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東京の真ん中・西東京市にある「田無神社」が密かに人気を集めるワケとは?

2023/2/8
2023/2/21
東京の真ん中・西東京市にある「田無神社」が密かに人気を集めるワケとは?

東京都の郊外、西東京市に位置する田無神社は、一般的な「参拝」とは、少し違った時間が過ごせる場所。参拝者の多くが、ふらっとカフェにでも立ち寄るかのように、この神社を訪れているのです。

全国的に知られている神社と比べると認知度は劣るものの、平日でも人の流れは途切れることがありません。そんな静かに賑わう田無神社の秘密、知る人ぞ知る魅力についてご紹介します。

龍神さま信仰の田無神社

田無神社、龍神信仰

交通量の多い大きな道路に囲まれる田無神社。喧噪から逃れるように参道を進むと、大きなイチョウの木々に出迎えられて本殿にたどり着きます。

祀られているのは、日本各地の神社で信仰されている大国主命(おおくにぬしのみこと)と、風の神様である級津彦命(しなつひこのみこと)/ 級戸辺命(しなとべのみこと)。この場所では、級津彦命/ 級戸辺命を金龍とした、黒龍、白龍、赤龍、青龍の五龍神信仰を中心に歴史を紡いできました。

各所にある五龍神のご神木や石像は、境内を散策する一つの楽しみ。多くの参拝者がこの五龍神に、ご挨拶、お祈り、そして感謝を届けに日々訪れています。

散りばめられた「楽しい神聖さ」

手水舎、花手水

御神水から溢れるほどの花々が白龍を彩る手水舎(ちょうずや)。神社というと、厳かで凛としていて身も心もキュッと引き締まる、そんな雰囲気がありますよね。けれど田無神社は反対に、花びらがほころぶように、心を和らげてくれる工夫やおもてなしが、境内のあちらこちらに散りばめられているのです。

地域と繋がり、作り上げる神社

御朱印、切り絵、龍神

御朱印には、五龍神の切り絵が施されています。額縁に入れて飾りたくなるほどの(良いアイデア!)華やかなデザインは、気持ちまでも明るくしてくれるようですよね。

そんな見事な切り絵は、田無神社のある西東京市在住の切り絵作家、小出蒐(こいでしゅう)さんによる制作。地域一丸となって神社の取り組みを支えている様子が伺え、御朱印にさらなる魅力を添えてくれています。
その他の御朱印のデザインは田無神社公式HPをご覧ください。

神さまを身近に感じる「可愛さ」

おみくじ、龍神

迫力ある雰囲気とは打って変わって、ころんとして可愛らしい五龍神おみくじ。底の部分の紐を引くと、おみくじが出てくる仕掛けになっています。

金龍、黒龍、白龍、赤龍、そして青龍の五龍神の中から、素直にピンとくる龍神さまを選んでも良いし、スポーツや芸能の技芸向上のご利益のある青龍神、金運・良縁成就のご利益のある白龍神など、龍神さまそれぞれのご利益を参考にして選んでも楽しそう。あるいは「参拝するごとに、五龍神を揃えても良いかも…」なんて、新しいおみくじの楽しみ方も(おみくじの本来の意義とはズレてしまう気もしますが…)。

こんなふうに、カラフルで可愛い五龍神おみくじは、私たちの日常に「神様」という神聖な存在を、ごく身近に感じさせてくれるでしょう。

季節の移ろいを分かち合う

田無神社の秋、イチョウ、銀杏

イチョウの木々が黄金のように境内を染め上げる季節。お賽銭箱の上はいつもと違って、お守りサイズの小さな巾着がずらりと並べてありました。

巾着に入っていたのは、境内のイチョウが実らせた銀杏。この実が採れる秋にだけ受け取れる、特別で小さなおもてなしなのでした。「ここにまた戻ってこよう」そんな穏やかな約束を実らせてくれる瞬間が、この場所ではいくつも見つかります。

ほっとする一杯が作り出す、神社での「日常時間」

風薫る神社なおきち、ジンジャーチャイ

この神社に足繁く通う人たちには欠かせない存在となっているのが、コーヒースタンド「風薫る 神社なおきち(以下、なおきち)」。ただただのんびりしたり、読書をしたり。何だか時間を忘れてしまうようなひと時を、多くの人が「なおきち」の飲み物や焼き菓子と一緒に過ごしています。

ジンジャーチャイ、ジンジャーシロップ「ジンジャーチャイ」が人気。なおきち特製のジンジャーシロップと、沖縄の波照間島産の黒糖の程よい甘みとスパイスの組み合わせが美味! ジンジャーチャイ 500円(税込)

「人の手で作られたものや、ストーリーのあるものを取り入れると、人って元気になれる。ほっと落ち着いたり、パワーアップしたり。それが実際に身体に取り入れる食べ物という形だと、すごくわかりやすいんです」と、なおきちのオーナー 佐藤うららさんは言います。

優しさもそっと込められた「なおきち」お手製の飲み物や焼き菓子は、田無神社の心地よさの理由のひとつ。心にまで染み込む美味しさは、「なおきち」と参拝者との言葉にならない交流を繋いでいるようです。

「風薫る 神社なおきち」がこの場所でサービスを始めたきっかけは、「うちでやったら?」という先代の宮司の軽やかな言葉だったそう。田無神社のキャッチコピーでもある「開かれた神社」を深く感じさせる先代の素敵な計らいは、「なおきち」を通してたくさんの参拝者たちに届けられているようです。

田無神社の隠れた魅力は、華やかなお祭りやセレモニーではなく、日常の延長にある静かな時間。この場所で見つかる小さな工夫やおもてなしは、当たり前であり特別な毎日を思い出させてくれるでしょう。

特に何の根拠もないけれど、ふと、沸き起こる「行ってみよう」を感じたら、ぜひ訪れてみてくださいね。心地いい風と共に迎え入れてくれますよ。

 

田無神社
〒188-0011
東京都西東京市田無町3-7-4
西武新宿線「田無駅」北口より徒歩6分
駐車場あり

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