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天空しなと屋、井上昇氏インタビュー〈前編〉活動の道のり、よさこいを通じて伝えたいこととは?

マツコ
2022/1/17
2024/3/7
天空しなと屋、井上昇氏インタビュー〈前編〉活動の道のり、よさこいを通じて伝えたいこととは?

オマツリジャパンでは、「よさこい」をフィーチャーし、魅力あふれるよさこいチームをご紹介していきます。第一弾となるこの記事では、全国各地のチームをプロデュースし、セルフプロデュースチームも多数持つ「天空しなと屋」ディレクター・井上昇氏のインタビューを前後編に分けてお届けします。

前編では、天空しなと屋がよさこいのプロデュースを行うようになったきっかけや演出へのこだわり、セルフプロデュースチームの代表的な存在である「天空しなと屋しん」の成長とその拠点である原宿表参道元氣祭スーパーよさこいの魅力、そしてよさこいの楽しさをお伝えします。

「天空しなと屋、井上昇氏インタビュー〈後編〉」

全国各地のよさこいをプロデュース!天空しなと屋とは?

天空しなと屋ディレクター 井上氏天空しなと屋ディレクター 井上氏

日本各地の踊りを通じて文化のバトンを次世代へつなげるクリエーターであり、日本、そして世界からの踊り子集団である天空しなと屋は、子供の頃からよさこいを踊り、高校生の頃には企業チームの振り付けを担当するなど、よさこい界で活躍していた中村信幸さんと、高知で大学時代によさこいに出会い、高知のダンススタジオで制作も担当していた井上昇さんとが中心となり、2009年に発足。日本各地のよさこいチームをプロデュースし、2019年には全国約30チームの作品制作に携わるプロデュース集団に成長を遂げました。また、天空しなと屋は「セルフプロデュースチーム」と呼ばれる関連チームを複数抱え、それぞれが多くの人々を魅了しています。有名アーティストや異なったジャンルとのコラボ、海外での演舞やプロデュース実績も多数あり、世界的な活動でよさこい界をリードする存在です。

1954年に高知ではじまった「よさこい祭り」は様々な文化とまじりあい、融合し、発展していきました。その多様性を大切に創造活動を行い、自らを「日本中・世界中からの参加者一人一人が主役となり、手を繋いでいける空間、作品、舞台を創ることを得意とする集団と、踊り子たち。」と称する天空しなと屋。その魅力に迫りたいと思います。

―――天空しなと屋はどのような思いでよさこいチームのプロデュースをはじめられたのでしょうか?

「(よさこい以外の)お祭りの中で第三者がチームをプロデュースするというのはとても珍しいことだと思います。各地によさこいが広がり、踊りの好きな人たちが集まる中で、こういう作品が作りたいという思いがあるが、まだ自分たちでは作れないとか、憧れをどう実現していけばいいのだろう、と言うような気持ちをもった方が全国にたくさんいらっしゃいました。
皆様のそういう声にお応えする形で、プロデュースの集団として活動をはじめました。」

―――プロデュースするにあたり、大切にしているのはどんなことですか?

「チームの代表の方にどういう作品にしたいか、譲れない点などをヒアリングシートなどを使ってお聞きして、実情に合ったプロデュースをしていきます。

舞台での表現が特に注目される北海道のYOSAKOIソーラン祭りや、ストリートで前に進んでいく高知のよさこい祭りなど、それぞれの祭りのカラーを生かし、また各地の文化を取り入れて発展してきたよさこいの地域性を大切に意識してプロデュースをし、2019年には年間で全国約30チームの作品制作にかかわらせていただくようになったのです。」

最初のセルフプロデュースチーム、天空しなと屋しん

年間約30チームもの作品制作にかかわってきた天空しなと屋が、最初にセルフプロデュースを行った「天空しなと屋しん」。このチームは井上昇さんが代表を務め、東京の原宿表参道を拠点として活動を行っています。大人数で大きなエネルギーを分かち合うチームで、原宿表参道元氣祭スーパーよさこいで高知県外のチームとして唯一の大賞受賞チームでもあります。

―――数々のよさこいチームをプロデュースされてきた天空しなと屋ですが、「天空しなと屋しん」はどのように生まれたのでしょうか?

「各チームの状況に合わせてプロデュースするのとは別の形で、条件を一切考えずに自分たちがやりたいように、好きなようにチームを作ることを実験的にやってみたセルフプロデュースの最初のチームが2010年に結成した天空しなと屋しんです。」

天空しなと屋 演舞 空壱2010年「空壱」

―――なぜ表参道を拠点にされたのですか?

「このチームは、東京のどまんなか、原宿から元気を届けたいという思いで2001年から開催されている原宿表参道元氣祭スーパーよさこいを拠点として活動をはじめました。

東京は外から来た人が集まっている場所、だから自由にできる度量がある、『しん』というチームのコンセプトに合っていました。自分たちの夢をかなえたり、やりたいことをやるのにふさわしかったのです。」

天空しなと屋 しん2021年 マスク姿での演舞。青空のもと有観客で行われた

―――最初は何人位で始められたのですか?

「最初は40人位でしたが、徐々に参加希望が増えて、現在は140人程で活動を行っています。平均年齢は約28歳、最年長は50歳代。男性が全体の二割程で、首都圏から集まってくださっています。

地域のお祭りで後継者、担い手がいないと言われる中、よさこいは学生など、自発的に踊り手として参加したいと言ってくださる方が増えている、ありがたいことです。自分が踊りを見て感動したから、今度は届ける側にまわりたいという若い子たちがどんどん『しん』に集まってくれています。」

―――動画を見せていただき、はじけるようなパワーを感じました。詩もとてもドラマティックです。「しん」の魅力はどんなところですか?

「『しん』では、振付師も“この踊りは難しいだろうから踊り子には無理だろう”とかそういうことを一切考えずにやりたいようにやって、踊り子がそれをできるかどうかも自分次第というところで互いに挑戦し、実現していっている、そういった挑戦的なところがしんの魅力です。

また、作品は何か訴えかけたいメッセージがあるから生まれます。よさこいは曲と振付と衣装の三位一体と言われますが、踊り子たちが詩もよく噛み含めて、表現としてすごく楽しんでくれているところも伝わっていると思います。」

「しん」を育てた原宿表参道元氣祭スーパーよさこい

―――原宿表参道元氣祭スーパーよさこいを沿道で応援していると、踊りの躍動感や翻る旗、フラフの迫力、そしてよさこいに参加する皆さんの熱気で、身体が沸き立つような感じになります。東京の人がよさこいの魅力に気づくきっかけになる貴重な場でもある、このお祭りへの思いを教えてください。

「原宿表参道元氣祭スーパーよさこいは、東京のど真ん中のケヤキ並木の大通りを通行止めにして行うもので、非常に発信力のある祭りだと思います。表参道という街が、高知としっかりタッグを組んで、高知側の支援や助言をいただきながら行っていて、地元の方も楽しんでいる。高知側にとっても大きなPRになるし、応援をしてくれていて、とても良い関係が築けているのです。」

―――2013年、「しん」は原宿表参道元氣祭スーパーよさこいで高知県外のチームとして初の大賞を受賞しましたが、どこが評価されたのでしょう?

「高知の方や地元の審査員の方が期待を込めてこの賞をくださったのだと思います。よさこいは変わっていくのが前提でもあるので、若くて勢いのあるチームを応援し、おまんら(お前ら)頑張れ!と激励していただいたことにもとても感謝しています。東京のほかのチームも、高知の人からのエールや希望をもらったように感じたと思います。」

「絆国際チーム」(世界各国)「絆国際チーム」(世界各国)

「葵」(千葉県)「葵」(千葉県)

なるたか(東京都)「なるたか(東京都)」

ストリートで行う祭りならではの魅力、そして天空しなと屋が最も伝えたいこととは?

天空しなと屋 井上氏よさこいの魅力を語る井上氏

―――表参道の祭りはストリートで行う部分と明治神宮の舞台で行う部分があります。お客様に踊りを見ていただき、感動を届けるのは、舞台の上とストリートでは違う大変さと面白さがあると思うのですが?

高知のお祭りと表参道のお祭りは、主にストリートで行う祭りです。高知のお祭りでは、例えば帯屋町と言うメインストリートは600メートルほどのアーケードで、沿道のお客さんがチームをずっとうちわで仰ぎ続けてくれる、頑張れ、頑張れ、良かったよ!って声をかけてくれる。ひたすら声援とうちわが飛んで、めちゃくちゃあたたかい感じがします。お客さんと距離が近く、お祭りを楽しんでいる一体感があるのです。」

―――高知から多くを学ぶ原宿表参道元氣祭スーパーよさこいとともに歩んできた天空しなと屋、踊りを通して最も伝えたいものとは?

「よさこい踊りは、踊っている人が楽しい祭りだと思います。自分たちが素晴らしい表現をできてお客様に元気を届けられると、元気とかエネルギーの交換、キャッチボールが行われる。
演者もお客さんも一つの空間でエネルギー交換、元気の交換ができるところがよさこいの大きな魅力なのです。」

 

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よさこい祭りの熱気が伝わってくるような井上昇さんの言葉、よさこいへの深い愛と祭りの楽しさが伝わってきます。
後編では、様々な特徴あるほかのセルフプロデュースチームの魅力やポストコロナに描くよさこい祭りについてお話を聞いていきます。お楽しみに!!

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