が降りてきます。「御神火降り」では200名を超える従者のたいまつの炎の帯が、溶岩が流れるように坂道を下ってくるのです。

「古代住居炎上」に続く「御神火降り」

「古代住居炎上」に続く「御神火降り」

「古代住居炎上」に続く「御神火降り」

「古代住居炎上」に続く「御神火降り」

「古代住居炎上」に続く「御神火降り」

たいまつを掲げ古墳から降りてきた従者は、燃え尽きた古代住居を中心に「たいまつ行列」を作ります。

古墳から降りた御神火の「たいまつ行列」

古墳から降りた御神火の「たいまつ行列」

古墳から降りた御神火の「たいまつ行列」

古墳から降りた御神火の「たいまつ行列」

古墳から降りた御神火の「たいまつ行列」

古墳から降りた御神火が円周を描くと、「ヲワケの臣」が託宣を読み、「金錯銘鉄剣」を振り上げ勝鬨を上げ儀式が終了します。古代のロマンが漂う中、花火が打ち上げられ初夏の夜空が彩られます。

まつりのフィナーレを飾る花火

まつりのフィナーレを飾る花火

まつりのフィナーレを飾る花火

埼玉県行田市の「さきたま古墳公園」では、毎年5月4日に「さきたま火祭り」が開催されています。まつりでは、古事記に記された海幸彦、山幸彦の誕生秘話が再現されます。古代の衣装を身につけた人々が輪を作ると、その中心に設置された古代住居に火が放たれます。住居の火の勢いが収まると、周囲の古墳から御神火降りが行われ、夜空を照らす炎に古代のロマンが漂います。

written by
obaq

obaq

2010年より旅行系のフリーライターとして各種メディアで記事の執筆を行っております。「おまつり」には各々の地域の歴史や伝統、文化が凝縮しています。関東地方で開催されている「おまつり」を中心に、その魅力を紹介して参ります。
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