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新選組屯所「旧前川邸」と壬生寺で山南敬助を偲ぶ
「山南忌(さんなんき)」とは、新選組屯所「旧前川邸」で切腹した新選組総長・山南敬助(やまなみ けいすけ)を偲ぶ会です。
毎年、三月第二日曜に行われます。
まずは一月中に往復はがきで申し込み。当選ハガキを持って新選組屯所だった旧前川邸で受付をし、仏間にてお焼香をします。
前川邸には新選組グッズもありますので、受付が終わった方がお店を見たり、記念撮影をする姿が見られました。
次に300mほど離れたところにある光縁寺にて墓前焼香。本堂の裏に進むと奥の方に剣士のお墓があります。
この日の境内には二、三人の参拝者。何度も訪れているようで山南の眠る墓に迷わず進んで行きました。
光縁寺では山南忌限定の御朱印の授与ができます。
「山南忌」壬生寺会館で行われる記念行事
壬生寺会館に入ると、定員150名までの会場が人でいっぱい。今もなお新選組の人気の高さを感じます。参拝者たちが立ち上がると、リーンリーンと鈴がなり、長い間、黙祷を捧げました。
葵太夫による奉納舞「黒髪」
山南忌には島原太夫も参加しています。これは当時、新選組は太夫のお客様だったから。新選組の刀傷が残る揚屋「角屋」や、近藤勇の直筆の書がある置屋「輪違屋」と、島原太夫と新選組は縁があります。また山南敬助は太夫になる前の天神・明里と恋仲だったと言われています。
そして2021年の秋公開、岡田准一さん主演の新しい「燃えよ剣」に葵太夫は芹沢鴨の贔屓の太夫役で出演されています。
今回の打掛は疫病退散を願い「苦を弱める」という意味から「孔雀」の柄。
数年前までは末廣屋の女将・司太夫が舞の奉納をしており、今回は珍しく禿も山南忌に参加。当時を偲ぶのにふさわしい、心が切なくなる美しい舞いが披露されました。
北辰一刀流玄武館 演舞
山南敬助は北辰一刀流の免許皆伝者。そのご縁から、宗家による演舞奉納が行われました。
この北進一刀流は江戸三大道場のひとつで、現代では映画「るろうに剣心」や大河ドラマ「龍馬伝」などで剣術指導をしています。
俳優:栗塚旭氏トークショー「映画やテレビドラマに描かれた新選組について」
1965年にドラマ「新選組血風録」や1970年「燃えよ剣」で土方歳三を演じた栗塚旭さんが登壇。当時を振り返り、貴重なお話しが次々と飛び出します。
最近、この栗塚さんが話題になったネットニュースのひとつで「御影石の観音像を壬生寺に寄贈」というお話しでは、「移動させるだけで200万円ほどかかり、久しぶりに質屋通いをした」と笑っていらっしゃいました。
2021年の山南忌では京都国際マンガミュージアムの冊子『栗塚旭x荒俣宏「新選組を振り返る 血風録」栗塚旭が語る新選組と京都』や栗塚さんのCDも参加者に配られました。
本来、プログラムでは歌の披露が予定されていましたが感染防止対策の観点から辞退され、登壇時に曲が流れました。
写真:映画「歳三の刀」主演 天人純さん(手前)と監督の増山麗奈さん(奥)も山南忌に参加
天然理心流試衛館 武術奉納
近藤勇の道場が試衛館であることから武道奉納が行われます。新選組のシンボルの「誠」の旗印も試衛館ではないかと言われています。
開場前に壬生寺で北進一刀流も試衛館も剣を振るって練習している姿が印象的でした。
新選組グッズが当たる抽選大会
新選組らしい二つの演武と美しい舞の後は楽しい抽選会がはじまります。
たくさんの協賛があり、新選組の本、ステッカーなどが新選組ファンには嬉しい景品が多数用意されています。
私は1番最初のプレゼント「万年暦」に当選!新選組の解説がたくさん書かれている31日間のカレンダーです。
一番最後の景品はなんと模造刀!俳優の栗塚さんから当選者へ授与されました。
日露合同制作映画「歳三の刀」監督・増山麗奈さんと主演・天人純さんや新選組の研究者や本の作者など、多数のご来賓からも新選組に関するお話しが聴けました。
新選組ファンにはぜひ一度訪れて欲しい行事です。
山南忌 スケジュール
毎年三月第二日曜開催
一月中に往復はがきで申し込み
10:00~ 光縁寺にて 墓前焼香
墓参料100円を光縁寺にお納め下さい。
参拝後、順次旧前川邸にて 受付→仏間にて焼香
13:00~ 壬生寺会館にて 山南忌 記念行事
・俳優 栗塚旭氏 講演
・歌『映画やテレビドラマに描かれた新選組について』他
・嶋原 葵太夫 奉納舞「黒髪」
・居合演武(順未定・午後4時頃終了予定)
旧前川邸 新選組屯所
〒604-8811 京都府京都市中京区壬生賀陽御所町49
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