提供:三陸国際芸術推進委員会
三陸国際芸術祭が今年も開催される。青森県八戸市から岩手県陸前高田市を舞台に、三陸沿岸地域の15市町村および民間団体が連携しながら開催している。9月が開催の山場で3月まで開催する。
東日本大震災の復興ボランティアを行っていたコンテンポラリーダンスのネットワーク作りをしているNPO法人・JCDNは、三陸に多彩な芸能があり、人々の心のよりどころになっていることに感銘を受けた。三陸の芸能は、全国的に知られていなかったことから、震災の復興の一つとして国内外に発信していくことを目的に、2014年から三陸国際芸術祭が始まった。
今年のテーマは、「『彩・REVIVE』- 彩(再)生 -」。三陸の多彩な芸能で、彩りを与え、コロナ禍で自粛ムードが続く中でも、町の活気を再生し、芸能を復活させたいという思いが込められている。
各地で多数のイベントを企画しているが、メインイベントとして「洋と野に舞う三陸未来芸能彩・芸能彩生ミーティング」、「三陸ブルーラインプロジェクト」、「三陸篝火芸能彩」の3つのイベントを用意する。
「洋と野に舞う三陸未来芸能彩・芸能彩生ミーティング」は、三陸の未来を担う若い芸能者にフォーカスした芸能イベント。高齢者だけでなく若者も担っている三陸の芸能を次世代に伝えていくためにどのようにすれば良いかを、町作りの関係者やプロの芸能の方、若者を交えて討論する。9月10日は討論会、11日は芸能鑑賞会を洋野町民文化会館セシリアホールを会場に開催する。
「三陸ブルーラインプロジェクト」は、三陸の青い海をイメージした数種のタイルと、地元の子どもたちや岩手県内小学生のワークショップで制作したモザイクタイル作品を防潮堤周辺に展示するイベント。東日本大震災をきっかけに作られた防潮堤について、被災者や観光客が改めて考えるきっかけを作る目的で開催される。野々田地区周辺(岩手県大船渡市)で9月23日から10月14日まで展示する予定。
「三陸篝火芸能彩」は、三陸の郷土芸能を担う7つの団体が篝火の中、演舞を披露するイベント。三陸の芸能が一度に味わえるイベントは初めての試みだという。観光需要も高まる中で、三陸に来てもらうために三陸への入口として芸能を知ってもらうことを意図している。9月24日に大船渡市防災観光交流センターおおふなぽーとで開催される。
今年の開催に向けて、三陸国際芸術推進委員会事務局は、「コロナ禍でお祭りを心待ちにしている方も多いと思う。本来お祭りは悪霊退散や奉納などの意味があり、それを地域守ってきて粛々と受け継いできたのが三陸の芸能。そういったものを見られることや原始的な神仏に則ってやっている芸能を一度に見られることは稀なことだと思う。三陸の多彩な芸能をぜひご覧いただきたい」と話す。