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明日を照らす希望のひかり~日本の花火 そして大曲の矜持~【花火ドキュメンタリー映像紹介】

明日を照らす希望のひかり~日本の花火 そして大曲の矜持~【花火ドキュメンタリー映像紹介】

このドキュメンタリー映像はCNA秋田ケーブルテレビで放送された内容になり、少しでも多くの人に見て欲しいとの思いによりオマツリジャパンにも動画が提供される事になりました。

コロナ禍により全国の花火大会が中止になる中、第94回 全国花火競技大会 大曲の花火も中止が決まる所から始まります。全国から選ばれた28社の花火業者が内閣総理大臣賞を賭けて競い合う日本最高峰の競技大会。知名度抜群であり、毎年70万人もの観客が訪れる花火大会です。

今年の花火業界は壊滅的なダメージを受け、大曲の花火会社の一つである響屋大曲煙火は前年比約6%の売り上げと花火業界を取り巻く過酷な現実が紹介されます。そんな中、NPO法人大曲花火倶楽部が日本花火鑑賞士会と連動して日本の花火を愛する会を結成し、日本の花火「エール」プロジェクトが動き出します。悪疫退散、医療従事者への感謝などの理由もありますが、一番の目的は「花火業界の応援」としてクラウドファンディングを実施。最終的には1,700万円ほどが集まり、花火業者81社に割り振られました。

資金の活用方法としては、決められた日に全国各地で一斉に花火を打ち上げる一大プロジェクト。打ち上げ場所が用意できない煙火店は、大曲に花火を送って代わりに打ち上げて貰う事も可能です。81社ともなると1社あたりの金額はわずかになってしまいますが、それでも火薬庫に眠る花火を減らせれば花火師にとっては新たな花火を作る切っ掛けにもなります。

大曲では6月になると少しずつ花火大会に対する要望も増え、3月に行われる筈だった大曲の花火 冬の章である新作花火コレクションの花火を毎週土曜日に10分間、5回に分けて実施。7月には花火通り商店街七夕花火と少しずつ花火を打ち上げられる環境が増え、明るい兆しが見えてきます。

そして8月22日、日本の花火「エール」プロジェクト本番日。全国で打ち上がる花火はどの様な姿をみせるのか…。特にクラウドファンディングで支援した人に見て貰いたい内容となっています。

ドキュメンタリー本編

【出演者1】響屋大曲煙火 齋藤健太郎さん

響屋大曲煙火株式会社 五代目にあたる。秋田県認定工芸士の一人。響屋大曲煙火は2017年に兄の新山良洋氏が経営する大曲花火化学工業と弟の齋藤健太郎氏が経営する響屋が合併して現在の社名となった。創業は1894年(明治27年)と古く、大曲を代表する煙火店の一つである。

昨年2019年の全国花火競技大会 大曲の花火では10号玉自由玉の部で準優勝を獲得。地元、秋田県を中心に近年では北海道でも多くの花火大会を手掛けており、個人的には秋田県の煙火店では最も勢いのある煙火店と見ている。

ドキュメンタリーでは全編を通して響屋大曲煙火にスポットを当てている。「伝統と革新」を信念に会社経営を行っているが、このコロナ禍ではどの様に変わっていくのか。花火業界の今として紹介されている。

【出演者2】小松煙火工業 小松忠信さん

株式会社小松煙火工業 五代目にあたり、株式会社花火創造企業  代表取締役、一般社団法人日本花火推進協力会  理事を兼任。大曲商工会議所 副会頭。

2013年に開催された、第87回 全国花火競技大会 大曲の花火では国内最高峰の賞である内閣総理大臣賞を受賞。他にも全国各地の花火競技大会において優秀な成績を収めている。

地元である大曲を大切に思い、各地のイベントで秋田県のPR活動にも出向く。花火ファンにも気軽に笑顔で接してくれ、記念撮影などファンサービスにも応じてくれることも…。

ドキュメンタリー本編では、もう1つの花火会社としての出演。日本の花火「エール」プロジェクトの活動にも携わっている為、花火師側と支援者側の両方でもある。

【出演者3】花火研究家 小西亨一郎さん

NPO法人大曲花火倶楽部  副会長。カネトク卸総合センター株式会社 代表取締役社長。ワインや日本酒などを販売するカネトク酒市場を営んでいる。一方、店内では花火ライブラリー事業として花火Tシャツやカレンダー、火薬豆など花火に関するグッズも販売しており、新しい商品の企画・開発にも注力している。

花火大会ではアナウンスや実況中継、競技大会の審査員なども行い、精力的に日本の花火の良さを広める仕掛人。独特の花火解説で県外にファンも多く、小西さんに会う為に大曲に訪れる人も…。

ドキュメンタリー本編では花火研究家として、大曲の花火についての成り立ち、花火業界の現在・将来を解説している。また、日本の花火「エール」プロジェクト発起人のメンバーでもある。

日本の花火「エール」プロジェクトを終えて

エールプロジェクトは花火業者を支援するという当初の目的を果たし、倉庫に眠る花火玉を減らす事もできました。また、この日本の花火「エール」プロジェクトによって、世間に状況さえ整えれば花火を打ち上げても良いと言う風潮を作り出せたことは大きな成果です。

その一方で多くの課題を残した企画でもあったと思われます。初めての試みだったので仕方ない部分もあったと思いますが、支援者の中には大曲が自分達の地域で花火を打ち上げたいからクラウドファンディングを行ったと考えている人もいた様です。他の地域とは違い、市の予算もあったりと、ここ最近では週末には必ずと言ってもいいほど花火を打ち上げている大曲なので、クラウドファンディングに頼らずとも花火を打ち上げられる現状を説明し、地元の為ではなく花火業者に支援する為と目的を強調した方が分かりやすかったかもしれません。

また、支援した人の中には実際にエールプロジェクトの花火を見たい為に応援した人が多かったと思われます。コロナ禍で情報が洩れるのを防ぐ必要があったものの、支援者のサポートを受けて花火の打ち上げができた訳であり、各地域で打ち上がる花火情報の解禁とはいかなくても、せめてもっと早く大曲で一番盛大に花火が打ち上がる事を伝え、訪れる選択肢を与えてあげるべきだったのではないでしょうか。自らの支援と一番良い花火を見る権利が切り離されてしまった事実は支援者としてはきっと納得いかなかったと思われますので、次回以降はリターンと情報発信の課題を解消し、より価値のあるプロジェクトとなることを期待しています。

まだまだコロナ禍が完全に終息する見通しは見えませんが、花火業界には何とかこの苦境を乗り切って貰い、また素晴らしい花火達を見せて欲しいものです。

蛭田 眞志(ひるてぃ)
この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
花火専門カメラマン&花火専門ライターです。
日本の良質な花火文化を後世に残すために記録し、花火に携わる人達を応援しています!

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