福米沢送り盆行事
『福米沢の送り盆』は、本町福米沢に伝わる独特の仏送りで、約300年の歴史を持つ伝統行事です。秋田県の無形民俗文化財に指定されており、念仏行事として旧盆の8月16日に開催されます。
午後3時過ぎになると、各家庭から盆仏を挟んだ藁松明と盆棚に飾った五色の旗を持つ人が墓所に集まってきます。2か所ある福米沢の墓所で藁松明に火がつけられ、若者たちが太鼓や笛の演奏をしながら火の周りを3回まわります。焼き終わると一行はもう一箇所の墓地を目指します。その道中、この1年間で亡くなった方がいるお家(新精霊ネジョレ・新盆の お家)をまわって歩きます。
その後、行列が村に返ろうとすると、道中で別の若者たちがハシゴで墓地からの行列を止めようとします。この「はしどめ」という押し合いは、精霊を家に戻さないという意味を持っています。
「はしどめ」で激しくもみ合う若者たちはそのまま集落の広場へと移動し、いつしかそこで盆踊りが始まり、会場は賑わいます。