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「黒石寺蘇民祭」裸の男と炎の祭り|観光経済新聞

更新日:2021/7/26 まっちゃん
「黒石寺蘇民祭」裸の男と炎の祭り|観光経済新聞

2019年からスタートした、観光経済新聞のオマツリジャパンコラム記事連載!2021年も「お祭り」をフックに、旅に出たくなる記事の連載をして参ります!奇祭好き、ケンカ祭り好き、お神輿好き…等、様々なライターさんに記事を執筆いただく予定ですので、ぜひご覧ください♪(オマツリジャパン編集部)

裸の男と炎の祭り

蘇民祭は、岩手県を中心に日本各地に伝わる裸祭りだ。千年以上の歴史を持つといわれ、岩手県内では毎年1月から3月にかけて複数の蘇民祭が行われる。平成7年に国の選択無形民俗文化財にも選択された。

岩手県奥州市の黒石寺蘇民祭は、日本三大奇祭や日本三大裸祭りの一つに数えられることもある。一言で表すならば裸の男と炎の祭りである。毎年旧正月7日夜半から8日早暁にかけて行われ、災厄消除、五穀豊穣を祈願する。

「ジャッソー、ジョヤサ」の掛け声で、妙見堂から薬師堂を3巡して、厄災消除、五穀豊穣を祈願する「夏参り」に始まり、柴燈木登、別当登、鬼子登と夜を徹して行われる。

翌早暁にかけて繰り広げられる蘇民袋の争奪戦は、この祭のクライマックスだ。厳寒をものともせず裸の男たちが激しくぶつかり合う姿は、白一色の中に展開される男性美の極致ともいわれる。

祭りのルーツをたどると、疫病に悩みながらも「蘇民信仰」を支えにつらい時を克服してきた人々の姿が浮かんできた。蘇民信仰は8世紀、奈良時代初期に編さんされた「備後風土記」の「蘇民将来」なる人物の逸話による。この逸話では、武塔神(須佐之男命)が旅人の姿に扮し、蘇民将来に宿を借りた際、貧しいながらも粟飯などでもてなされた一宿一飯の御礼にと、茅の輪を腰に着けるよう命じ、「後の世に疫病があれば蘇民将来之子孫といい、腰に茅の輪をつけると疫を逃れる」と言ったといわれている。

例年であれば、一般の方も参加することができるものの、昨年と今年はほとんどの祭事が中止され、護摩焚(たき)祈願のみが行われた。

今こそ祭りの本質に立ち帰り、祭りの形ではなく信仰の気持ちを次の世代に承継することが求められる。新型コロナウイルスの収束を願うとともに、蘇民祭の復活を祈りたい。参加を待ち望む方々と共に我慢してその時を待とう。

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まっちゃん
この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
魚屋で生まれ育った商店街系祭り好きです。御柱祭に行ってみたい!

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