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深川八幡祭りの神輿や「元准勅祭十社」の文字が押印される富岡八幡宮の御朱印
全国各地の神社や寺院では参詣の記念に御朱印を頂くことができます。朱印帳に訪れた神社や寺院の御朱印が並ぶと、貴重な思い出となり写真とは趣の異なる味わいが滲み出てくるものでしょう。東京都の深川に社殿を構える富岡八幡宮の御朱印には、神社が明治天皇によって新しい都の鎮護と万民の安泰を祈願された准勅祭社「東京十社」の一つであることが確認できます。江戸三大祭の一つ「深川八幡祭り」で巡行される神輿のスタンプも押され、富岡八幡宮の歴史や文化を物語っているようです。
富岡八幡宮では、本殿の東に隣接して御朱印の受付が設置されています。
本殿の南に広がる境内の一画に設けられた授与所では、神札、お守り、絵馬、土鈴などの授与品が種類豊富に揃っています。
「深川の八幡様」の愛称で呼び親しまれる富岡八幡宮
富岡八幡宮は1627年に、菅原道真公の末裔といわれる長盛法印が神託によって当時、永代島にと呼ばれていた小島に創建されたと伝わります。江戸時代には徳川将軍家の手厚い保護を受けるばかりでなく、庶民からは「深川の八幡様」の愛称で呼び親しまれました。本殿は何度となく焼失、再建を繰り返し、現在の建物は1956年に重層型準八幡造りで造営されたものです。
富岡八幡宮に公共交通機関を利用して訪れる場合の最寄り駅は、東京メトロ、都営地下鉄の門前仲町駅です。駅の出入口からは永代通り並ぶ神社の提灯が社殿に導いてくれます。永代通りに面して朱塗りの鳥居が建ち、正面参道の先に本殿が建立されています。
神輿庫で大切に保存される日本一の黄金大神輿
富岡八幡宮では一年を通して様々な行事が行われていますが、毎年8月15日前後に開催される「深川八幡祭り」です。赤坂の日枝神社の「山王祭」、神田明神の「神田祭」とともに「江戸三大祭」の一つに数えられています。3年に1度、八幡宮の御鳳輦が渡御を行う本祭りでは、53基の町神輿が勢揃いして連合渡御します。2021年に予定されていた本祭りは、新型コロナウイルス感染防止のため中止となり、境内で写真展が行われました。正面参道沿いの神輿庫では、ガラス越しに日本一の黄金大神輿を見ることができます。
江戸勧進相撲発祥の地に建立される大相撲ゆかりの石碑
「深川八幡祭り」は江戸時代から続く伝統行事ですが、富岡八幡宮は江戸勧進相撲発祥の地ともなりました。1684年に幕府に相撲の興行が許され、春と秋に2場所の勧進相撲が行われるようになりました。この歴史は現在の大相撲に引き継がれています。境内のあちこちに横綱力士碑をはじめ、大相撲ゆかりの石碑が幾つも建立されています。
様々な伝統文化を産み出した富岡八幡宮が社殿を構える深川は、門前町としてばかりでなく、材木商が集まる木場としても栄えました。数多くの著名人が居を構え、日本地図を作成した伊能忠敬も深川に住んでいたことがります。測量に出かけるときには、安全祈願のため富岡八幡宮に必ず参拝したと伝わります。正面参道の鳥居の袂には伊能忠敬の像が建立されました。
境内に店舗を構える深川宿で味わえる伝統の江戸前の味「深川めし」
伊能忠敬の像の横には味覚で江戸の伝統を感じることができる飲食店が営業を行っています。「深川めし」は日本五大銘飯の一つに数えられることもあり、江戸前の味を長年にわたって伝えています。深川宿では、「ぶっかけ」と「炊き込み」の2種類の「深川めし」が看板メニューです。「ぶっかけ」は新鮮なあさりを特製の味噌でさっと煮立てご飯にぶっかけます。「炊き込み」はあさりを醤油出汁でご飯とともに炊き込んでいます。
東京都の深川に社殿を構える富岡八幡宮の御朱印には、江戸三大祭の深川八幡祭りで巡行される神輿が押印されます。他にも「元准勅祭十社」の文字で「東京十社」の一つであることが確認できます。1627年に創建された陣はでは、江戸時代に勧進相撲の興行が始められたため、境内には大相撲ゆかりの石碑が幾つも建立されています。