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日本三大流鏑馬とは?いつ開催?鎌倉の鶴岡八幡宮、京都の下鴨神社、もうひとつはどこ?

2022/9/15
2023/8/11
日本三大流鏑馬とは?いつ開催?鎌倉の鶴岡八幡宮、京都の下鴨神社、もうひとつはどこ?

疾走する馬に乗りながら鏑矢(かぶらや)で的を射る「流鏑馬(やぶさめ)」は、古来行われてきた日本の古式弓馬術です。武家社会で行われた馬術と弓術を組み合わせたもので、日本の伝統的な騎射の技術・稽古・儀式のことを指します。

全国には、お祭りの神事の一つとして流鏑馬の奉納を行う神社がいくつかありますが、この記事では「日本三大流鏑馬」に数えられている、3つの流鏑馬神事の由来や見どころ、開催日程などを紹介します。

【神奈川】鶴岡八幡宮/鶴岡八幡宮例大祭

 

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鎌倉市の鶴岡八幡宮において、毎年9月14日~16日にかけて行われる「鶴岡八幡宮例大祭」では、「浜降式」や「例大祭」、「神幸式」の後、最終日に流鏑馬神事が奉納されます。

鎌倉幕府を開いた源頼朝が、1187年、鶴岡八幡宮放生会(ほうじょうえ)*に際して天下泰平を願い、全国から集めた弓の名手に行わせたことが起源といわれており、800年以上の歴史を持つ伝統行事です。

*放生会とは、殺生を戒める仏教の教えに基づいて捕らえた魚や鳥を放して供養する儀式。現在は秋の収穫祭や感謝祭の意味も込め、各地の寺院や八幡神社で旧暦8月15日前後に行われている。

鎌倉時代の伝統装束を身に着けた人々が入場し、神前の儀式が行われた後、「天下太平・五穀豊穣・国民安堵」を願い、馬上の射手が天と地に向けて2回弓を引く「天長地久の儀」が行われます。

 

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その後に行われる流鏑馬の奉納は、武者姿の射手が馬で駆けながら、境内の馬場に配された3つの的を次々と射貫く様子が迫力満点で必見です。

2022年の秋の例大祭は、例年通り9月14日~16日にかけて開催されますが、残念ながら流鏑馬神事は中止となります。しかし、神輿行列、日本舞踊や鎌倉囃子、鈴虫放生祭など、他にも例大祭の魅力は盛りだくさん。
また、鶴岡八幡宮では今回ご紹介した秋の例大祭のほかに春の鎌倉まつりでも、流鏑馬神事を見ることができます。

※鶴岡八幡宮例大祭の最新情報は、鶴岡八幡宮公式サイトなどでご確認ください。

【京都】賀茂御祖神社(下鴨神社)/葵祭前儀式

京都市の「賀茂御祖(かもみおや)神社」、通称・下鴨神社(しもがもじんじゃ)では、毎年5月15日に下鴨神社と上賀茂神社で行われる「葵祭(賀茂祭)」の前儀のひとつとして、5月3日に流鏑馬神事が行われます。下鴨神社は、世界遺産に登録されている京都で最古の神社の一つとされ、葵祭は平安時代より続く歴史あるお祭りとして「京都三大祭り」にも数えられています。

起源は明確ではないものの、「日本書紀」で「雄略天皇即位の年(457年)、騁射(うまゆみ)が行われた」と伝えられていることから、流鏑馬がはるか昔から行われていたことは間違いないでしょう。また、「続日本紀」には、「文武天皇二年(698年)、賀茂祭(葵祭)の日に民衆を集めて騎射を禁ず」という記録も残っているそうです。

下鴨神社の流鏑馬神事は公家装束(束帯)を着用して行われることが特徴的で、他ではなかなか見られない貴重なものです。

流鏑馬神事の舞台となるのは、下鴨神社の境内にあり古墳時代の馬具が出土している「糺の森」内の400mある馬場。射手が馬で駆け抜けながら、杉板でできた3か所の菱形の的を鏑矢で矢継ぎ早に射る光景は圧巻です。

2022年の葵祭では、「動く平安絵巻」ともいわれる時代行列「路頭の儀」などは中止となりましたが、流鏑馬神事は5月3日(火)に行われました。来年もまた開催されることに期待しましょう。

会場である下鴨神社や流鏑馬神事の詳細は、下鴨神社公式サイトをご確認ください。

【長野】若一王子神社/信濃大町 若一王子祭り

 

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長野県信濃大町にあり、約700年の歴史を持つ「若一王子神社」では、毎年7月第4日曜日とその前日に例大祭が行われます。
このお祭りの2日目に行われる「子ども流鏑馬」は、子供が射手を努める流鏑馬では全国随一で、信濃大町駅から若一王子神社までの区間を舞台として開催されます。

若一王子神社の流鏑馬は、平安時代から戦国時代にかけてこの地を治めていた仁科氏によって、五穀豊穣の祈りとして続けられてきました。

始まりは1221年(承久3年)、後鳥羽上皇が北条義時追討の命令を出した時のこと。院の西面の警護を仰せつかり上皇に忠誠を誓った仁科盛遠が、出陣に際して武運を祈るため奉納した流鏑馬だと伝えられています。また、京都と深い関わりがあり、京都賀茂神社の流鏑馬にも造詣が深かった仁科氏が、これを支配地であり故郷でもある大町に伝えたともいわれています。

写真提供:信濃大町なび

華やかな衣装を身に着けた各町の代表10騎の少年射隊が、信濃大町駅前から出発し、馬上から各所に設けられた扇形の的を射ながら中央通りを行進。多くの群衆に見守られながら、若一王子神社に向かいます。神社に到着すると、約1時間かけて3か所の的場を廻りながら、古式にのっとり流鏑馬が行われます。

2022年の若一王子祭りは7月23日(土)・24日(日)に行われました。1日目には神輿の巡行や稚児行列、やぶさめ太鼓なども行われ、2日目の流鏑馬のみならず信濃大町が2日に渡って賑やかな祭礼の雰囲気に包まれました。

会場である若一王子神社や流鏑馬神事の詳細は、若一王子神社公式サイトをご確認ください。

まとめ

今回ご紹介した3つの流鏑馬は、どれもその土地ならではの歴史や特徴があり、衣装なども異なっています。歴史的背景に思いを馳せながら、勇壮で迫力ある流鏑馬を間近で見るために出かけてみてはいかがでしょうか。

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