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相馬野馬追!現代に蘇りし合戦絵巻、円形競技場で行われる超リアル騎馬戦がガチ過ぎる!

2023/2/27
2024/3/4
相馬野馬追!現代に蘇りし合戦絵巻、円形競技場で行われる超リアル騎馬戦がガチ過ぎる!

どうも。奇祭ハンターのMacです。
今回は前々から気になっていた、7月末に行われた「相馬野馬追」をレポート。

実は、古いオマツリを色々と調べていくと、「馬」がメインのオマツリというのが結構あるんです。
ジブリの『ゲド戦記』風に言えば「かつて人と馬はひとつであった」と言うか、神社に奉納される絵馬も、昔は神馬として生きた馬を神様に奉納していた古代の風習からと言うし、近世までの日本社会でそれだけ馬は身近な存在だったのでしょう。

「馬」のオマツリと言うと、全国各所で行われる「流鏑馬神事」を始めとし、ご当地系では、色鮮やかな装束で着飾った100頭の馬と馬主が行進する盛岡のチャグチャグ馬コ、やはり美しく盛装し、鈴や鉦をつけた装束馬を中心に踊る宮崎のジャンカン馬踊り、参道の両脇から銃声が打ち鳴らされる中、御神馬が石段を一気に駆け上る秩父の鉄砲祭りなどが挙げられましょう。

その中でも今回紹介する「相馬野馬追」は、リアルな甲冑をつけた騎馬武者が300騎以上登場するというその規模と迫力から言って、馬系オマツリの中でも最大級のもの。これはもう「馬好き」「武者好き」にはたまりませんよね!

(この記事は2018年に公開されたものを再編集しています。2023年2月27日 編集部更新)

相馬野馬追とは?

そもそも相馬野馬追とはどんなオマツリなんでしょうか?相馬野馬追とは、1000年以上続く由緒正しい祭りで、その起源は、相馬氏の遠祖であるあの平将門が野生馬を放し、敵兵に見立てた軍事演習が原型なんだとか。鎌倉幕府成立後、軍事演習は禁止されるのですが「あくまで神事」という形で存続したそうです。

相馬野馬追は宵乗り(1日目)、本祭り(2日目)、野間懸(最終日)の3日間開催されるのですが、今回は観光客に人気の本祭り(騎馬武者行列甲冑競馬神旗争奪戦)をドドーンとレポート!

実際に甲冑を着た武者が行進し(騎馬武者行列)、
武具をつけたまま古式競馬を行い(甲冑競馬)、
数百騎の騎馬が神旗を取り合う騎馬戦(神旗争奪戦)をくり広げます。

騎馬武者行列(9時30分~)

前置きが長くなり過ぎましたが、早速、行ってみましょう。

実は「相馬馬追い」が行われる開催地は、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故の被災地となった福島県相馬市と南相馬市。

道中、被災の爪痕がまだ生々しく残る無人の民家などを車で通り過ぎ、ようやく現地に着きました。すると……。

競走馬を運搬する馬運車を発見しました。
そして、すでに中身がいない!
ということは……。

いました。
宿舎スペースで騎馬用の馬が待機しています。
武者馬仕様に着飾った馬と写真を撮る何よりのチャンスですね。

そして騎馬武者行列もすでに始まっていました。
甲冑をまとい、太刀を帯し、先祖伝来の旗指物を風になびかせながらの威風堂々たる姿に魅了されまくりです。

公道を通り過ぎた後、各地から集結した武者たちは続々と円形競技場(祭場地)へと集まってきました。
「いざ馳せ参じる」というか、参勤交代のような様相です。

点呼を取って出欠確認(?)した馬は、いったん掃けて丘の上の宿舎へと向かいます。
観覧席を分断するように道程が設置されているので、観覧席からも騎馬武者を間近に見ることができます。

ジャンプ系バトル漫画ではおなじみ、円形競技場(バトルフィールド)の観覧席からの眺めはこんな感じ。
「喰らえ、炎殺黒龍波!」
中2マインドが止・ま・り・ま・せ・ん。

テンションがMAXに上がったところで、
さて、ここからは撮影用に競技場内に降りてレポートしましょう。
(※競技場内の撮影には抽選による「撮影許可証」が必要です。お申込みの詳細はコチラ↓)
http://soma-nomaoi.jp/ryoukin/

門を通り過ぎ、いざ競技場(祭場地)の中へ。

待機中の騎馬武者たち。家紋入りの様々な旗もたなびいています。

馬に乗って競技を行う騎馬武者とは別に、審判役を務める「軍者」や「勘定奉行」が整列していました。

甲冑競馬(正午~)

儀式開始。
軍師の指揮で戦いのファンファーレ(ただし、ほら貝)が鳴らされました。いよいよ「甲冑競馬」の始まりです。

若武者たちが兜を脱いで白鉢巻をしめ、駿足に自信のある馬にまたがり、先祖伝来の旗差物をなびかせながら風を切って疾走します。甲冑競馬は一周1000メートル、十頭立てで10回行われます。

さあ一斉に競争の火ぶたが切って落とされました。この空中に制止した馬脚の美しさよ。

イエス・アイ・キャン!10頭の中から見事、一等を取った武者が思わずガッツポーズ。

「旗がなびいております!」
バサバサと指旗のはためく音、そして鎧や草摺の摺りあう音が渾然となり、砂塵が舞う中を走り抜けます。

神旗争奪戦(13時~)

次はいよいよ13時からの神旗争奪戦です。
競技場の中央にすべての騎馬武者が集結。
その数何と300騎以上!

法螺の合図の後、筒に火薬を詰めて点火し、ズドーンと神旗を発射!

空中に炸裂した花火の中から2本の御神旗がゆっくりと舞い下りると、数百の騎馬は一斉にその方向へと群がり、陣取り合います。
鞭を振りかざしての奪い合いは、抜刀こそないが、まさに戦闘そのもの。こ、これが噂の超リアル騎馬戦(ゴクリ)。

好位置の死守には相当な馬のコントロール技術が要求されるのでしょう。緊張感に耐え切れなくなったのか、主人を置いて馬が逃げ出すという珍事も何度かありました。

見事、御神旗をゲットした武者が帰ってきました。
この時、大声で地区名と名を名乗ります。

その後、勝利した騎馬武者は観覧席の方へと向かい、高々と誇らしげに旗をかかげながら、本陣山の羊腸の坂を一気に駆け上ります。いわゆるウィニング・ランというやつ。最高の誉の瞬間です。中には女傑の武者もいたのが印象的でした。いわゆる女伊達というやつですね。

花火20発・御神旗40本が打ち上げられ、神旗争奪戦が終わりました。騎馬武者たちが帰っていきます。
300騎以上の騎馬武者を、こんな至近距離で観るのは初めての経験でした。アドレナリン上がりまくりです。

今回のオミヤゲジャパン

祭りのライブ感を高める「相馬野馬追い復興タオル」(1500円)
色はご新旗の色にちなんだ赤・青・黄色の3種類。
タオルの売り上げが復興支援にもなっているので、ぜひ!

写真のようにのぼり旗としても使用することができますよ。

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