「私、今年本厄なんだ。」「私は前厄だからお祓いに行かなくちゃ。」日常でこんな会話を聞くことがありますが、そもそも「厄」とは何でしょうか?
「厄」は、「苦しみや災い」を意味します。今年は新型コロナウイルスが流行し、まさに災厄の年と言えます。多くの人に影響を与える疫病の流行も厄ですし、個人が一定の年齢になったらむかえる厄年も厄です。この記事では、よく耳にする厄除けと厄払いの違いを解説します。また、こんなご時世で厄除けに行けない方のために、オンライン厄除けを提供している寺院もあわせてご紹介します。
■厄除けと厄払い
厄除けと厄払いは同じように思われがちですが、実は次のような違いがあります。
厄除けとは
厄除けとは、厄が寄り付かないようにお寺でご祈祷してもらうことを言います。
日本には、厄除け大師と呼ばれるお寺が多数あり、厄除けしたい多くの人が足を運びます。川崎大師や佐野厄除け大師、西新井大師など、大師と名の付くお寺は、基本的に厄除けの護摩祈祷(ごまきとう)を受けられます。それ以外のお寺でも、厄除けをしてくれる所はたくさん存在します。
厄払いとは
厄払いとは、自分の中の災厄を祓うために神社でご祈祷してもらうことを言います。
神道にのっとって邪気を祓うためのお祓いが厄払いで、これからの人生を災厄なく安泰に過ごすために祈願することを指します。
厄除けと厄払いの違い
・場所の違い
厄を除くための祈祷は、お寺でも神社でも受けることができますが、厄除けはお寺で受けるもの、厄払いは神社で受けるものというのが一般的です。
・意味の違い
厄除けは、悪いものが寄ってくることを防ぐ予防の意味があります。
一方、厄払いは、今降りかかっている厄を除く、悪いものを追い払う意味があります。
・儀式の違い
お寺での厄除けは、多くが護摩祈祷です。
薪を人間の煩悩と考え、そこに大導師が火をつけることによって煩悩を焼き清めます。
護摩修行が終わると、ご本尊の分身である護摩札が渡されます。
神社での厄払いは、宮司や神職が幣(ぬさ)を振り、祝詞(のりと)を読み上げ、神道のしきたりにのっとったお祓いが行われます。幣が振られている間は、こうべを垂れて、祝詞の内容を熱心に聞くようにします。
■オンライン厄除けもおすすめ
厄除けに行きたいと思っても、コロナで外出自粛や県境を越えての移動が制限されている昨今では、それもままならない状況です。そんな方々に、オンラインで厄除けを提供してくれるお寺をご紹介します。
インターネット供養寺「恩羅院」
1件目は、その名も「恩羅院(おんらいん)」というバーチャルのお寺です。
寺院で行う全てをウェブ上で実現してくれます。
・WEB仏壇
ネット上に仏壇を持つことで、PC、スマートフォンから故人や先祖の供養ができます。
・WEB供養、WEB祈願
修行を積んだ僧侶が供養や祈願をし、その様子が生中継で配信されます。
厄除けは、WEB祈願として受け付けてもらえます。
実際に祈願を受けた人の感想として、「どこかへ出向く必要がない」、「時間の融通が効く」、「目の前で供養をしてくれるのが画面を通して確認できる」とその効率性を喜ぶ声が聞かれます。
●恩羅院 公式サイト
Zoomとスマホを使った厄除祈願「関善光寺」
岐阜県にある関善光寺(せきぜんこうじ)では、コロナウイルス対策として、Zoomとスマホを使った自宅で受けられる祈願を受け付けています。もちろん、厄年の方向けの厄除け祈願にも対応してもらえます。
手順としては、まず、寺のホームページにある問い合わせフォームに必要事項を入力・送信します。Zoomなどのオンラインツールに対応しているので、依頼者のツールを連絡します。祈願料は、銀行振込でOKです。祈願の内容を寺と依頼者とで確認し合い、当日の祈願となります。祈願の様子は、オンラインで視聴できます。
ここは、バーチャルな寺院ではなく実在する寺ですので、実際に足を運んで祈願を受けることもできます。
●関善光寺 公式サイト
■まとめ
厄年とは、厄難にあいやすい年齢であり、全てにおいて慎んで過ごさなければならない年齢だと言われています。厄年という概念は、中国から伝わった外来思想が元になっているとも言われており、日本ではいにしえの頃より広く周知されていました。厄年になったら、神社仏閣で厄除け、厄払いを受けて気持ちを新たにしてみませんか?もちろんオンラインで受けてもご利益は変わりません。