佐賀県唐津市呼子町のお祭り「呼子くんち」が10月16日に開催される。「呼子くんち」が開催されるのは平成元年以来約30年振りで、クラウドファンディングを通しての支援を呼びかけている。
「呼子くんち」は、250年以上前の鯨組主の屋敷から祭りの舞台へと向けて、創作和紙の鯨曳山(鯨の飾り物を載せた山車)を繰り出すお祭り。九州地方では、秋祭りのことを「おくんち」と呼んでいる。呼子町は、江戸時代は鯨漁が盛んな港町だった。250年以上前の鯨組主の中尾家屋敷は、現在観光名所として公開されている。
1778年に、鯨組三代目の中尾甚六が長崎くんちの出し物として鯨の山車を提案したことが「呼子くんち」の起源となっている。7年に一度のペースで行われ、「呼子くんち」が開催される度に山車を制作していた。太平洋戦争を境に、開催頻度が減っていき、平成元年以来「呼子くんち」が開催されていなかった。
人口減少や高齢化など地域社会を取り巻く状況が大きく変化する中で、呼子町も若者が流出しつつあり、2006年から2020年の間で人口が3減となっている。呼子の課題を解決するきっかけをつくり、「呼子の歴史」を未来へとつないでいくことを目的として、「呼子くんち」の復興を目指すことになった。
「呼子の出身者をはじめ、呼子の自然、昔ながらの雰囲気を残す町並みや朝市、そこで育まれた食文化などの魅力に、私たちの想いにご賛同くださる方々と祭りを興し、一緒に呼子の社会課題の解決を目指していただきたい」という考えからクラウドファンディングも実施している。返礼品には、「呼子くんち」の開催までの映像を見ることができる「ドキュメント映像限定配信コース」(1万円)、遊覧船乗船券や松浦漬などが手に入る「松浦漬+乗船券コース」(3万円)などを用意する。
クラウドファンディングは6月30日まで。
「呼子くんち」を復興し、鯨の曳山で地域に誇りと活力をとりもどす
<呼子くんち概要>
会場:佐賀県唐津市呼子 中尾家屋敷〜朝市通り〜台場
日程:2022年10月16日(日) 16:00〜19:00予定(日中は子どもらによる曳山を実施)
<クラウドファンディング詳細>
第一目標金額:700万円
支援募集期間:5月20日(金)10時〜6月30日(木)23時