もうすぐ隅田川の花火大会。コロナ禍の中止に次ぐ中止を乗り越えて4年ぶりに復活である。世の花火好きの諸兄・諸姉においては、そろそろ当日に向けてアップを始めた頃ではないだろうか。しかし、例年100万人もが押し寄せる巨大花火大会。どこで見るかは重要な問題だ。できれば「穴場」があるものなら知りたい。自分だけでもこっそり知りたい。そして、編集長にどや顔しながら自慢したい!
そこで、いいことを思いついた。いま流行りのChatGPTに聞けば、最適解を示してもらえるに違いない。ちなみに、名前は似ているが「γ-GTP」とは関係ない。ChatGPTとは、泣く子も黙る人工知能チャットボットである。この記事では、隅田川花火大会をどこで見たらいいのか?を、ChatGPTに相談した結果を紹介し、実用性を検証する。
「ChatGPT」に今年の情報を聞いたら…残念な結果に!?
手始めに、今年(2023年)の隅田川花火大会の日程について聞いてみよう。すると、以下のような回答がきた。
どうやら、ChatGPTの知識は2021年9月までのもので、2023年の情報は持っていないようだ。つまり、最新の情報を入手するには、SiriさんやGoogle先生とお友達になったほうが手っ取り早い。当然、ChatGPTに明日の天気や、来週の大河ドラマのあらすじを聞いても答えられないだろう。最新のドラマやアニメの話に花を咲かすことができないのは残念なことだ。
ちなみに、第46回隅田川花火大会の開催日程は、2023年(令和5年)7月29日(土)。2つの会場から共演するように打ち上げられるため、広い範囲で花火を楽しむことができるだろう。詳しい打ち上げ場所は、下の地図を参照して欲しい。打上げ玉数は、第一会場で約9,350発、第二会場で約10,650発の合計20,000発ほど。当日は、大迫力の花火を楽しもう。
第46回隅田川花火大会
開催日程:2023年(令和5年)7月29日(土)
開催時間:午後7時~午後8時30分(第一会場は午後7時から、第二会場は午後7時30分から)
打上げ場所:第一会場(桜橋下流~言問橋上流)、第二会場(駒形橋下流~厩橋上流)
隅田川花火のビューポイントを「ChatGPT」聞いてみた
では、2021年9月までの情報が元になっていることを踏まえ、隅田川花火大会のビューポイントを聞いてみた。
ChatGPTからは「隅田公園」「向島百花園」「京橋大橋」「お台場海浜公園」の4つのポイントをすすめられた。
1つめの「隅田公園」は一番のスポットだろう。こちらは、第一会場の花火を大迫力で楽しめる大人気スポットのひとつだ。しかし、隅田公園は立入禁止となる区域も多くある。詳しくは公式サイトや公式Twitter改め「公式X」で最新情報を確認して欲しい。
隅田川花火大会まで『あと3日』!!
当日18時以降は、交通規制により、車両(自転車含む)は通行出来ませんのでご注意ください。 pic.twitter.com/8HudYOxUaO— (公式)隅田川花火大会 (@sumida_river_fw) July 26, 2023
2つめの「向島百花園」の開園時間はイベント開催日を除いて午後5時までとなっている。おそらく、園内で咲き誇る、紫陽花の品種「墨田の花火」を混同して学習したものだろう。AI相手とはいえ、あまり追求するとパワハラになりそうなのでやめておく。4つめの「お台場海浜公園」はさすがに遠すぎる気もするが、今回は見逃すとしよう。いちばん気になるのは、3つめの「京橋大橋」だ。改めて「京橋大橋」は何処に位置しているか聞いてみた。
ChatGPTによれば、“「京橋大橋」は、東京都中央区の京橋地区に位置しています。隅田川を渡る大橋であり、隅田川花火大会の観覧スポットとしても知られています。”とされる。地図で探してみたが、そのような橋を見つけることができなかった。もう少し深掘りしてみたいところだが街歩き系のメディアではないので、検証するのはこの辺にしておこう。ここで、少し質問を変えて一番の穴場ポイントを聞いてみた。
一番の穴場ポイントは?
ChatGPTがおすすめする穴場ポイントは「隅田公園の桜橋付近」「隅田川沿いの高台」「お台場海浜公園の屋外広場」。だが、桜橋は午後1時から午後9時30分ごろまで歩行者通行禁止となる。事実上「隅田公園の桜橋周辺」は立入禁止区域のはずなので注意が必要だ。大事なのでもう一言うが、立入禁止区域や、道路規制図は公式サイトや公式X(Twitter)で確認するといいだろう。
ChatGPTの回答にはなかったが、「浅草寺境内」や「両国国技館周辺」も、第二会場の花火がキレイに見える場所として知られている。しかも、混雑はするが身動きがとれないほどではないので穴場といってもいいだろう。花火大会前に周囲を散歩できるのも魅力的なエリアだ。
友達と飲みながら花火を観るなら?
今度は、各シチュエーション毎に隅田川花火大会の楽しみ方を聞いてみよう。はじめに、友達と飲みながら花火を観るならどこがおすすめか提案してもらった。
ChatGPTのおすすめは、「隅田川河川敷の屋台エリア」「お台場海浜公園のピクニックエリア」「隅田公園周辺の川沿いのレストランやカフェ」。確かに、屋台で買ったお祭りグルメや生ビールを飲食しながらの花火鑑賞は楽しそうだ。どの辺に屋台が出店されるか事前に確認しておくのもいいだろう。
恋人と花火を観るなら?
続いて、筆者には縁のない話だが、恋人と花火を観るならどこがおすすめか提案してもらった。赤面するくらいロマンチックな回答を期待したい。
ChatGPTのおすすめは、「隅田公園のベンチや芝生エリア」「隅田川の川岸」「お台場海浜公園の人気スポット」。この中では、2つめの「隅田川の川岸」を恋人と手を繋いで散歩するのが、最も花火デートらしい提案だろう。なお、何故かChatGPTがお気に入りのお台場だが、観覧車は2022年8月末に営業を終了している。現在は解体されているので注意が必要だ。
子ども連れで花火を楽しむなら?
最後に、子ども連れで花火を楽しめる場所を相談してみた。
ChatGPTがおすすめする子ども連れで花火を楽しめる場所は、「隅田公園の広場」「お台場海浜公園の遊具エリア」「隅田川沿いの川岸」。いずれも、花火の打ち上げ前に子ども達が楽しめるスペースがあることで提案してきたのだろう(立入禁止区域となっている場所もあるので注意したい)。ただし、ChatGPTの補足にもあるとおり、当日の混雑状況を考えると子どもたちの安全を考慮する必要がある。子どもがまだ小さい場合、テレビでゆっくり楽しむのもひとつだ。
しかし、筆者が一番のおすすめは「屋形船」である。事前の場所取りやトイレの心配も不要なため、お年寄りや小さな子どもが一緒でも安心だ。家族や親戚で集まり「屋形船」の貸切クルージングはいかがだろうか。
本当にお台場海浜公園から見えるのか?
実は、ひとつ引っかっていたことがある。皆さんもすでにお気づきだと思うが、毎回のように「お台場」をおすすめスポットとして提案された。浅草や向島からお台場までは、さすがに距離が離れ過ぎている気もする。そこで、「ひとつ疑問があります。本当にお台場から隅田川花火大会を見ることができるのでしょうか?」と確認してみた。
すると、“申し訳ありません、誤った情報を提供しました。お台場から直接隅田川花火大会を見ることはできません。お台場は隅田川とは異なる場所に位置しており、距離がありますので、花火の視認性は制限されます。”と返答があった。やはり、お台場と隅田川の会場は距離があるので、花火を鑑賞するには向いていないようである。
まとめ
この記事では、2023年7月29日(土)に開催される隅田川花火大会の楽しみ方と、それについてChatGPTに相談した結果をレポートした。ChatGPTが学習した内容が古かったり、期間限定の情報だったりした場合、もっともらしく見えても誤った回答を作成することもある。したがって、回答を鵜呑みにするのは危険だ。再三で申し訳ないが、立入禁止区域や、道路規制図は公式サイトや公式Twitter改め「公式X」で確認するといいだろう。
【注意】
大会に向けて、前日~翌日まで会場周辺で交通規制、立入禁止区域が設けられます。
規制の範囲や時間は、公式HPでご確認ください!
また、規制に伴い区域内では車両(自転車含む)の通行ができません。
宅配便や各種配達サービスをご利用の際は、十分ご注意ください。https://t.co/ih9NmI2lYJ— (公式)隅田川花火大会 (@sumida_river_fw) July 19, 2023
とは言っても、使い方によっては、我々の生産性を上げることができる優秀な同僚やアシスタントである事実は変わりない。ChatGPTと上手につきあえば、仕事やレジャーも今まで以上に楽しむことができるだろう。今週末に開催される隅田川花火大会をはじめ、夏の風物詩をどんどん紹介していきたい。