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寅年といったら、寅さん!初めての人にもオススメの「男はつらいよ」名作5選!

2022/1/5
2022/1/5
寅年といったら、寅さん!初めての人にもオススメの「男はつらいよ」名作5選!

2022年は寅年ということで、様々な「トラ」が注目を浴びていますが、映画「男はつらいよ」の主人公である「寅さん」にも注目してみてはいかがでしょうか。

映画、「男はつらいよ」は1969年の第1作を皮切りに50作品が公開されている国民的人気シリーズ。テキ屋稼業を営む「フーテンの寅さん(渥美清)」が、回ごとに異なる“マドンナ”との恋愛模様を繰り広げながら故郷の東京・葛飾柴又の「とらや」や全国各地を舞台に巻き起こす騒動が描かれています。

よく「人情喜劇」と称されますが、「おじさんのラブコメ」と言っても差し支えないような肩の力を抜いて楽しめる映画ですし、90分前後にまとめられたシンプルで分かりやすいストーリーも特徴のひとつ。オマツリジャパン的には随所に登場する祭りシーンも見逃せません。

この記事では「初めてでも楽しめる」をテーマに、男はつらいよファンの筆者が選んだオススメ5作品をピックアップしてご紹介します!

寅次郎相合い傘(第15作、1975年公開)

シリーズの中でも屈指の人気作である「寅次郎相合い傘」は、浅丘ルリ子さん演じる気丈な歌手「リリー」がマドンナ。かつて第11作で恋愛模様を繰り広げたリリーと再会した寅さんは北海道や故郷の柴又でドタバタ劇を繰り広げます。メロンの分け前をめぐって大の大人がマジ喧嘩する「メロン騒動」や、喧嘩中のリリーを心配して雨が降る中駅まで迎えにいく「相合い傘」のシーンなど、ファンに人気のある名シーン・名台詞がいくつも登場する傑作として名高い作品です。

男はつらいよシリーズには珍しい「強い女」のリリーと寅さんはぶつかり合いながらも関係を深めていきますが、肝心なところでチキってしまう寅さん、成就寸前にも関わらず二人は…という展開に。旅先の青森や函館に広がる港の情景、先に紹介した「メロン騒動」などの爆笑シーンの数々、そしてリリーをおもんばかる優しい寅さん。笑いあり涙ありで「男はつらいよ」の魅力が凝縮されたようなこの作品は、初めての1本にピッタリです。

青森で知り合った中年男・兵藤謙次郎(船越英二)と旅を続ける寅さんは、函館のラーメン屋の屋台で、なんとリリー(浅丘ルリ子)と再会を果す。初夏の北海道で、気ままな道中を楽しむ三人。兵藤は、小樽で初恋の信子(岩崎加根子)に一目だけ逢おうとするが、それを“男の甘え”とリリーは寅さんに当たって、二人は大げんか。そのままリリーと別れた寅さんは、リリーのことが気がかりな毎日。そんなある日、リリーが柴又へとやってきて…
 寅さんとリリーの再会。結婚に失敗したリリーは、再び歌手となり旅暮らし。寅さんは、船越英二扮する冴えない中年男・兵藤と旅をしている。三人が揃って旅をする場面は幸福な気分に満ちあふれている。パパさんこと兵藤が、持って来たメロンをめぐっての一悶着は「メロン騒動」と名高い。リリーと喧嘩した寅さんが、雨の降る柴又駅へリリーを迎えに行く“相合い傘”シーンは、シリーズ屈指の名場面。

引用:https://www.cinemaclassics.jp/tora-san/movie/15/

本作に登場する祭り

青森県青森市の善知鳥(うとう)神社の祭りに寅さんが登場します。映画の舞台が初夏なので、時期的には6月に行われる「善知鳥龍神宮例大祭」でしょうか。

男はつらいよ(第1作、1969年公開)

中学生で家出をしていた寅さんが柴又に帰ったところからストーリーが始まりますが、迎え入れるやいなや非常識な振る舞いを繰り返して早速厄介者扱い。妹のさくらのお見合いをぶち壊したあげく、お互い密かに思いを寄せ合うさくらと博の関係も寅さんの余計なお世話で破局寸前。めちゃくちゃに振り回された結果、博が涙ながらさくらに想いを伝える名シーンが生まれて良い感じに収まりますが、シリーズでも群を抜く寅さんの暴れっぷりはなかなかの衝撃です。

さくらと博が結ばれる一方、幼なじみの冬子に対してはさっぱりな寅さん。空回りする姿にしみじみと「馬鹿だねぇ〜」と言葉が漏れそうになります。笑いと涙がふんだんに散りばめられたこの人気作、古めかしい柴又帝釈天の参道に、赤提灯が下がる裏通りの酒場など、昭和中期の東京の情景をたっぷり楽しめる面も魅力ですのでぜひご注目を。

寅さんが20年ぶりに、故郷柴又に帰ってくる。歓迎ムードも束の間、寅は妹さくらの縁談をぶちこわし、また旅の人となる。奈良で旅行中の御前様とその娘・坪内冬子(光本幸子)と再会。幼なじみゆえ、気さくな冬子に恋をした寅さんは、帰郷してからも冬子のもとへ日参する。一方、裏の印刷工場につとめる諏訪博は、さくらへ想いを寄せていた・・・

引用:https://www.cinemaclassics.jp/tora-san/movie/1/

本作に登場する祭り

冒頭に描かれている寅さん初登場のシーンは東京・柴又帝釈天のお会式です。力強く纏(まとい)を回す寅さんが印象的です。

寅次郎夕焼け小焼け(第17作、1976年公開)

たまたま上野の飲み屋で出会ったみすぼらしい老人を助けてとらやに連れ込むところから物語はスタートしますが、無銭飲食を疑われたその老人が実は人間国宝の日本画家・池ノ内青観だったという神展開。マドンナは寅さんが青観と訪れた兵庫県龍野で出会った芸者ぼたん。大金を騙し取られてしまった彼女のために、とらやの面々が奔走する人情ドラマの側面もあります。

金をだまし取った男のところに捨て身で殴り込みにいこうとする寅さんの優しさに感動して涙を流すぼたん。絵を売ることができればぼたんを救える…と無理を承知で青観に掛け合う寅さんの姿に涙腺がゆるみます。人気投票の上位常連でもある「夕焼け小焼け」はシリーズ筆頭の感動作。心温まるヒューマンドラマが好きな人には特にオススメしたい作品です。

上野の飲み屋で、みすぼらしい老人と出会った寅さんは、気の毒に思いとらやに連れて来てしまう。その老人は、日本画の大家・池ノ内青観(宇野重吉)だった。世話になったお礼として青観が描いた絵をめぐり、とらやでは大騒動が巻き起こり、寅さんは旅に出ることに。ところが兵庫県龍野で、寅さんは青観と再会、市長の接待を受け、芸者ぼたん(太地喜和子)と意気投合。しばらくして、ぼたんが、客だった鬼頭(佐野浅夫)に貸した二百万円を踏み倒されそうになって、上京。あまりにも理不尽な事態に、憤慨した寅さんは・・・

引用:https://www.cinemaclassics.jp/tora-san/movie/17/

本作に登場する祭り

寅さんが西新井大師の縁日でおもちゃを売るシーンが描かれています。初夏の東京、賑やかな様子から祭りの楽しさが伝わってきます。

男はつらいよ 寅次郎頑張れ!(第20作、1977年公開)

ゲストに中村雅俊さんと、大竹しのぶさんを迎えた第20作。とらやに下宿している良介(中村雅俊)の恋愛コーチを寅さんが買って出るも上手くいかず、良介は傷心から自殺を計ってとらやでガス爆発を起こしてしまいます。責任を感じた良介が帰郷した長崎・平戸を訪ねた寅さんはその姉である藤子に出会って一目惚れしてしまい…

イケメンなのに恋愛下手の良介(中村雅俊)を見ていると身体ムズムズ、幸子(大竹しのぶ)とのすれ違いには胸キュン不可避。幸子と結ばれていくにつれて成長する良介、そして相変わらず空回りし続ける寅さん。シリーズ人気ランキングからは外れがちですが、個人的には青春映画っぽさが気に入っている推し作品です。

とらやに下宿中のワット君こと良介(中村雅俊)が、初対面の寅さんを“押し売り”と間違えたことから大騒動となる。結局、寅さんと意気投合した良介は、食堂「ふるさと亭」の幸子(大竹しのぶ)との恋愛を、寅さんの指南で成就させようとするが、振られたと勘違い。良介はガス自殺を計ろうとして、とらやの二階は大爆発! 責任を感じ、長崎県平戸に帰った良介を、励まそうと寅さんがやってくるが、良介の姉・藤子(藤村志保)に一目惚れをして、そのまま居着いてしまう…

引用:https://www.cinemaclassics.jp/tora-san/movie/20/

本作に登場する祭り

長崎県平戸市の「浜尾宮」で行われている秋祭りに寅さんが登場しています。小さな村祭りですが、海を背にした情景とお囃子が良い雰囲気を醸し出しています。

男はつらいよ 寅次郎物語(第39作、1987年公開)

ある日、寅さんのテキヤ仲間の息子「秀吉」が「俺が死んだら寅を頼れ」という遺言をもとにとらやを訪ねてきます。蒸発した母親を探しに旅に出たふたり、旅先での出会いを経て伊勢志摩(三重県)に行き着き、秀吉の母との再会を果たすハートウォーミングなストーリーです。

恋愛やドタバタ要素が少なく、先に紹介した4作品とは違って落ち着きのある本作ですが、この作品をぜひ推したい理由は↓の名ゼリフがあるからです。

夕暮れの柴又駅前、17歳を迎えて進路に悩む甥の満男に「おじさん、人間はなんのために生きてんのかなぁ」と聞かれた寅さん。「難しいこと聞くなぁ…」すこし難しい顔で考えてこう答えます。

「あぁ、生まれてきてよかったなって思うことが何べんかあるじゃない。そのために人間生きてんじゃねえか?」

筆者はこの台詞を人生の本質を捉えた言葉に感じ、胸に刻んでいます。捉え方は人それぞれかもしれませんが、多くの人に愛されるこの名台詞、渥美清さんと吉岡秀隆さんの演技も合わせて、ぜひ体感してもらいたいと思います。

福島から寅さんを訪ねてきた秀吉少年。父親である寅さんのテキヤ仲間の政吉が亡くなり、位牌を持って施設から逃げて来た秀吉には、産みの母がいるという。寅さんは秀吉を連れて、大阪から和歌山へと、母を訪ねる旅を続ける。ある夜、奈良県吉野の旅館で、秀吉は旅の疲れから高熱を出す。隣の部屋の客・隆子(秋吉久美子)は協力を申し出て、寅さんと共に夜を徹しての看病をする。いつしか「とうさん、かあさん」と呼び合うようになった寅さんと隆子だったが…

引用:https://www.cinemaclassics.jp/tora-san/movie/39/

本作に登場する祭り

オープニングで寅さん一味が露店を開くのは茨城県つくばみらい市の板橋不動尊です。お面を売ってたり今川焼きを焼いていたり、お祭り屋台の雰囲気を味わえます。

 

寅年に楽しみたい「男はつらいよ」を5つピックアップしてご紹介しましたが、気になる作品はありましたか?

レンタルビデオ店ではもちろん、サブスク型の動画サービスでも取り扱いが充実しており、筆者は自身で契約しているAmazon Prime Videoのプラス松竹チャンネルで視聴していますが、NETFLIXやHuluなどでも渥美さんが存命の時代の全作品を観ることができます。(2022年1月現在)

年が明けても何かと心配事が多い世の中ですが、ぜひこの機会に「男はつらいよ」で泣き笑いしてみてはいかがでしょうか。

トップ画像:PATARA / Shutterstock.com

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