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火で奇襲する圧巻の演舞!富山県新湊で、30もの獅子舞と海鮮グルメも堪能!

更新日:2022/5/17 いなむ
火で奇襲する圧巻の演舞!富山県新湊で、30もの獅子舞と海鮮グルメも堪能!

富山県といえば、美味しい魚介類や黒部ダムなどの観光地を思い浮かべるという方も多い。その一方で祭りの世界では、獅子舞の伝承数が日本でもトップクラスであることで知られている。実は獅子舞と出会える機会にも恵まれた都道府県の1つといえるだろう。

今回訪れたのは、富山県射水市の海岸部に位置する新湊。毎年5月中旬に行われる春季祭礼では、30以上の獅子舞団体が各町内で演舞を行う。町歩きをしていたら至る所で獅子舞が見られるため、各町の違いや特徴に着目してみるのも面白い。では早速、2022年の様子を振り返りたい。

新湊の獅子舞の特徴とは?

まず、新湊の獅子舞の特徴について触れておこう。この地域では江戸時代の1800年代にはすでに獅子舞が行われていたようで、西国から来た船乗りが獅子舞を伝えたとも言われている。後に石川県の加賀獅子や岐阜から北上してきた金蔵獅子などの影響を受けており、様々な獅子舞文化を取り入れて現在の獅子舞が出来上がった。

新湊の獅子舞の特徴はまず、胴体が大きいということ。胴体の部分(胴幕)に5人以上の担い手が入る「百足(むかで)獅子」の形態を今に伝える。百足獅子は胴体の中に竹の輪を通すことも多いが、この竹の輪が見られないのも新湊ならではの特徴だ。

また獅子と対峙する役として、天狗や少年が登場する。天狗は烏帽子を被らず赤熊(しゃぐま)という髪の毛を身につけ、センス、ハウチワ、タイマツなど様々な道具を操る。また、少年は花笠を被りキリコなどの棒を持つ。

善光寺町の獅子舞

獅子頭に魂を入れ、それぞれの演舞の舞台へ

2022年5月14日に現地を訪れた。朝7時半から夜の21時ごろまで獅子舞をたっぷり見て回ったので、その一部をぜひご覧いただきたい。

獅子舞はまず、各町内のお宮さんで獅子頭に魂を入れるところから始まる。こちらは荒屋本町が神社で獅子頭清祓式を行なっている様子だ。祭り関係者だけでなく、地元の方々もその様子を見守っていた。

清祓式が終わると神社を出て、公民館や町を回っていく。ご祝儀(花)を出してくれるところはその金額に応じて演舞の内容が変わり、10万円以上だととりわけ豪華な演舞が見られることもある。さて、どんな舞い方が見られるだろうか。町に出る獅子の姿を見守りたい。

獅子舞は演舞の際、百足獅子ということでとても胴幕が大きく、道路にはみ出すのも当たり前だ。車を止めるなど交通整理に関わる人が必ずついてくれるので安心である。また、車の運転をする側の人もお祭りだからということで待ってくれたり、迂回したりしてくれる。

公民館で舞っている獅子もいた。こちらは善光寺町の獅子舞だ。善光寺町はコロナ禍ということで家を一軒一軒回らず、公民館や神社のみで舞っている様子だった。このようにコロナ禍では町内の取り決めで実施ができなかった所もあり、一方で感染対策をしっかりしたり、演舞の場所を限定したりして工夫して実施している町も見られた。

それではここから、いくつか新湊の獅子舞の見所をご紹介したい。

天狗たちが獅子に馬乗りになる

いくつかの町内で天狗と少年が獅子と対峙した際に、獅子の胴幕をまたぐようにして馬乗りになるという場面が何度も見られた。天狗が獅子を操ろうとする意識から来るのだろう。おまけに獅子頭まで肩車で持ち上げているようだ。獅子も天狗たちの攻撃に呼応するようにパワーアップしているようにも見える。まるで「獅子お化け」の誕生である。

獅子が酒樽をくわえてお酒を飲む

獅子が酒樽をくわえて口で持ち上げるというシーンもいくつかの町内で見られた。これはただでさえ重たい獅子頭を持っている担い手が、それに加えて酒樽を持ち上げるということで大盛り上がり。合計で10kgは余裕で越えてくるしバランス感覚も必要なので、力自慢の体格の良い担い手がこの技に挑戦できるのだろう。こちらは善光寺町の演舞の様子である。

獅子は酒を飲むことによって、足元がふらついてくる。悪の象徴とも言える獅子の力を防ぎたい天狗にとっては大チャンスである。お酒に酔ってふらついた獅子を天狗が剣や弓矢などを用いて止めを刺そうとする場面も見られた。また、酒樽を使わずに酒の入った桶を獅子が飲み干すという場合もあった。

スリル満点!天狗がタイマツを操る

また、新湊の獅子舞の特徴として、タイマツを操る天狗が登場する。これは六渡寺という場所から始まった形態であり、「獅子を探すのにタイマツが必要だから」など様々な由来がある。

夜の町をタイマツの火が明るく照らし出し、激しく危険な舞いを繰り広げる様は「圧巻」の一言!最近はこの舞い方を取り入れる町内も多くなってきているらしく、一大ブームとなっている。

こちらは善光寺町の様子。獅子の足元すれすれのところまでタイマツを持って行くような場面も見られて、なかなかスリル満点だった。

横町の演舞は、火の操り方が素早く動きがとても激しかった。まるでダンスパフォーマンスを見ているかのようだった。

こちらの四十物(あいもの)町の演舞では、天狗3体やオカメなどが複数の松明を持ち、酒に酔った獅子を襲っていた。まさに「奇襲」という言葉がふさわしい状況だった。この時の様子は動画にも記録したので、ぜひご覧いただきたい。

新湊の獅子舞は見所が満載

このように、富山県新湊の獅子舞は見所や技の数がとても多い。それに伴って担い手も多く、小学生のキリコなどから始まり、中学・高校生あたりから天狗を任され、その後も笛や太鼓などで継続的に関わっていくという流れができている。子供たちの獅子舞をやりたいという意識も強く「自分たちが富山県で一番!」という意識を多くの町内で感じた。

このように切磋琢磨し合う環境の中で、新湊の獅子舞は見所満載の素晴らしい獅子舞になっていったのかもしれない。毎年、5月中旬には春季祭礼の際に、町を歩いていると数多くの獅子舞を見ることができるので、ぜひ訪れてみるのも楽しいだろう。

新湊には新鮮な魚介グルメも!

今回は地元グルメもご紹介したい。新湊の漁港は獅子舞文化を運んできた歴史があるのはもちろんのこと、美味しい魚介類がたくさん獲れる。こちらは漁港の目の前にある「きときと食堂」だ。その日に取れた新鮮な魚をお手頃な価格で食べられるのが魅力である。定食や漬け丼などを食べられるそうで、早速行ってみた。

こちらが今回頼んだ、特盛づけ丼(1000円)。「ざし」と呼ばれるマグロの漬けなどが乗っている。味噌汁や漬物、温泉卵までついているから、なかなかお手頃だ。醤油はお好みでかけることになっている。

まずはマグロを味わってみると、噛みごたえがとても柔らかくて、美味しかった。とにかく新鮮で、なかなか東京の方では味わうことができないグルメと感じた。

●きときと食堂
定休日:毎週水曜
営業時間:5:30~14:30(ラストオーダー14:00)
駐車場:あり
※詳細はきときと食堂のホームページをご確認ください。

食堂を出てお昼に海岸沿いを散歩してみると、青い空や広い海を一望でき、漁港で仕事をしている漁師さんたちの様子ものぞくことができた。フグが海の上に浮いているのを見かけることができたし、海をぼーっと観察するのも楽しかった。

海沿いを散策するだけでなく、周辺にはこの地域の中心的な神社である放生津八幡宮や新湊の祭り文化について詳しく知れる射水市新湊博物館もある。祭り見物などで新湊に来る際にはぜひ、合わせて訪れてみてはいかがだろう。

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この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
獅子舞マニアです。ライターやカメラマンをしています。趣味は、獅子舞の鼻を撮影することです。その他クレイジーな祭りにも潜入します。

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