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獅子舞王国・香川の演舞が東京で見られる!?「東京讃岐獅子舞」の魅力に迫る

2020/10/16
2024/5/1
獅子舞王国・香川の演舞が東京で見られる!?「東京讃岐獅子舞」の魅力に迫る

全国で最も数が多い民俗芸能と言われる獅子舞は、日本人にとって身近な存在です。地域の神社や公民館で祭りの時などで見かけるという方も多いでしょう。最近私はコロナ禍で遠出ができない為、実家近くを拠点に活動されている獅子舞団体に注目しています。

今回は、Twitterやwebサイト等での広報活動を積極的にされている「東京讃岐獅子舞」とその運営組織である「獅子舞応援団」が以前から気になっており、お話を伺ってきました。発起人の中川あゆみさんは、故郷である香川県で女人禁制時代から30年以上獅子舞に関わり続けたのち、東京で団体を立ち上げました。そのきっかけは何だったのか、そして、現在はどのような活動をされているのか。その熱い想いに迫ります。

香川県は獅子舞王国!1000以上の獅子舞あり

活動の話に入る前に、まずは香川の獅子舞について触れておきましょう。香川県の獅子舞団体の数はなんと800組。全国でもトップクラスに多く、コンビニよりもうどん屋よりも数が多いと言われています。もともと1200組あったようですが、舞い手不足や祭りの減少などにより、継続ができない地域も出てきています。それでも、獅子舞のデザインや由来は非常に多様で、分類するのが難しいほどです。現在でも香川県は獅子舞がとても活発なので、「獅子舞王国」とも呼ばれています。

獅子舞応援団の活動は動画の撮影から

発起人である中川さんは、故郷の香川から東京に出てきた後も毎年秋祭りに獅子舞帰省を続けていたのですが、数年前から獅子舞の保存と継承に危機感を持ちました。そこで2016~17年にかけて、香川県の獅子舞の撮影に徹底的に取り組むべく、まずは自身の氏子神社で活動中の全獅子連の動画保存を試みたそうです。これが、獅子舞応援団の活動の始まりでした。クリエイターとして活動する人が不在の中で、一からwebサイトを作り、youtubeチャンネルを立ち上げ、地道な広報活動を行ってきました。そんな中で、和文化の継承に関心のある知り合いの協力により、獅子舞のプロモーション動画を制作。その時の動画がこちらです。「獅子舞応援団」と検索すると、その他の動画もご覧いただくことができます。

東京讃岐獅子舞の仲間集めとグッズ制作

photo by 獅子舞応援団

また、実際に獅子舞を東京で再現させるべく、「東京讃岐獅子舞」の仲間の募集も行いました。獅子の中に入るのが2人、鉦(かね)が1人、太鼓が1人で、最低でも4人は必要です。実際に声がけをしたところ、香川出身の人だけでなく様々な方面から「獅子舞をやりたい!」と応募があったそうです。出身は香川じゃないけど仕事で香川県三木町のPRに関わっている方や、獅子舞が大好きでたまたまポスターを見て問い合わせてきた子供など、きっかけは人それぞれ。2020年10月現在、「東京讃岐獅子舞」は大人8名、子供2名で活動されているそうです。

練習は自宅や会場を借りて実施。コロナ禍では、どうしてもオンラインでやらざるを得ず、動きを合わせるのに工夫が必要で試行錯誤をされているようです。また、上の写真のようなパーカーや、Tシャツなどの制作も行いました。「獅子舞」のロゴはよく見ると、文字の中に動物が隠れていて、とても細かいデザインとなっています。このようなグッズがあることで、活動の一体感も増しているようにも感じます。

また、ポストカードやステッカーの制作も行ったそうです。香川の雄大な風景の中に溶け込む獅子舞の姿は圧巻ですね。撮影場所の許可取りから撮影まで、とても手の込んだ制作をされています。

神社やイベントで獅子舞を披露

photo by 獅子舞応援団

獅子舞を披露する機会としては、イベントの出演や神社での奉納がメインです。イベントは和文化系の祭りやシシフェスなどに出演されました。また、1万人以上の観客の前で披露したこともあるそうで、とても規模が大きいイベントに出た経験もあります。一方で、神社の奉納では神田明神や日枝神社などで舞ったことがあり、神秘的な見えないものとの対話に感動を覚えるようです。確かに獅子舞は本来厄を払う存在なので、本質に立ち返ることも大事なことかもしれません。団体としてはまだ新しいこともあり、奉納の舞いをさせてもらえる神社を探しているようです。

獅子舞を次世代に繋ぐ

今回、中川さんと獅子舞応援団の活動を取材させていただいて、積極的な広報活動に「獅子舞を広めたい」という熱い想いを感じました。また、故郷を離れた東京でも、地域コミュニティという枠にとどまらず獅子舞が広がっていく可能性も感じました。獅子舞団体を取材していて感じるのは、伝統だから続けていくというだけでなく、純粋に好きだからやるという良い循環も続いていくことが大事だと考えています。その意味でも、今後とも獅子舞応援団の「東京讃岐獅子舞」の活動を応援していきたいです。

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