中世には文学と歴史の舞台となった神戸市の須磨
世界最古の長編恋愛小説といわれる『源氏物語』で主人公の光源氏が、都を追われ侘しい暮らしをした場所として須磨が描かれています。瀬戸内海に面する港町神戸の西部は、平安時代の終盤には源氏と平氏が激戦を繰り広げた一の谷の戦いの現場となりました。中世の文学と歴史の舞台となった須磨は、今では閑静な住宅街となり、須磨離宮公園などの公園も数多く整備されています。須磨離宮公園には自然が溢れ、四季折々の姿を見せてくれます。例年11月中旬から12月上旬の時期には、植物園を中心に紅葉が秋の深まりを知らせてくれます。2020年には11月14日~12月6日の土日祝日には「もみじのライトアップ」、12月5日には「もみじキャンドルナイト」が行われました。
月見山駅からバラの花が導く須磨離宮公園
須磨離宮公園に公共交通機関を利用して訪れる場合の最寄り駅は、山陽電車の月見山駅です。駅からはバラが描かれた道標に従って歩くと、公園の正門前に辿り着きます。バラの花は数メートル間隔で、道の中央に描かれているので迷うことはありえません。
バラの花が鮮やかに彩るヨーロッパ風の噴水庭園
須磨離宮公園の敷地には、1914年に皇室の武庫離宮が建造されていましたが、1967年に須磨離宮公園として一般公開されました。本園の中央にはヨーロッパ風の噴水庭園が設けられています。水面を囲むように約180種、約4,000株のバラが植栽され、春と秋には豊かな色彩で庭園を彩ります。
紅葉に包まれる植物園の「みどりの滝」や和庭園
須磨離宮公園で紅葉に包まれるエリアは、本園から連絡橋を渡った東部の植物園です。
連絡橋の東袂では「みどりの滝」が、小さな落差に沿って水が流れ落ちています。滝の水は左右から紅葉で彩られます。
池の畔には四阿が設けられ、腰をかけゆっくりと紅葉を鑑賞することができます。
四阿の屋根に沿うように十月桜が育っており、運がよければ紅葉に加えて桜の花にも出会えることもあります。
「みどりの滝」から東の坂道を上ると和庭園です。
和風の情緒が漂う庭園は、紅葉で取り囲まれます。
和庭園の紅葉は、見頃時期の土日祝日には「もみじのライトアップ」が行われますが、平日にも夕暮れ時に一部のもみじがライトアップされるようです。
神戸市の西部に皇室の離宮の跡地を整備した須磨離宮公園には自然が溢れ、四季の移ろいによって異なる姿を見せてくれます。例年11月中旬から12月上旬には植物園を中心に紅葉で彩られ、秋の深まりを感じることができます。見頃時期の土日祝日には「もみじのライトアップ」や「もみじキャンドルナイト」などのイベントが開催されています。