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「牛嶋神社祭礼」歴史に深き牛に囲まれた神社|観光経済新聞

2021/1/1
2021/1/26
「牛嶋神社祭礼」歴史に深き牛に囲まれた神社|観光経済新聞

2019年からスタートした、観光経済新聞のオマツリジャパンコラム記事連載!2020年も「お祭り」をフックに、旅に出たくなる記事の連載をして参ります!奇祭好き、ケンカ祭り好き、お神輿好き…等、様々なライターさんに記事を執筆いただく予定ですので、ぜひご覧ください♪(オマツリジャパン編集部)

歴史に深き牛に囲まれた神社

 東京で初詣というと浅草寺が有名なのかもしれないが、隅田川を挟んだ対岸にもにぎわいを見せる神社がある。牛嶋神社だ。ここは本所(墨田区南部)の総鎮守として知られ、古くから地元の人の信仰が厚い。特に令和3年は丑年ということで、“牛嶋”の縁起にあずかって多くの人がお正月に参拝するのではないだろうか。ところで、お正月に盛り上がるのはもちろんなのだが、牛嶋神社が最もにぎわいを見せる時期がある。9月の祭礼の時だ。

 牛嶋神社の歴史は古い。貞観2年(860年)に創建と伝わり、遣唐使を経た慈覚大師(円仁)のご神託によって創られたという。ご祭神は須佐之男命(神仏習合時は牛頭天王と同一とされた)、というところからも神秘や力強さを感じられる神社ではないだろうか。その独特さは境内からも感じられる。まず目に入ってくるのは牛である。なんとお出迎えしてくれるのは狛犬ならぬ“狛牛”。さらに撫牛(なでうし)という、その名の通り撫でると福をもらえる牛の石像までいて、まさに牛のご利益をいただける神社だ。

 この境内が盛り上がりを見せる、9月の祭礼。お祭りの日は本所中でお神輿(みこし)が担がれ、その掛け声とお囃子(はやし)の音でにぎやかになる。各町会が競い合うように音を出し、お神輿を担ぐ様子からは、この上ない活気を感じられることだろう。また5年に1度の本祭の時には、黒牛が登場。牛が引く牛車を中心とした古式行列は見ものだ。さらにお神輿が一列に連なり、牛嶋神社へと宮入に進む様子は圧巻。その際、女性による木遣りの声に包まれる沿道は、他にはない空気を感じられるだろう。変わり種だと、東京スカイツリーとお神輿の競演も本所ならでは見られる美しい場面だ。

 古式豊かな面もあり、また江戸から続く活気を感じられる牛嶋神社の祭礼。神社の近くには、江戸の食に舌鼓を打てるお店も多い。鰻(うなぎ)にどじょうに蕎麦(そば)なんかはどうだろうか。初詣やお祭りに合わせて、ぜひ本所で江戸の味に浸ってもらいたい。

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