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社日とは?読み方は?やってOKなこと・NGなこととは?社日祭もあわせてご紹介!

2023/9/26
2024/3/8
社日とは?読み方は?やってOKなこと・NGなこととは?社日祭もあわせてご紹介!

「社日(しゃにち)」という言葉を聞いたことがありますか?もしかしたら「カレンダーに書いてあるのを見た」という方もいらっしゃるかもしれませんね。

社日とは、特に稲作にとって重要な季節の節目を表す「雑節」のひとつで、春と秋に1日ずつ、年に2回やってきます。今は廃れてしまっていますが、かつてはその日にやること・やってはいけないことといった風習や、祭りが広範囲に行われていました。

そこで今回は、社日とはいつ、どんな日なのか?その日にまつわる風習や今でも行われている祭りなどについてご紹介します。

社日とはいつ?どのように決まる?

暦のうえで季節を表すものには、まず中国から伝わった「二十四節気(にじゅうしせっき)」があります。太陽の動きをもとに1年を春夏秋冬の4つに分け、さらに季節ごとに6つずつの合計24に分けたもので、春分や秋分、夏至、冬至などが代表的なものです。

いっぽう「雑節」は、日本人の暮らしや農作業を反映し、二十四節気を補うかたちで日本で独自に生まれました。社日を含め節分や八十八夜など、一般的には全部で9つあります。

そしてこの「社日」がどのように決まるかというと、二十四節気の「春分」と「秋分」に、それぞれ最も近い「戊(つちのえ)」の日が社日となります。

戌は十干(じっかん)という、1日に1つずつ割り当てられている次の10個の漢字のうち、先頭から5番目です。

十干 = 甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸

十干はもともと、日にちを10日ごとのまとまりで数えるための呼び名(符号)でした。10日ごとに「一旬(いちじゅん)」と呼び、3つの旬(上旬、中旬、下旬)で1か月になるため、広く使われていたといいます。

数える基準になる春分と秋分は、現在「春分の日」「秋分の日」として国民の祝日になっているので、普段から馴染み深い日ですね。太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じになる日です。

年によって日にちに少し変動はありますが、春分は毎年3月20日か21日、秋分は9月22日か23日で、それぞれの前後5日以内にやってくる「戊」の日が社日になります。

よって、「春社(しゅんしゃ)」とも呼ばれる春の社日は、毎年3月15日~3月26日の間に、「秋社(しゅうしゃ)」とも呼ばれる秋の社日は、毎年9月17日~9月28日の間にやってきます。

ちなみに、2023年の秋社は9月27日。2024年の春社は3月15日で秋社は9月21日、2025年の春社は3月20日で秋社は9月26日です。

社日とはどんな日?

社日は土地の神様、その土地を守ってくれる「産土神(うぶすながみ)」を祀る日です。
社日は年に2回ありますが、春は種まきの時期に重なるためその年の豊作を祈り、秋は収穫の時期で作物の豊穣を神様に感謝する日とされてきました。

社日に祈り、祝う習慣はもともと中国から伝わってきたもの。古代中国で「社」という字には「土」の「神」という意味があり、社日は「社」を祀り五穀豊穣を祈願する祝日だったそうです。これが日本に入ってきて土地の神様や田の神様への信仰と結びつき、農業にとって大切な季節の節目となって儀式も広まり定着していったといわれています。

戊を含む十干も、元は古代中国で生まれました。戊を「つちのえ」と読むように、戊は土と関係が深いので戊の日が社日とされるようになったといわれます。

社日に行う風習は?してはいけないことは?

かつて社日には農作業を休んで集落の皆が寄り合い、掛軸などを掛けて土地の神様や農業の神様にお供えをし、豊作を祈願・感謝する祭りが広く行われていました。

お供え物として春は五穀豊穣祈願のため穀物の種子、秋は収穫に感謝するため初穂や野菜のほか、春秋ともにお酒やおはぎなど、地域によってさまざまなものが選ばれていたようです。また、春の社日にお酒を飲むと耳がよくなるといわれ、社日の日に飲むお酒は「治聾酒(じろうしゅ)」と呼びます。

長野県の小県(ちいさがた)郡では田の神様を「お社日様」といい、春秋の社日にはお餅をついて祝ったり、山梨県では「石の鳥居を七つくぐると中風にならない」といって、あちこちの神社を拝んで回る「社日詣で」の風習があったそうです。

他にも、現在の京都府京丹後市の辺りでは明け方に東の方の社寺に参り、それから順に西の方へ行き、最後に日の入りを拝む「社日参り」が行われていたのだとか。社日に神社へ参拝すると特別なご利益がいただけるという言い伝えは全国各地に残っていて、今でも参拝する風習が続いているところもあります。

一方、社日に土を触ることは、土地の神様を怒らせてしまうので禁忌とされています。現代に置き換えると家庭菜園やガーデニングも土を触るので、社日に行うのは避けた方がよいといえるでしょう。

また、社日のお供え物に肉と魚はタブーとされ、土地の神様へのお供え物として、米や野菜などの農作物や、餅やお酒など農作物由来の物を供えるのが一般的です。

社日に行われている有名なお祭りは?

◎社日祭(お潮井取り)/福岡県福岡市・筥崎宮

現在も行われている社日のお祭りで最も有名なのは、福岡市にある筥崎宮(はこざきぐう)の「社日祭」といえるでしょう。毎年春社には「春季社日祭」、秋社には「秋季社日祭」が行われています。

筥崎宮の社日祭は、もとは土の神様に豊作を祈願また感謝するお祭りでしたが、現在は五穀豊穣・除災招福・家内安全などを祈るお祭りです。一番の特徴は、「お潮井取り(おしおいとり)」と称して、筥崎宮の御神域である箱崎浜の真砂をいただいて参拝者が自宅へ持ち帰ること。

社日の日のお潮井は特に効き目があると珍重され、真砂の入った「てぼ」と呼ばれる竹かごを玄関や戸口に備えて、家の出入り時に身に振りかけて災難除けを祈願するのだそうです。また、豊作や虫除けを祈って田畑にまいたり、家の建て替えにあたって敷地にまく風習も残っていて、博多三大祭りのひとつ「博多祇園山笠」の時に、神事の無事を祈って箱崎浜のお潮井を取りに来ることでも知られています。

さらに、社日際のときには筥崎宮名物の「社日餅」の露店も登場。白餅とよもぎ餅の2種類があり、中に甘さ控えめの粒あんが入った昔ながらの素朴な味で、社日祭の人気のお土産にもなっています。

◎社日まつり(探湯神事)/群馬県大泉町・社日稲荷神社

群馬県大泉町にあるその名も社日稲荷神社には、土の神様が祀られていて、古くから農業の神様として信仰されてきました。毎年2回、春と秋の彼岸の中日に近い日曜日に「社日まつり」が開かれます。

このお祭りの見どころは「探湯(くがたち)神事」です。
もともとの「くがたち」という儀式の起源は、古代の日本で行われていたという、問湯(といゆ)いう沸かした湯を神に捧げてお告げを得る儀式にあります。ここから日本書紀にも記述がある「盟神探湯(くがたち)」という裁判方法が派生しましたが。釜で沸かした湯に手を入れさせ、やけどを負えば罪があり負わなければ罪はないものとする呪術的な方法です。

この社日まつりでの探湯神事は、もちろん呪術的な裁判方法とはまったく違いますが、神前に供えられた大釜の中の熱い湯に小笹を浸し、熱湯を全身に浴びて神様の信託を仰ぐ神事で、1816年の創建当時から続いているそうです。

参拝者は家内安全、災厄除けのお守りとして神事に使われた笹をいただくことができます。そのほか、参道には駄菓子などの露店が並び、植木や農機具の販売なども行われ、特に近郷在住の農家の人たちが訪れとても賑わいます。

まとめ

今回は、春分と秋分に最も近い戊の日「社日」についてご紹介しました。
農業と深いかかわりのある「雑節」の一つということで、現代ではあまり馴染みのない方のほうが多いと思います。ですが、どんな日なのか?どんな風習が行われてきたのか?現在も行われているお祭りにはどんなものがあるのか?お分かりいただけたのではないでしょうか。

自分の産土神はインターネットでも調べることができます。これを機会に次の「社日」の日には、産土神の神社にお参りしたり、社日のお祭りに出かけてみてはいかがでしょうか。

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