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京都三大奇祭とは?いつ開催?やすらい花、火祭、牛祭って一体どんな祭り?

京都三大奇祭とは?いつ開催?やすらい花、火祭、牛祭って一体どんな祭り?

一千年の歴史と文化が息づく古都・京都。王朝時代の趣を今に伝える雅で華やかなお祭りが一年を通じて行われていますが、中には少し変わったものもあります。特に、

◎今宮神社やすらい祭
◎鞍馬の火祭(由岐神社例祭)
◎太秦の牛祭

この3つの祭りは「京都三大奇祭」「京の三奇祭」といわれることがあります。これらは一体どんなお祭りなのでしょう?この記事では、それぞれの祭りの由来や内容・見どころについてご紹介します。

今宮神社やすらい祭

京都市北区の今宮神社で毎年4月第2日曜日に行われる「やすらい祭」は、疫病を鎮め無病息災を願う春のさきがけの祭りです。京都では4か所で行われ、玄武神社と川上大神宮では今宮神社と同日に、上賀茂神社では京都三大祭りの一つである「葵祭」と同じ毎年5月15日に開催されています。

 

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祭りが始まったのは平安時代の頃。桜が舞い散る季節の変わり目は疫病が流行りやすく、春の精にあおられて飛散するといわれる疫神をお囃子や歌舞によって花傘に宿らせ、今宮神社の神様に鎮めていただくために始まりました。「やすらい」は古くは漢字で「安良居」や「夜須礼」と記され、祭りは別名「やすらい花」「花鎮め」「鎮花祭」とも呼ばれています。

お祭りの当日は、桜や椿などで飾られた風流傘(ふりゅうがさ)と呼ばれる直径約180㎝の花傘を中心に、赤毛・黒毛の大鬼や小鬼に扮した約20名の行列が町内を練り歩き、御幣を奉じて今宮神社へと向かいます。

祭りの見どころは神社境内での「やすらい踊り」です。2組8人の大鬼は大きな輪になり、鉦や太鼓を打ち鳴らしながら時に激しく飛び跳ねるように、時には緩やかに「やすらい花や」の声に合わせ安寧の願いを込めて踊ります。
また、花傘の下に入ると1年間健康に過ごせるといわれているため、参加者はこぞって入ろうとし、一体となって祭りを楽しみます。

2022年の今宮神社やすらい祭は、新型コロナウイルスの影響を受け、町内の練り歩きが中止となり、関係者だけが参加して4月10日(日)に神事のみが行われました。次回2023年は、4月の第2日曜日に通常どおり開催されることに期待しましょう。
詳細や最新情報については、京都観光オフィシャルサイト今宮神社ホームページなどでご確認ください。

鞍馬の火祭(由岐神社例祭)

「鞍馬の火祭」は京都市左京区鞍馬にある由岐神社の例祭で、毎年10月22日、京都三大祭りの一つである「時代祭」と同じ日の夜に行われます。町中でかがり火が焚かれ、大小さまざまな松明を担いだ人々が掛け声と共に神社に集結し火の粉が舞う勇壮な祭りです。

 

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祭りの由来は平安時代の天慶3年(940年)、京都御所に祀られていた由岐大明神が鞍馬の地に遷宮する際に、村人が地主神である八所明神を神輿に乗せて無数の松明を持って出迎えたという故事にあり、その様子を伝え遺しているのが鞍馬の火祭であると伝わっています。

祭りの当日18時、「神事にまいらっしゃーれ」という神事触れの声が聞こえると、氏子の各家は玄関先に積み上げた篝(えじ)に一斉に点火。これが祭りの始まりです。青年たちは燃えさかる大松明の火の粉をものともせず担ぎ上げ、「サイレイ、サイリョウ」と掛け声を繰り返しながら山門前へ向かいます。集結した若者たちが大松明を立ててひしめき合う壮観な様子が、祭りの第一のハイライトです。

太鼓の合図とともに「注連縄切りの儀」が行われた後は、松明の祭りから神輿の祭りへと変わります。由岐大明神・八所大明神をのせた2基の神輿が参道をくだるのが第二のハイライト。神輿の後ろに付けられた綱は、引くと安産になるという言い伝えがあり町の若い女性たちが引きます。

また、このとき神輿の担ぎ棒には2人の青年が掴まって大股を開く「チョッペンの儀」が行われますが、これは鞍馬での成人式の名残りという説があります。

2022年の鞍馬の火祭は、10月22日(土)の18時~23時頃まで行われます。松明の巡行は例年通り行われますが、氏子中の神輿渡御とそれに伴う儀式は行われません。
祭りの詳細については由岐神社公式サイトを、最新情報については由岐神社のFacebookなどでご確認ください。

太秦の牛祭

「太秦の牛祭(うずまさのうしまつり)」は、京都市右京区太秦の広隆寺と、かつて境内社だった大避(おおさけ)神社で毎年10月12日夜に行われていた知る人ぞ知る奇祭です。京都市登録無形民俗文化財に指定されていますが、現在は長期にわたり開催休止となっています。

 

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祭りの起源は社伝によると、平安時代中期に比叡山の恵心僧都(えしんそうず)源信が夢のお告げに従って祭文を書き、インド伝来の摩多羅神(まだらしん)を守護神として、五穀豊穣や国家安寧を祈念して始めたのだそうです。

この祭りでは、神灯、お囃子、松明を先頭に、白い紙製の特異な面をつけた摩多羅神が牛に乗って登場します。そして、四天王と呼ばれる白装束の赤鬼、青鬼とともに四周を練り歩いた後、祖師堂に向かって独特の節で祭文を読み、終わると堂内に駆け込みます。

牛祭(都年中行事画帖 1928年)

参詣者は祭文を読み上げる間、野次を飛ばすなど行事の進行を妨げるのが恒例です。古来は、摩多羅神が祭文を読み終わって四天王とともに堂内に突入する際、厄を逃れるために群衆が後を追って堂内に入り、彼らがつけている面を取り上げたといわれています。

現在、長期休止中の牛祭。その理由は牛の調達が定期的に行えないためとも言われていますが、再開される目途はたっていないようです。このままの状況であれば残念ながら休止が継続される可能性が高いと思われます。

まとめ

雅で華やかな祭りの多いイメージの京都ですが、今回ご紹介したような個性的な祭りもあり、あらためて京都の奥深さを感じることができますね。京都三大奇祭に参加すると、これまでの印象とは異なる京都の一面を身をもって体感できるかもしれませんよ。

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※トップ画像は上賀茂神社やすらい祭の写真です。祭りの様子はこちらの記事をご覧ください。

この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
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