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大安寺のがん封じ笹酒祭り!蔵どころ奈良の日本酒で健康祈願

2022/2/16
2022/2/14
大安寺のがん封じ笹酒祭り!蔵どころ奈良の日本酒で健康祈願

奈良の大安寺で毎年1月23日に行われる「光仁会(こうにんえ)がん封じ笹酒祭り」は、がん封じ・悪病退散のご利益と、蔵どころ奈良の酒が振る舞われることで、大人気のお祭りです。奈良県内でも屈指の人気を誇ります。

がん封じ笹酒祭りは6月も含め年に2回行われますが、1月23日の方が特にご利益が期待できるとして人気があります。

がん封じ笹酒祭りはどんなお祭り?

大安寺のがん封じ笹酒祭りでは、朝8時から「ささ酒」と呼ばれる、ご祈祷を済ませた日本酒が振る舞われます。

例年であれば、ささ酒はお代わり自由。艶やかな着物姿の笹娘が、竹筒からささ酒を振る舞ってくれました。境内中が日本酒の甘い香りに包まれ、参拝者が頬を赤く染める、賑やかで晴れやかな1日です。

しかし2022年は、ささ酒と竹製のおちょこを、ひとり一つずつ頂く方法に変更されました。境内での飲食も取りやめ、自宅でゆっくり味わうよう、ささ酒は容器に入ったものをいただいて帰ります。

参拝順路は一方通行で密を回避

がん封じ笹酒祭りは大混雑必至のお祭りです。そのため密を回避するべく、参拝ルートについても境内でアナウンスが流れます。境内の建物の配置を上手に利用して一方通行で進めるように設定された参拝ルートなので、うまく人が流れていました。

ステップ1:ささ酒をいただく

アルコールによる手指消毒を済ませて門をくぐります。
正面には白い屋根のテントが設置され、笹娘が待機しています。ここで志納料500円を納めると、ささ酒と竹のおちょこをいただけます。

なお本殿の左奥には、志納料3,000円と5,000円のささ酒を頂くためのテントも設置され、多くの方が複数本を求めて、両手いっぱいに持ち帰っておられました。

自宅に帰ってささ酒をいただいてみて、大容量のささ酒を求めなかったことを後悔しました。ささ酒を一口含むと、スッキリ爽やかな口当たりでありながら、フルーティーで豊かな香りが広がります。日本酒好きのみならず、どなたでも飲みやすい素直なお味です。

ステップ2:本殿で参拝

門の正面のテントから左手にそびえるのは本殿です。通常の参拝を希望する人はそのまま本殿に進み、参拝を済ませます。本殿の入口は、半分が特別祈願される方の入口、もう半分は一般参拝の方のお参り口です。

特別祈願の方は、自分の順番が来たら靴を脱いで本殿へ。一般参拝の方は土足のまま本殿の階段を上がって参拝する仕組みです。

ステップ3:御朱印やお守りをいただく

御朱印は、本殿向かって左の寺務所でいただけます。

大安寺は神仏霊場参拝の奈良4番のお寺でもある

また寺務所の隣には白いテントが並び、各種お守りやおみくじ、大きなサイズのささ酒が数種類並んでいます。

がん封じ笹酒祭りが始まる8時より少し前に、お二人の雲水がお見えになり、ささ酒やお守りの授与所を駆け足で巡りながら、般若心経を唱えていらっしゃいました。

ステップ4:屋台を楽しむ

奥にあるのが宝物殿。その周りに屋台が並ぶ

素朴な屋台が並ぶ

本殿の裏手にぐるっと回り込むように歩みを進めると、道なりに並ぶ屋台と宝物殿が見えます。屋台では持ち帰り用の柿の葉寿司や大福もちなどが売られています。買って帰り、ささ酒一緒にご自宅で召し上がるのもいいですね。

宝物殿を左に見て道なりに進むと、大安寺の裏門に到着。一方通行で蜜になることなく参拝できます。

がん封じ笹酒祭りの由来は?

大安寺は聖徳太子の時代に創建された、日本で最も歴史ある寺院のひとつです。

現在の場所から徒歩3分ほどの場所にある大安寺の旧跡

「光仁会」と祭りに名が冠される光仁天皇は、60歳で天皇に即位。日本では最高齢で即位した天皇です。人々が病に苦しまないで過ごせることを願い、悪病退散の祈りを重ねたともいわれています。

そんな光仁天皇は、林の中で紅葉を焼いて起こした火で日本酒を温めて飲むことを好んだ、というエピソードが残っています。これにちなんで始まったのが、がん封じ笹酒祭りです。

お祭りと大安寺をもっと楽しむ方法

大安寺は、健康を願い病を遠ざけるご利益が期待できると同時に、奈良では珍しく竹林が境内の中にある寺院としても知られています。

「いのちの小径」として整備された竹林には、心臓のペースメーカーを埋め込んだ石碑や、乳がん治癒の祈願塚なども配されています。脈々と繋がる命の営みを目の当たりにするような感覚にとらわれつつ心洗われる不思議な空間です。

また境内のあらゆる箇所には、小さなだるまが並んでいます。これはだるまみくじです。だるまみくじは、寺務所のお隣で求めることができます。

そこかしこに並ぶだるまがキュート

だるまみくじは手前の白いテントで頒布されている

だるまの底に込められたおみくじを開いたあとのだるまは、境内に飾っても、持ち帰って祀ってもよいと、大安寺の職員の方が教えてくださいました。

だるまがあちこちで肩を寄せるように集う様子も可愛らしいので、ぜひご覧になってください。

おわりに

大安寺のがん封じ笹酒祭りは、がん封じや病気平癒のご利益と同時に、奈良の美味しい地酒、そして心の平安も期待できる楽しくて温かなお祭りです。

長い歴史の中で一度は建物を失いながらも今の場所に再建され、人々を見守る大安寺のお祭りで、強さと優しさをいただいてみませんか。

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