鉄砲が開発されて以降、射撃の技術も進化が続き、現在では競技として親しまれています。
日本でも鉄砲技術が伝来されて以来、鉄砲を使ったお祭りが各地で開催されています。
この記事では、射撃競技のルールや成り立ちと、火縄銃を使ったお祭りをご紹介します。
射撃競技のルールや成り立ち
はじめに、競技として行われる射撃のルールや成り立ちを解説します。
正式に競技種目とされた
射撃は古来より正式に競技種目として認識されています。
精密射撃を必要とする射撃競技は、体力ではなく集中力などの精神力が試されます。
ライバルに勝つよりも、自分自身との戦いに勝つことの方が重要です。
ライフル射撃とクレー射撃の違い
射撃競技は、定められた標的を射る「ライフル射撃」と、動く的を射る「クレー射撃」に分けられています。
また、ライフル射撃はライフル銃を使う種目と、ピストルを使う種目に分かれているのが特徴です。
10m・25m・50mの異なる3種類の距離で、使う銃器もライフル・エアライフル・ピストル・エアピストルなどの種類があります。
そして、クレー射撃には遠くにクレーが飛び去る「トラップ」と、左右の装置から的が放出される「スキート」の2種類です。
狙う的と撃つ姿勢
射撃競技は一言で表すと、標的に的中させた際の点数を競う競技です。
当たれば1発ごとに加点されますが、少しでも位置がずれるとスコアに大きく影響します。
そんなライフル射撃には、立射・膝射・伏射からなる「3姿勢」という構え方が存在します。
「立射」は、垂直に立ち銃を地面とできるだけ平行にして持ち、持っている肘は脇腹あたりで支える構え方です。
体と銃のバランスを取ることが一番難しい構えとされています。
「膝射」は、銃を支える腕の肘を膝の上に載せる構え方です。
片膝を地面に固定できるため、立射よりは安定感があります。
「伏射」は、体をうつ伏せ状態にする構え方です。
両肘を地面につけられるため、他の構え方よりも安定感が増すでしょう。
射撃を連想させる日本古来の火縄銃に関するお祭り5選
ここからは、日本における射撃の元祖とも言える、「火縄銃」に関するお祭りを5つ解説します。
※例年の内容を参考にご紹介しています。今年は規模や内容を縮小・変更、または中止の場合もあるため、詳しくは主催者からの情報をご確認ください。
織田信長公を称えた岐阜の秋を代表する祭り「ぎふ信長まつり」
「ぎふ信長まつり」は、岐阜の街の発展に寄与した織田信長を称え、岐阜市市街地で毎年開催される秋祭りです。
日本における射撃の原型、火縄銃を観覧できます。
メインイベントは、織田信長や斎藤道山をはじめとする戦国武将や火縄銃鉄砲隊で編成される「信長公騎馬武者行列」です。
鉄砲伝来の地種子島で行われる「種子島鉄砲まつり」
https://www.kagoshima-kankou.com/event/20357/
鉄砲伝来の地として有名な種子島で毎年夏に開催される催しが「種子島鉄砲まつり」です。
火縄銃の轟音を始まりの合図とし、太鼓山・港まつり・南蛮行列・演芸大会団体手踊りなどを行い、最後は約8,000初の花火で締めくくります。
駿府古式炮術研究会による火縄銃演舞が見られる「静岡まつり」
2年前も凄いと思ったけど、やはり実際体感するとやべー#静岡まつり#火縄銃 pic.twitter.com/7ixxWcAzVG
— ✨🐶スヌ男の妻 BN美しいバナナ子🎸🎶 (@t121_w75) April 3, 2021
「静岡まつり」は「ここ駿府で徳川家康公が家臣を連れて花見をした」という故事にちなみ、毎年4月初旬に行われている市民まつりです。
大御所花見行列や音楽パレードを始め、大御所花見行列・夜桜乱舞コンテストなどと共に、駿府古式炮術研究会による火縄銃の演武を観覧できます。
大坂の堺とならぶ鉄砲の産地「長浜出世まつり」
種子島に鉄砲が伝わった翌年、国友で鉄砲の製造が始まり、鉄砲の産地として栄えました。
その舞台でもある長浜では、昭和58年開催の第一回「長浜出世まつり」で火縄銃演武が行われ、今もなお続いています。
毎年秋頃に開催される「長浜出世まつり」は、「長浜芸術版楽市楽座 アートインナガハマ」「長浜きものの集い」などの催しの総称で「長浜火縄銃大会」もそれに含まれます。
300有余年の伝統を受け継ぐ「花山鉄砲まつり」
宮城県栗原市では、毎年5月5日のこどもの日に、300有余年の伝統を受け継ぐ「花山鉄砲まつり」が開催されます。
古式鉄砲行列や子供行列などの見どころがあり、中でも古式技法による12丁の火縄銃発砲演武の迫力は見応え抜群です。
発砲演武には、無病息災や子供たちの健やかな成長への願いが込められています。
まとめ
今回は競技としての射撃のルールや歴史を紹介しました。
射撃競技と言っても、標的が止まっているのか、動いているのかによって違いがあります。
また、全国各地で発砲演武などの火縄銃に関するお祭りが開催され、パレードの一環としてお祭りを盛り上げています。
普段触ることのない鉄砲の催しは、非日常を感じさせるものです。
機会があれば足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。