埼玉県の北西部、秩父地方に位置する横瀬町。西武鉄道池袋駅から80分程で来られる名峰武甲山の麓の街で、フルーツ狩りや温泉、秩父札所三十四ヶ所観音霊場巡りやハイキングなどが人気を集めています。この横瀬町の伝統芸能と冬の魅力を体感できるツアーが「伝統の獅子舞と氷の芸術あしがくぼの氷柱を楽しむツアー!」と題して、2023年2月11日に開催されました。その様子をこちらの記事でご紹介していきます!
ツアーがスタート!参加者のお目当ては?
今回のツアーの舞台は、横瀬町の中央部に位置する芦ヶ久保地区。隣市の秩父と飯能や東京方面を繋ぐ秩父街道が通り、地区南東部にはその難所として知られた正丸峠が存在する場所です。鉄道最寄駅は西武秩父線の芦ヶ久保駅ですが、その目の前にある「道の駅果樹公園あしがくぼ」がツアーの集合場所ということでやってきました!
集合場所の休憩所の中へ入ると、黄色のジャケットが目印の”氷柱お兄さん”がお出迎え。参加者が揃ったところで簡単な自己紹介が行われます。
埼玉県内はもちろんですが、都内や横浜からの参加されている方もいました。中には今回の見どころの一つでもある、獅子舞が大好きと言うお子さまの姿も!他には、「きれいな景色が楽しみで」、「氷柱を一度見てみたかった」と氷柱がお目当てという参加理由もありました。
ここで、ツアー行程をご紹介したいと思います。横瀬の芦ヶ久保地区の自然と伝統を満喫できる半日プランです!
■ツアー行程
14:00 道の駅果樹公園あしがくぼ集合
14:15 あしがくぼの氷柱見学
15:30 芦ヶ久保の獅子舞観覧、体験、演者との交流
17:10 プログラム終了
17:45 あしがくぼの氷柱ライトアップ観覧 ※自由参加
ツアーの流れも分かったところで、まず最初の目的地「あしがくぼの氷柱」を目指しましょう!
秩父三大氷柱の一つ、あしがくぼの氷柱を間近で!
「道の駅果樹公園あしがくぼ」から、あしがくぼの氷柱の会場入口までは歩いてすぐ。氷柱お兄さんが先導し、続いて進めばすぐの到着です!
今回はツアーということで、入場チケットも込みの内容になっています。チケット売り場に並ぶことなく会場へスムーズに入れました。
さあ、あしがくぼの氷柱が目前に!あたり一面に氷柱の景色が広がります。しかもこの日は前夜に降った雪のおかげで、珍しい雪を被った氷柱の姿を見ることができました!
間近で見るとこんな感じ。地面からニョキっと氷の柱が育っています。
さらに奥へと進むと、氷柱の大パノラマがお出迎えしてくれますよ!
斜面に沿って広がる氷柱の世界。これは見応えがありますね。
参加者の皆様も、思い思いに写真を撮っていました。
ここで、荘厳な氷柱の姿を動画でもどうぞ!
今年も横瀬は“あしがくぼ”の氷柱へ。本日は昨日の雪を被り、普段とは違う氷柱の景色を楽しむことができます!#埼玉 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/oVNKacnjna
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) February 11, 2023
西武秩父線沿いに会場があるため、特急ラビューと氷柱の共演を楽しめる瞬間も。一瞬ですが、ここでしか見られない光景は必見です。
会場の最後部まで進み切ると、そこでは甘酒と紅茶のお振舞いが。寒い環境でのこのサービスはありがたいですね!
そしていただいたのがこちら。横瀬産の茶葉を使用した紅茶と、清酒・秩父錦の酒粕を使用した甘酒です!
これは染み渡りますねえ。飲んだら思わず笑顔も出ちゃいそうなところ。
また甘酒に使用されている酒粕や横瀬町内で収穫された原木椎茸の販売も行われていました。こちらも要チェックですね。
さあここからはツアー参加者限定の一般非公開エリアへと潜入していきますよ。こちらからは普段よりも近くから氷柱を楽しむことができました!
ここで氷柱お兄さんが、あしがくぼの氷柱の成り立ちを説明してくれました。氷柱が育つ斜面は夏にはお兄さんが手に持つ画像のような緑が生い茂る場所で、冬に地域の方々がホースから散水して氷柱を作り上げています。この取り組みは、横瀬に冬の見どころをとの想いから2014年に始まったもので、今や「三十槌の氷柱」「尾ノ内百景氷柱」と共に秩父三大氷柱の一つにも数えられているんです。毎年自然を相手に氷柱を作っていくので、年によっては暖かくて苦戦したり、逆に寒波でホースが凍ってしまったりと苦労も多い様子。中には水にかかりながら作業を行うため、ダウンが凍ってしまったこともあるそうですよ。そんな努力の結晶として氷柱が楽しめるのは、ありがたいものですね!
「上の方にホースがあるんです」と説明してくれました。また氷柱の色は育つ過程で変化していくそうで、最初は透明ですが厚みが増していくと青白くなっていくんだとか。この変化を楽しむのも見どころですね。ちなみに高さは最大で30m程にも育つとのことです。
特別な場所からの光景ということで、皆様で写真撮影タイム。最後は全員で集合写真も撮りました!
芦ヶ久保の獅子舞が目の前で勇壮に舞う!
あしがくぼの氷柱を見た後は、会場近くの横瀬町活性化センターへ移動。こちらでは伝統芸能の「芦ヶ久保の獅子舞」が披露されます!
建物の2階に目を移すと、何やら人影が。道化が手を振ってお出迎えしてくれていました!さあ、中へと入っていってみましょう。
獅子舞会場の部屋へと入ると、歓迎ボードがありました。このようなおもてなしがあると嬉しくなりますよね!
伝統の「芦ヶ久保の獅子舞」がスタートする前に、簡単にその説明が行われます。芦ヶ久保の獅子舞は、江戸時代の1752年(宝暦2年)に竜源寺の僧侶により始まったと伝わり、「ササラ」とも呼ばれます。疫病除けや雨乞いのために行われ、今では毎年8月16日に竜源寺と近くの白鬚神社で舞われる獅子舞です。1979年(昭和54年)には、埼玉県の無形民俗文化財にも指定されました。
3頭の獅子と4人の花笠、そして道化の姿をした猿田彦で構成される獅子舞。衣装がカラフルに彩られ綺麗ですね!
サラサラという音を花笠の皆様が鳴らし、獅子舞がスタートです!(”ササラ”という呼び名は、花笠の皆様が持つ竹製の楽器に由来します。)
またお囃子も生演奏で披露されますよ。お祭りの雰囲気が上がってきますね!
赤い顔の獅子舞は、唯一の雌。当時の女性には当たり前だった、お歯黒をしている点も特徴的です。
黒い顔の雄2頭も加わり、3頭揃い踏みで舞われていきます!
この近さで落ち着いて獅子舞を見られるのはツアーならでは。特等席から獅子舞を楽しめます!
猿田彦が観客席を盛り上げにやってきました!
子どもたちに次々にちょっかい(ファンサービス?)を行っていきます。
舞の間には、獅子も太鼓を叩いて魅せますよ!
勇壮に叩き合うシーンも。
またササラの手元はこんな感じ。ギザギザになっているところを擦ることで、サラサラという音が出るのですね!
さあ獅子舞もクライマックス。最後は一列に並んでフィナーレとなりました!
お囃子の音色、獅子舞の動きを感じたい方は、ぜひ動画でもご覧ください!
芦ヶ久保の獅子舞が披露されています!三匹の獅子に道化がアクロバティックに舞う。見応えがありますね!#埼玉 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/u9mUWivNc8
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) February 11, 2023
参加者も獅子舞になれる!?伝統芸能を自ら体験
獅子舞を観覧した後は、なんと自分も獅子舞になれる体験の時間が用意されていました。また獅子舞だけでなく、花笠や楽器にも触れられるということで、参加者の皆様一同興味津々です!
先ほどまで舞われていた3頭の獅子頭もこのように展示され、間近で見ることができます。
花笠もこちらの通り。近くで見ると、細かな装飾がされていることが分かりますね!
さあ獅子舞になってみましょう、ということでまずはお子様から挑戦!うまく被れるでしょうか?
見事、獅子舞の姿になりました!これは嬉しいですね。
女性が務めていた花笠も被れることに。男性もOKとのことで、これはレアな体験かも。
被りなよー、と言っていただき、筆者も獅子舞に挑戦!被ってみると、布に覆われ良く見えないのかと思いきや、案外視界良好で驚きました。とは言え重量のある獅子頭を被って長時間舞われているのは尊敬です。
ササラ鳴らしにも皆様でチャレンジ!サラサラと良い音が鳴らせると快感ですね。
花笠を被りながらササラを鳴らすお子様の姿も。将来は花笠の役を引き継げるかも?
太鼓鳴らし体験も果敢に行っていきます!
最後は全員で記念写真。横瀬の伝統に触れる貴重な体験ができました!
ツアー関連情報・アクセス
あしがくぼの氷柱、芦ヶ久保の獅子舞と2つの内容を堪能し終え、17時10分にツアー終了となりました。ツアー終了時には17時45分から始まる氷柱ライトアップ特別招待券が配られ、希望者は再びあしがくぼの氷柱を楽しめるという嬉しい特典も!日が暮れ夜になると昼間とはまた違った氷柱の姿も味わえますので、こちらもおすすめです。
また芦ヶ久保の獅子舞が毎年8月16日に舞われる白鬚神社が、芦ヶ久保駅から歩いて4分ほどの場所にありますので、こちらもよろしければお立ち寄りください。
■芦ヶ久保駅へのアクセス
・池袋駅より西武池袋・秩父線 特急ラビュー(あしがくぼの氷柱期間臨時列車)で約80分
・西武秩父駅より西武池袋・秩父線各停で約9分
横瀬町の伝統芸能と冬の魅力を体感できるツアー、普段は見ることのできない景色や体験が詰め込まれたツアーです。次に開催される際にはぜひ参加してみてください!