(この記事は2019年に公開されたものを再編集しています。2020年12月3日 編集部更新)
国の重要無形民俗文化財に指定される玉敷神社神楽
玉敷神社は、埼玉県加須市に大己貴命を主祭神として社殿を構えています。703年に多治比真人三宅麿が、東山道鎮撫使として武蔵の国に下った際に創建したと伝わります。境内の神楽殿で演じられる玉敷神社神楽は、江戸神楽の源流と考えられ、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
2019年の「玉敷神社例大祭」で演じられた7演目の神楽
玉敷神社神楽は、12月の例大祭、2月の初春祭、5月の春季大祭、7月の夏季祭の1年に4回奉奏されています。2019年の例大祭は12月1日に行われました。神楽殿では13:30から15:00まで、「イザナギ・イザナミの連れ舞」、「おかめの舞」、「山の神の舞」「鹿島・香取の連れ舞」、「鈿女命・猿田彦の舞」、「戸隠明神の舞」、「恵比寿の舞」の7つの演目が演じられました。
神楽の調べに合わせて風に舞うイチョウの黄葉
12月に開催される例大祭の頃は、境内で育つイチョウが黄色く色づきます。境内は黄色の絨毯を敷きつめたようになります。風に舞うイチョウの黄葉も神楽の調べに合わせているかのようです。黄葉の見頃時期には夜間にライトアップされます。
玉敷公園で春季に開催される「騎西藤まつり」
玉敷神社の境内の東は玉敷公園として整備されています。公園の中央には藤棚が設けられ、例年4月中旬から5月上旬にかけて花を咲かせます。藤の見頃時期に合わせて「騎西藤まつり」が開催されているので、季節を変えて訪れてみるのもいいでしょう。
玉敷神社の例大祭では神楽殿で玉敷神楽の奉奏が行われます。神楽を観る機会は多くはありませんが、江戸神楽の源流にふれると貴重な体験となることでしょう。