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京都【正寿院】観桜会 夜間特別拝観 春の桜とハートの猪目窓

更新日:2020/4/23 佐々木 美佳
京都【正寿院】観桜会 夜間特別拝観 春の桜とハートの猪目窓

◆京都 宇治田原は「ハートのまち」

京都で宇治といえばお茶。

宇治田原(うじたわら)といえば…。。。

わたし「明日、宇治に行く」
宇治在住の人「どこ?」
わたし「正寿院(しょうじゅいん)」
宇治在住の人「宇治田原は宇治ちゃうw」

と言われたことがあります。


※宇治田原町の観光パンフレットより

JRや京阪電車で行く平等院がある宇治と違い、地形が「ハートのまち」の「日本緑茶発祥の地」・宇治田原までは京都駅から車で小一時間。

わたくしカメラマン佐々木は車に乗れないため、正寿院は「行きたいけど京都の近くてちょっと遠い場所」。行きたい場所リストに常時ランクインしているお寺です。

◆災いを除き、福を招く「ハートの猪目窓」正寿院

正寿院は風鈴と快慶のお不動さんのお寺。
仏師・快慶作の不動明王坐像(鎌倉時代 国指定重要文化財)が鎮座する、約800年前に創建した高野山真言宗のお寺です。
御本尊の十一面観世音は50年に1度だけご開扉(※次のご開帳は2040年)の秘仏です。

まずは以前、昼間に行ったときのレポートから。

戦国と江戸時代に火災があり、本堂は300年前の建物です。柱が新しいところは昨今、改修された場所で、黒い柱はすべて当時のものが使用されています。本堂みどころは300年前の天井画!ぜひ見上げて行ってください。

お庭を見ながらのんびりお茶をいただいていると、風に乗って花吹雪が本堂の中に舞いこむ。

境内には可愛いお地蔵さん。おもわずゆるふわ写真を撮りたくなる可愛いお茶うけ。

周りを見ると女の子があれこれと映える写真を狙って楽しそうに写真を撮っています。

これはちょっと遠出してでも来たくなるなぁ…!と納得。

次はいよいよ待望のハートの猪目窓がある客殿へ!

客殿には、猪目窓(いのめまど)と160枚の天井画があり、この客殿は、自然に身体を委ねて川や風、鳥のさえずりなどの音を聞いて、私たち人間も我を忘れ、自然の一部であることに気づける場所であってほしいとの願いから、則天去私(そくてんきょくし)の一言から則天の間と名付けられています。

正寿院公式WEBより

これは確かに寝転がって見たくなる天井画…!
しかし本当にお寺で寝転がっていいのか、人が少ない時間でも躊躇する。
4枚ある舞妓さんの日本画がまた素敵。

参拝すると一枚いただける散華(カード)もありがたい。

災いを除き、福を招く「猪目窓」。
約1400年前からお寺や神社の建築装飾として使われています。

猪目窓を設えた後、宇治田原町では「ハートの町」という観光促進が現在もされているというほど大人気の窓です。

夕方ごろに逆光がさしこむ猪目窓の影は「幸せのおかげ」と呼ばれています。
参拝者の中でこれを見れば幸せになれるというご利益から、いつの日か幸せのおかげと呼ばれるようになりました。

猪目窓は季節ごとに背景が変わり、春は桜、夏は青葉、秋は紅葉、冬は雪景色が楽しめます。

◆正寿院 観桜会 夜間特別拝観

正寿院の夜間拝観は参拝者にゆっくりとしてもらうため、事前予約制です。
(※通常、日中などの予約は不可。)
桜の状況をみつつ数週間前に公式WEBで告知がされ、約10日間行われます。

夜間は本堂に入ると法話があり、その後、本堂や境内、客殿での夜桜を楽しむことができます。

また細やかな配慮が随所にあり、1部、2部と時間入れ替え制になっています。

客殿では ①真っ暗 ②天井の灯りあり ③最後に猪の目窓も外して桜が見えるようにする
と、思わず最後まで、ゆっくりとしていたくなる心配りもされています。

そんなプレミア感満載な夜間特別拝観。

正寿院のご住職にお伺いしたところ、元々は本堂の桜をおじい様が植えたのだそうです。
そして今度はお父様が参拝者が楽しめるようにと客殿に桜を植えたのだとか。

そうして800年間、多くの檀家様や信徒様によって護持頂いていたお寺が、ハートの猪目窓で注目され、高級感のある宇治茶バスが開通するほどの人気に。

あきさせない工夫が随所に見られ、季節を変えてまた来たい、と感じる夜でした。

次は京の風鈴寺ともいわれる夏の風鈴祭!浴衣を着たモデルさんと一緒に今度は来たいな。

正寿院へのアクセスは昼はバス、夜は自家用車とタクシーでお越しください。

宇治田原町はお茶の街。
昼間に車で行く場合は、ぜひ製茶工場跡をリノベーションして誕生した交流拠点施設宗円交遊庵やんたん」をはじめ、抹茶スイーツなども楽しんで行ってください。

◆お寺ヨガ、オリジナル腕輪数珠作りに写仏体験も!

10日前までに要予約で、「庭を見ながらお寺でヨガ」や、写経体験のほか、オリジナル腕輪数珠作り、写仏体験ができます。

風鈴まつりの期間中は風鈴絵付け体験も可能です。


写真:桜の咲き始めに撮影。最後に猪目窓を外して景色が全面に見えるようになる。

◆正寿院の年中行事

1月1日~3日 修正会
2月第1日曜日 厄除節分会(星供)
4月第3日曜日 春の大祭 御影供
7月1日~9月18日 風鈴まつり
7月第3日曜日 ろうそくまつり
8月17日 施餓鬼会
毎月28日 不動明王ご縁日 護摩

風鈴と快慶のお不動さんのお寺 高野山真言宗 正寿院
京都府綴喜郡宇治田原町奥山田川上149
0774-88-3601
4~10月は9時~16時半、11~3月は16時まで
拝観料600円(風鈴まつり期間中は700円)お茶・お菓子付き
http://shoujuin.boo.jp/

※2020年4月15日より拝観を一時中止。
お寺やお店の最新拝観状況については公式サイトをご確認ください。
宇治茶バスは4月~11月の土日、一日2便です。大変混み合うようですので、三密にはお気をつけください。

この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
毎日「京都散歩の旅」なカメラマン。
奈良・吉野アンバサダー。観光経済新聞、楽天トラベル等を執筆。聖地と舞が好き。民俗芸能や瀬織津姫研究中。
instagram @kyoto.photographer
https://earth-traveler.com/

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