年間30万近いといわれる多彩な祭りが行われている日本。比較的歴史は浅いものの発展し続けている「よさこい祭り」は、本場高知だけでなく全国各地で開催されています。
この記事では、よさこい祭り(高知県高知市)、YOSAKOIソーラン祭り(北海道札幌市)、にっぽんど真ん中祭り(愛知県名古屋市)の、一般的に日本三大よさこい祭りと称される3つの祭りについてご紹介。2023年の開催内容もまとめましたので、ぜひお出かけのご参考になさってください。
(この記事は2022年に公開されたものを再編集しています。2023年8月10日 編集部更新)
よさこい祭りは、昭和29年(1954年)に、戦後で経済が落ち込む時期、「徳島の阿波踊りに負けない、もっと面白くて商店街が活気づくものを」という思いから、高知商工会議所が中心となって始まりました。
第1回の参加人数は750人、参加団体は21団体。その後、回を重ねるごとに発展し、今では踊り子の人数が2万人にものぼる大きなお祭りとなっています。
よさこい祭りは、基本的な大きな2つのルールを守れば、いろいろなアレンジで楽しむことができます。
まず一つ目は、鳴子を持って踊ること。二つ目は、高知の民謡よさこい節のフレーズを必ず踊る曲に織り込むことです。しかしこのルールも絶対ではなく、各地域で独自のルールに進化しています。例えば、北海道のYOSAKOIソーラン祭りは高知のよさこい節ではなく、地域のソーラン節を使うことがルールになっていたり、鳴子を持つか持たないかも議論されています。
下記の記事では、よさこい祭りの由来や魅力をさらに詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
よさこいを楽しむうえで知っておきたいのが、ストリートとステージ、それぞれの演舞の違いです。
ストリート演舞では、踊り子たちが封鎖した道路や商店街などを舞台にして、地方車(じかたしゃ)を先頭にパレード形式で練り歩きます。単純に踊るだけでなく、フォーメーションを変えたり、振り付けを変えながら進みます。沿道の観覧者との距離も近く、踊り子と観覧者の一体感が魅力です。
公園や大通りを会場に、特設した舞台で行うステージ演舞は、ライトアップや生演奏、旗を使ったパフォーマンスなど迫力満点。演舞全体を観ることができるのはステージ演舞ならではといえるでしょう。
ここまでよさこい祭りの歴史やルール、ストリート演舞とステージ演舞の違いを簡単に解説しました。次は、日本三大よさこい祭りである「よさこい祭り」、「YOSAKOIソーラン祭り」、「にっぽんど真ん中祭り」の内容などをご紹介します。
高知県の夏の風物詩「よさこい祭り」は、よさこい発祥の地・高知市で、毎年8月9日(前夜祭)、10日~11日(本番2日)、12日(後夜祭・全国大会)の4日間、開催されます。会場は、高知市内16か所の競演場・演舞場。企業や学生、商店街や地域のチーム、よさこい好きを集めた県外チームなど約190ものチーム、2万人の踊り子が参加します。
見どころは各チームのオリジナリティ溢れる衣装や音楽、振り付けです。エネルギッシュな演舞を観ようと多くの観覧者で街中が賑わいます。
また、チームの顔ともいえる地方車(じかたしゃ)も「よさこい祭り」で忘れてはならない一つ。踊り子たちの先頭を走る地方車は、観覧者に各チームの登場を知らせるとともに、音楽やド派手な装飾で演舞を盛り上げる役割もあります。
華やかな地方車、彩り豊かで個性溢れる踊り子、そしてそれを一緒に楽しむ観覧者、祭り一色に包まれるその様子は、土佐のカーニバルとも称されています。
「第70回よさこい祭り」(2023年)は、4年ぶりの通常開催となります!
8月9日に前夜祭、10日~11日が本番、12日に後夜祭と全国大会が行われます。オマツリジャパンでは、台風にも負けず熱くスタートした前夜祭の模様をさっそく速報レポートしていますのでぜひご覧ください。
【開催概要】
日時:2023年8月 10日(木)、11 日(金) 両日 10:00~21:30(左記時間内、各会場で演舞)
場所:高知大学演舞場(事前登録チーム)/帯屋町演舞場/中央公園競演場/上町、升形地域、万々、愛宕、菜園場、梅ノ辻、はりまや橋(以上 競演場)、旭、京町、秦、高知城、高知駅前(以上 演舞場)/追手筋本部競演場/柳町演舞場(地元チーム限定※11日のみ)
※詳細と最新情報は、よさこい祭り公式サイトでご確認ください。
高知・関東で活動する、「國士舞双(こくしむそう)」代表 森田氏へのインタビューもぜひご覧ください。
YOSAKOIソーラン祭りは、1992年からスタートし、毎年6月初旬に開催される北海道の初夏の風物詩。例年、全国から約270チーム、2,700人ほどが参加し、観客数約200万人の動員を誇ります。
ルーツは高知県の「よさこい祭り」。そのよさこい祭りの「鳴子」と北海道の民謡「ソーラン節」をミックスして誕生したのが「YOSAKOIソーラン祭り」です。
「鳴子」を持って踊ること、曲にソーラン節のフレーズを入れること、この2つのルールだけで、踊りも曲も自由。札幌市内の約25の会場を移動し、自分たちの創り上げた演舞を披露します。
市内の中心部である大通公園での全長500メートルにもおよぶパレード、大通公園8丁目会場に特設されているステージでの演舞、それぞれ鳴子を手にした踊り子たちがソーラン節のメロディに合わせて躍動する様子は観るものを魅了します。
2020年はオンライン開催、2021年は中止、2022年は3年ぶりに通常開催となり、2023年は踊り子のマスク着用ルールも撤廃されて「笑顔のYOSAKOIソーラン祭り」が完全復活。開催場所のなかにも13年ぶりに復活する会場があったり、審査に「地域貢献点」の導入が行われたりと新たな注目ポイントも多い祭りとなりました。来年、2024年についてはまだアナウンスはありませんが、開催が楽しみですね。
【開催概要】
日程:2023年6月7日(水)~6月11日(日)
場所:大通公園西8丁目会場、大通南北パレード会場ほか、北海道札幌市内の計13会場
※詳細と最新情報は、YOSAKOIソーラン祭り公式サイトでご確認ください。
今年、見事にYOSAKOIソーラン大賞に輝いた「REDA舞神楽」岡元邦治氏へのインタビューもぜひご覧ください!
“どまつり”の愛称で知られる、「にっぽんど真ん中祭り」は、踊りで感動を伝えたいという発想から名古屋の学生が中心となってはじめた、日本のど真ん中である名古屋を舞台に繰り広げられる市民参加型のお祭りです。
毎年8月下旬に開催され、国内外から約200チーム、20,000人が集結し、地域色豊かな踊りを披露します。4日間の来場者数は約200万人を数え、名古屋の街をお祭り一色にします。
高知県「よさこい祭り」と北海道「YOSAKOIソーラン祭り」と同様に踊りの曲の中に、地元の民謡を入れることをルールとし、日本や名古屋の文化に縛られることなく、参加するチームのそれぞれの地域文化を掘り起こし、オリジナリティのある演舞が魅力です。
使用する曲は、地元の民謡の一節を取り入れること以外はまったくの自由。民謡のフレーズを取り上げながら、ヒップホップやジャズなどさまざまにアレンジされた音楽で祭りを盛り上げます。
参加者も観客も一緒に踊りが楽しめる「総踊り」では、2010年にギネス世界記録™「世界一の総踊り」として認定されました。観るだけではなく、誰もが祭りに参加できることも「にっぽんど真ん中祭り」の魅力の一つです。
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2023年「にっぽんど真ん中祭り」は、「あなたのキャンバスに描く夢」をキャッチフレーズに、8月末の市街地開催、11月末のオンライン×リアル開催でのべ7日に渡っての開催となります。
【開催概要】
日時と内容/会場
<市街地開催>
2023年8月25日(金)17:00~21:00 前夜祭/久屋⼤通公園を中⼼に名古屋市内各所
2023年8月26日(土)9:00~21:00 本祭1日目/久屋大通公園を中心に愛知県内各所
2023年8月27日(日)9:00~21:00 本祭2日目/久屋大通公園を中心に愛知県内各所
<オンライン×リアル開催>
2023年11月23日(⽊・祝)9:00~22:00 テレどまつり1次審査 他/オンライン開催
2023年11月24日(金) 9:00~22:00 テレどまつり1次審査 他/オンライン開催
2023年11月25日(土) 9:00〜19:00 テレどまつりセミファイナル、テレどまつりファイナルコンテスト/愛・地球博記念公園
2023年11月26日(日) 9:00〜19:00 テレどまつりエキシビション、どまつりグランプリファイナル /愛・地球博記念公園
※詳細と最新情報は、にっぽんど真ん中祭り公式サイトでご確認ください。
よさこい祭りは、日本三大よさこい祭り以外にも全国各地で開催されています。
・YOSAKOIさせぼ祭り(長崎県佐世保市)
・みちのくYOSAKOIまつり(宮城県仙台市)
・泉州YOSAKOI ゑぇじゃないか祭り(大阪府泉佐野市)
・原宿表参道元氣祭スーパーよさこい(東京都渋谷区)
ここに挙げたよさこい祭りはほんの一部。全国各地それこそ47都道府県のほぼすべてでよさこいが踊られるお祭りがあります。お住まいの近くでもよさこい踊りが観られるかもしれませんので、ぜひ探してみてください。
原宿表参道元氣祭スーパーよさこいを拠点とする「天空しなと屋 しん」ディレクター井上氏のインタビュー記事はこちら。
よさこい祭りは、高知県で生まれ、北海道のYOSAKOIソーラン祭りを皮切りに2000年代にかけてYOSAKOIとして全国各地に広がることとなりました。それぞれ独自のルールがありながらも、各チームがそれぞれ個性のある衣装や曲、振付を披露し、踊り子・観覧者が一緒に楽しむことのできる祭りです。
今回紹介した日本三大よさこい祭りだけでなく、全国各地で開催されているよさこい祭り。お住まいの地域の近場のお祭りに足をのばして体感してみませんか。そして機会があれば、日本三大よさこい祭りにも参加してみてはいかがでしょうか。