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【築地本願寺納涼盆踊り大会】ここは特別!盆オドラーが愛してやまない理由とは?

【築地本願寺納涼盆踊り大会】ここは特別!盆オドラーが愛してやまない理由とは?

都内でどこか一箇所盆踊り会場を推薦するとしたならば、真っ先に紹介するのは、間違いなく【築地本願寺納涼盆踊り大会】だ。
実はボクが盆オドラーとなったのは、2011年にこちらではじめて盆踊りに参加したことがきっかけだ。
ボクにとっては特別な存在で、まさに産みの母といっても過言ではないほど。しかもボクだけでなく、都内多くの盆オドラーにとって、築地本願寺は特別な場所なのだ。
他の盆踊りとは一体何が違うのか?そして一度参加すると愛してやまない理由とは、果たしてどういうことなのだろうか?

※2020年の開催は中止が決定しました

「日本一おいしい盆踊り」だけじゃない!ここはお江戸の最高峰

築地本願寺納涼盆踊り大会新大橋通り側の正門では、毎年この提灯が出迎えてくれる

築地場内市場が豊洲に移転した後も、場外市場は営業を継続。築地は、今も昔も東京の台所を支える存在であることは変わらない。
この築地を代表するものといえば、江戸の昔から庶民の心のよりどころである築地本願寺だ。

本堂と境内に設けられた櫓。盆踊り開催前から既に祭りの熱気が漂っている本堂と境内に設けられた櫓。盆踊り開催前から既に祭りの熱気が漂っている

はじめてここを訪れた方は、帝国大学(現・東京大学)名誉教授で建築史家の故・伊東忠太博士の設計によるインド式の石造り建築に度肝を抜かれることだろう。

築地場外市場の名店が屋台で出店する『日本一おいしい盆踊り』築地場外市場の名店が屋台で出店する『日本一おいしい盆踊り』

境内で毎年7月下旬から8月上旬、4日間にわたって開催される【築地本願寺納涼盆踊り大会】には、多くの場外市場の名店が出店し、ほとんどがワンコインでその味を楽しむことができる。
『日本一おいしい盆踊り』と呼ばれる理由は伊達じゃない。

日暮れとともに櫓と踊り場を彩る提灯が、ますます盆踊りムードを高めていく日暮れとともに櫓と踊り場を彩る提灯が、ますます盆踊りムードを高めていく

しかし盆踊りにここを訪れた方は、誰もが荘厳な本堂の雰囲気と、華やかで美しい櫓の佇まい、祭りの賑やかな雰囲気に胸踊ることだろう。
早い時間から奏でられる太鼓の勇壮な響きとともに、盆踊りが始まる前から興奮が止まらなくなるのだ。

まず雰囲気!祭り感いっぱい、華やか櫓は江戸の華!

都内随一、美しく華やかな築地本願寺の櫓都内随一、美しく華やかな築地本願寺の櫓

【築地本願寺納涼盆踊り大会】の櫓はとにかく華やかだ。
同心円状に設けられた踊り場と、ぼんぼりの灯る櫓から、その踊り場に向かって提げられた多くの提灯が雰囲気を盛り上げ、江戸っ子らしい粋と雅やかさに溢れている。

櫓の最上階で盆太鼓を奏でる、築地本願寺太鼓保存会の面々櫓の最上階で盆太鼓を奏でる、築地本願寺太鼓保存会の面々

そして特筆すべきは太鼓の数!
築地本願寺太鼓保存会による盆太鼓のほか、海外でも精力的に演奏活動を続ける大江戸助六太鼓の面々が華やかな乱れ打ちを加え、まさにビートボックスといわんばかりの迫力で、築地中にその音色を轟かせている。

海外公演も精力的に行う大江戸助六太鼓は、大人数で参戦する海外公演も精力的に行う大江戸助六太鼓は、大人数で参戦する

まずはこの華やかな雰囲気に浸るだけでも、この場所が特別であることを、否が応でも体感することだろう。

曲の素晴らしさ!築地本願寺でしか踊れない名曲の数々

パフォーマンスでも魅せる、大江戸助六太鼓の演奏パフォーマンスでも魅せる、大江戸助六太鼓の演奏

【築地本願寺納涼盆踊り大会】最大の魅力は、その曲であることは間違いない。
最初と最後にかけられるご当地音頭《築地音頭》をはじめ、多くの曲はここでしか踊ることが叶わないものなのだ。

1961年に発表され、当時のトップスターである島倉千代子さん・村田英雄さん・花村菊江さん・岡田ゆり子さん・榊原貴代子さんが歌う《日本晴れだよ》然り、1960年に橋幸夫さんが市川雷蔵さんと共演した同名映画の挿入歌として歌う《おけさ唄えば》然り、1955年リリース、美空ひばりさんが歌う《あやめ踊り》然り。
こうした昭和の面影を濃厚に感じさせる名曲の数々を、時にうちわを使いながら、時に美しく雅な振り付けで踊ることは、まさに至福のひと時といえよう。

築地本願寺でしか踊れない曲を目指し、各地から踊り子たちが集結する築地本願寺でしか踊れない曲を目指し、各地から踊り子たちが集結する

手ぬぐいを使う秋田民謡の《おこさ節》、宮城民謡の《斎太郎節(正しくは『さいたらぶし』と読む)》といった曲のほか、築地のある中央区のご当地曲《これがお江戸の盆ダンス》、綿々と受け継がれるお子様向けの曲で、幼い頃の長山洋子さんも参加しているビクター少年民謡会の《ホームラン音頭》、定番曲である《ゆかた音頭》、《東京音頭》、《炭鉱節》、《大東京音頭》等々、実にバラエティに富んだ曲の数々で楽しませてくれる。

ライトアップされた本堂と華やかな櫓を見ながら踊るロケーションは、まさに絶景かな!ライトアップされた本堂と華やかな櫓を見ながら踊るロケーションは、まさに絶景かな!

中でも特筆すべき2曲は《法輪音頭》と《大江戸助六音頭》だ。
毎年休憩後の後半1曲目に踊る《法輪音頭》は本願寺の曲であり、都はるみさんのこぶしの効いた伸びやかな歌声と、一番まるまる振りの付いた手数の多さも場を盛り上げる。

本堂から見下ろす櫓と踊り場の全景本堂から見下ろす櫓と踊り場の全景

そして築地本願寺でしか踊れない目玉曲《大江戸助六音頭》は、歌舞伎荒事の「助六所縁江戸櫻(すけろくゆかりのえどざくら)」の主人公・花川戸助六よろしく、荒さと粋さを取り入れた男踊りで、度重なる方向転換や次の所作に移るまでの「タメ」を含め、初見で踊ることは難しい、都内屈指の難曲だ。

盆オドラーの多くはこの曲目当てで参戦するといっても過言ではなく、いざ踊れるようになると満足感や、達成感に満たされる。
ここだけの話、ドヤ顔で自己陶酔しながら踊る盆オドラーたちの表情も見ものである。

こうした曲の魅力が、踊り子たちを惹きつけ、毎年参加せずにいられなくなるのだ。

初心者でも一回でハマる!その秘密はここにあった

築地本願寺太鼓保存会の盆太鼓は、長年築地に受け継がれた安定の演奏だ築地本願寺太鼓保存会の盆太鼓は、長年築地に受け継がれた安定の演奏だ

築地本願寺の盆踊り曲は、長年ほぼ変わることなく、曲順も特別なことがない限り不動だ。難しい曲と簡単な曲、美しく踊りたい曲と楽しい曲など、実にメリハリが効いていて、何度踊っても飽きることがない。
さらにここでは原則同じ曲が2度ずつかけられる。1回目には踊れなくとも、2度目にはなんとなく踊れるようになっている。

こうした初心者にも嬉しい配慮が、『盆踊りの沼』へと参加者を引きずり込む罠でもある。
そして連日参加することで反復練習にもなり、盆踊りの基礎体力が養成されていくのだ。

主催はお寺さん。盆踊り本来の意味を知って胸アツ

実は築地という地名の由来は、この築地本願寺の建立に由来する。

毎年盆踊り初日、踊りの開幕に先駆けて行われる物故者追悼法要毎年盆踊り初日、踊りの開幕に先駆けて行われる物故者追悼法要

元和3年(1617年)浅草近くの横山町に浄土真宗本願寺派の別院として建立され、『江戸浅草御堂』と呼ばれていた本願寺。
明暦3年(1657年)歴史に悪名高い『明暦の大火』で坊舎を焼失した『江戸浅草御堂』は、幕府の区画整理のため同地での再建が叶わなかった。そして代替地として用意されたのが八丁堀の海上だった。
その際に、佃島の門徒が中心となり海を埋め立てて『地』を『築き』、この地は『築地』と呼ばれるようになった。

昭和9年(1934年)現在の本堂が完成。浄土真宗本願寺派の直轄寺院となったことで、『築地別院』から『築地本願寺』へと名称が改められた。

盆踊りの最初と最後には本堂に合掌・礼拝(らいはい)を行うのが築地本願寺のしきたりだ盆踊りの最初と最後には本堂に合掌・礼拝(らいはい)を行うのが築地本願寺のしきたりだ

こうした寺院が主催ということもあり、築地本願寺での盆踊りは、本来の意味である亡くなった方への追悼や供養の行事として開催されている。
毎年初日には物故者追悼法要が行われ、関係者は全員参列・焼香する。この間は物販や手荷物預かりも中断となる。

この法要には誰もが参列可能だ。パイプオルガンやステンドグラスのあるエキゾチックで荘厳な雰囲気の中、心を穏やかにし、盆踊りに参加してはいかがだろうか?

また、盆踊りの最初と最後には本堂に合掌・礼拝(らいはい)を行う。
今でこそ盆踊りは夏祭りのイベントとなっていることがほとんどだが、こうした本来の意味を体感し、想いを新たにすることも築地本願寺ならではの体験になることだろう。

そしてボクは盆オドラーとなった

グルメ、雰囲気、曲、構成、そして寺としての魅力。
この場所で踊ったことがきっかけで、その年には20箇所程度の盆踊りに参加するようになるほど、ボクは盆踊りに魅せられてしまった。

毎年3日目に開催される仮装大会。筆者も毎年参戦しており、この年は仮装仲間、通称『仮装研の女(仮)』と共に『銀河の旅人』として挑戦毎年3日目に開催される仮装大会。筆者も毎年参戦しており、この年は仮装仲間、通称『仮装研の女(仮)』と共に『銀河の旅人』として挑戦

そしてその翌年、岐阜県郡上八幡で開催される郡上おどりの盂蘭盆会(うらぼんえ)、すなわち名高い徹夜おどりに弾丸日帰りで参加し、土砂降りの中朝まで踊り続けたことで、ボクはすっかり盆オドラーとして覚醒してしまった。
けれどもこれは別の物語、いつかまた、別の時に話すことにしよう。

暗闇に映える築地本願寺の本堂。今も昔も築地の築地たる所以、心の拠り所としてこの町を見守り続ける暗闇に映える築地本願寺の本堂。今も昔も築地の築地たる所以、心の拠り所としてこの町を見守り続ける

なぜ【築地本願寺納涼盆踊り大会】が別格なのか?少しでもイメージが伝われば幸いだ。

百聞は一見に如かず、ぜひ【築地本願寺納涼盆踊り】に参加し、新たな盆踊りの世界へ足を踏み入れてはいかがだろうか?
しかし待ち構えるは泥沼、抜け出すことは困難であることを助言しておこう。

盆ボヤージュ!

インフォメーション

名称 【2020年開催中止】築地本願寺納涼盆踊り大会
開催場所 東京都中央区築地3-15-1
築地本願寺 境内
開催日 2019年7月31日(水)~2019年8月3日(土)
毎年7月下旬から8月上旬の間の4日間
主催 築地本願寺奉讃会、築地本願寺
アクセス 地下鉄日比谷線「築地駅」から徒歩1分、または地下鉄有楽町線「新富町駅」から徒歩5分
関連サイト http://tsukijihongwanji.jp/
https://tsukijihongwanji.jp/news/1514/
written by
大ちゃん/佐藤智彦

大ちゃん/佐藤智彦

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