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全国のユニークなお墓参り特集!ロケット花火で先祖を供養!?

2020/5/20
2020/5/20
全国のユニークなお墓参り特集!ロケット花火で先祖を供養!?

日本の伝統行事の一つであるお盆。故郷や実家に帰り、おじいちゃんやおばあちゃんなど親戚が集まって団らんの時間を過ごす方も多いはず。お盆やお彼岸の時期になると、帰省してお墓参りをするのが恒例の行事となっているのではないでしょうか。

お墓参りといえば、ご先祖様のお墓の掃除をしてから花などをお供えし、仏様に手を合わせてお祈りするのが一般的かと思います。

しかし、地域によっては「そんなことをするの!?」とつい思ってしまうような変わった風習や、他の地域では見たこともないようなアイテムが登場する驚きのお墓参りをする地域もあります。

今回はそんな、他とはひと味違う全国各地のお墓参りの作法についてご紹介します!

【沖縄】シーミーでは、”ウサンデー”でお墓の前でお供え物を食べる?!

「シーミー」や「ウサンデー」と、いきなり聞きなれない言葉が出てきたと思われる方も多いでしょう。
シーミーは漢字で「清明祭」と書き、旧暦の二十四節気の一つである「清明」の時期に行われるお墓参りの行事です。

ここで用意されるのが御三味(ウサンミ)と呼ばれる重箱料理のお供え物なのですが、なんと沖縄には墓前に親戚一同が揃ってこの料理を食べる風習があります。このことをウサンデーと呼びます。

お供え物を目の前で頂くことで、ご先祖様からのご加護が得られると沖縄では信じられています。
このような風習があることや台風が多いことから、沖縄のお墓はコンクリートなどで作られた家のような大きい形をしているのが特徴です。

【宮城】ずんだ餅や精進料理をお供えする風習がある?!

宮城には枝豆を潰した餡をくるんだ「ずんだ餅」や、「おくずがけ」と呼ばれる醤油ベースの汁に野菜やお麩、白石温麺(しろいしうーめん)を入れて煮込んだ精進料理があります。

宮城県の一部地域では、これらの地元料理を家族が食べるだけではなく墓前にもお供えして、同じものをいただく風習があります。ご先祖様が親しんだ食べ物を一緒に食べる、地元愛に溢れたお墓参りですね。

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お供え。 #宮城のお盆 #おくずかけ

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【長崎】お墓の目の前でド派手にロケット花火を打ち上げる?!

長崎にはなんと、墓前で花火を楽しむという独特の風習があります。
花火の種類も手持ち花火や爆竹、ロケット花火など様々なようです。

中国や台湾では、航海の女神として祭られる媽祖(まそ)の誕生を祝う儀式の途中から爆竹が鳴らされ、その後で宴会を開くという習慣がありました。1635年に中国船の寄港地と定められた長崎ではこれに倣い、お盆になるとお墓の前で花火を打ち上げ、宴会を開いてご先祖様を歓迎するという風習が根付いたといわれています。

しんみりする気持ちでご先祖様に手を合わせるのではなく、楽しい気持ちになってもらいたいという思いが素敵ですね。

【石川】箱型、花柄の”キリコ”をお墓に吊るす?!

「キリコ」とは木や紙で作られた灯篭のような箱で、中にろうそくを立てられる造りになっています。
石川県の多くの地域では、お墓参りの際にキリコの中のろうそくに火をつけてお墓の前に吊るします。
キリコの中に明かりを灯すことで、死後の世界に戻るご先祖様を送る意味が込められています。

お盆の時期が近づくと石川県ではスーパーにキリコが売り出され、絵柄の入ったものから念仏の書かれたものまで、様々なタイプのものが購入できるそうです。

また、最近では箱型のものだけでなく「板キリコ」と呼ばれる板一枚で作られたキリコも販売されるようになり、手軽でかさばらないことから人気があるそうです。

古くからの文化を取り入れつつ、現代に合わせた風習を生み出す、良いアイディアですよね。

【広島】お墓参りには”盆灯篭”が欠かせない?!

広島県西部には、青・黄色・赤などのカラフルな原色の和紙を使った「盆灯篭」と呼ばれる飾り物を墓前に立てる風習があります。

初盆の場合のみ真っ白な盆灯篭を用意します。盆灯篭は六角形になっており、それぞれの面に色紙が貼られていますが、下の面は切り離されて、風のある日はひらひらとたなびきます。

これは雨が降ったときに水が溜まらないようにするための工夫です。
お盆の時期には、この盆灯篭が墓地に一斉に飾られて華やかな雰囲気になります。

元々は浄土真宗の門徒が広めたものとされ、江戸時代の終わり頃には定着していたようです。
現在は宗派に関係なく広まり、広島の伝統的な行事となっています。
石川のキリコと同じく、この盆灯篭もお盆の時期になると店頭に売り出されるようになります。

【宮崎】お墓参り後、自宅までロウソクの灯を消してはいけない?!

お墓参りが一通り終わった後、墓前で松明などを燃やし、その火をロウソクに移して自宅まで帰るという風習が残る地域があります。

宮崎もそのひとつで、火を消さないように戻ることで、ご先祖様を家まで案内するという意味が込められています。お盆の期間中は家の中でこのロウソクを灯し続け、盆明けの時期に再び墓前まで持っていくことで送り火とし、ご先祖様を再びあの世まで送り帰します。

何か特別な道具や品物を利用するわけではありませんが、とても厳かな気分にさせられる風習です。

まとめ

今回は全国6箇所の地域でのお墓参りの風習についてご紹介しました。
意外に思うような風習でも、その中に込められた意味を知ると「ご先祖様を供養する」ということには変わりないと感じられたのではないでしょうか。

現代では、こういった土地ごとの風習は簡略化され、失われつつあるものも多いそうです。
ご先祖様を尊ぶ気持ちを忘れずに、素敵な伝統をこれからも残して、後世に繋いでいけたらいいですね。

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