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盛岡どんぱ第0回 ~来年こそは第1回!サプライズ花火「光の道標」~

2021/10/8
2024/3/5
盛岡どんぱ第0回 ~来年こそは第1回!サプライズ花火「光の道標」~

2021年9月24日(金)

暑さもひと段落した、心地良い初秋の岩手。
盛岡市街では20数年ぶりの、大きな花火が夜空に咲き誇りました。
何かと沈みがちだった2021年も、いいコトがあった!と喜んでもらいたい。
その想いで、実行委員一丸になり花火を打ち上げました。

筆者である私自身、実行委員として携わった大会なので、思い入れが深いです(^_^;)
当日は多くの市民が、思いがけず見る事が出来た花火を、楽しんでもらえたようで、それが何より嬉しかったです!

楽しかった想い出を再び!花火大会を復活させたい!

盛岡市街の北東に位置する高松公園は、春は桜の名所、冬は白鳥飛来地であり、市民がよく散歩をする憩いの場です。

高松の池

桜の名所

白鳥飛来地

かつては毎年8月、盆踊り大会に合わせ、花火が打ち上げられていました。しかし、イベントの幹事を担っていたおばあちゃんが亡くなったことや、花火大会のスポンサー企業が移転したことなど、様々な理由が重なり、1997年を最後に開催されなくなってしまいました。

それから20数年。高松の池での花火大会を復活させたい。
今までお世話になった盛岡の人々に恩返しをしたい。盛岡の人々を感動させたい!
発起人の想いに共感し、県内の社会人や学生が集まり、みな同じ方向へ向けて、動き出しました。

ひとりひとりの力が組み合わさり、大きな感動を作り出せるハズ!そう信じて。

市民を喜ばせたい!花火大会に掛ける想い

発起人である、株式会社 doors 代表取締役 八木 禅さんの想いをお伝えします!

花火。こんなにも人の心を、大きく動かすものがあるだろうか?見ている人が、無条件でみんな笑顔になる。
長い長い人生の中の、たった1時間でも、こんなにも感動できるものがあるだろうか?圧倒的に感動させたい。見てくれる人を全員、涙させたい。
コロナ禍であらゆるお祭りが中止になり、沈みがちな市民の皆様に、思いっきり楽しんでもらいたい!!
“盛岡どんぱ”は、今回が初めての試みというのもあり、期待度は高くないかも知れません。
ならば、その期待度を覆し、来てくれた方々全員を驚かせたいのです!花火は、見る人によって様々な想い出がこもっていると思います。
きっと、一生大事にしていたい、楽しい想い出であふれていると思います。私は、子供の頃を思い出します。家のそばから見ていた、楽しい想い出。
高松の池での花火を見たら、子供の頃にタイムスリップ出来るかと思っています。2021年、高松公園で大迫力の花火を見て、最高に幸せだったら、それは一生モノの想い出になると思いませんか?
楽しい”体験の記憶”は、思い出す度に、楽しかった時間に帰れます!みなさんと、感動を共有したいと思っております。準備には、大学生を始めたくさんの社会人の方の協力があり、その分たくさんの感動がありました。

ゼロから作り上げる大会

盛岡市民が、昼も夜も楽しめるイベントを作りたい!集まった仲間たちとゼロからスタート。

有志の実行委員は、今夏の実現へ向け、活動を1年以上前から続けてきました。盛岡市内および岩手県内の学生や若手社会人が中心です。アーティストライブ、学生による“さんさ踊り”(岩手の郷土芸能)、体験型アート、県内グルメブースなど、1日中楽しめるイベントを目指し、各々が一生懸命に企画を進めていきました。一生の想い出になる時を作りたい!そう願って。
学生たちは、社会人のサポートを受けながら公的な業務もこなしつつ、来場者の感動する顔を思い浮かべ、まるで文化祭の準備をするように活き活きと前進して行きました。

イベント運営を行うコトで、多くの出会いがあり、たくさんの人達との繋がりが生まれました。

市街地の中という地理的制約の他に、コロナ禍の環境が立ちはだかりました。
会場の人数を制限し、来場者を把握しなければなりません。
花火大会は、花火代だけでなく、周辺の交通管理の警備費用、イベント設営費など、多額の費用がかかります。世の中の想像以上ですよー(^^;)

それぞれの分野の業務をこなす為、警備、交通、営業、アート、イベント、SNS、様々な担当チームを作り、各自で励んで行きました。

感染者急増⇒苦渋の選択へ

本来の開催予定日であった8月21日から、1か月日時を延期し、9月25日に行うコトに方針転換。
9月になればワクチン接種が広がり、感染者の増加は鈍ると予測していました。
しかし、岩手県のワクチン接種率は全国最下位。危機的状況に陥り、岩手県独自の緊急事態宣言が発令されてしまいました。
県からのイベント自粛要請が来るかもしれない・・・・

安全に出来る方法は無いか、狭い隙間を縫うように、実行委員みんなで模索してみました。

市民の為の大会という趣旨ですが、今の状況では、市民の皆さまが手放しで楽しめる状況では無いですし、みんなが安全に楽しめなくては、本末転倒。開催する意義が無くなります・・・
今年では無い・・・・そして、中止という苦渋の決断に至りました。

しかし・・・・

形を変えて、盛岡の人々を感動させる方法は無いか?
運営を頑張ってくれた学生たちに、自分たちが作り上げたものを形として残せないか?
その作り上げた花火で、盛岡の人々を感動させたい!
そう考えました。

実行委員では大学生も活発に活動にしており、来年以降は参加できないというメンバーも少なくありません。
一生に一度しか無い、2021年。
打ち上がった花火は、大学生たちにとって、一生忘れられないものになるはずです。
そして何より、盛岡の多くの人々に喜んでもらえると信じて、サプライズ花火を上げようと決心しました。

大曲4社の花火が集結!

「盛岡どんぱ」は、大曲の花火業者4社が集結して、創造的な演出花火を打ち上げる、県内唯一の花火大会。今回は、生歌を含めた4曲のミュージックスターマインを打ち上げました。
大曲の4社がそろう現場は、本当に貴重です。
大曲花火協同組合4社
北日本花火興業
小松煙火工業
響屋大曲煙火
和火屋

準備の様子

当日は、天候・風向き共にベストな環境でした!
昼間の会場

アーティストを招いての生歌コラボ

1曲目のスターマインは、
TikTokで、フォロワー数7.3万人の人気ディオ“dey&night”さんとの生歌コラボでした。
dey&night youtube公式チャンネル

歌声に惚れ込んだ発起人の希望により、実現しました。

曲は、”神はサイコロを振らない”のカバー曲、夜長唄です。
透明感がある、本当に澄んだ歌声!曲調に合わせた、淑やかな色調の花火との共演に、うっとりする時間でした。

芸術玉ばかり!大曲クオリティ

2曲目は SEKAI NO OWARI 『スターライトパレード』

オープニングにふさわしく、カラフルでポップな明るい色で始まりを告げます。

八方咲き(万華鏡、又は優雅な風車のような造形の花火)
を用いて、明るい曲調の世界へ誘う親しみやすさを演出。

セカオワのキャッチ―な雰囲気を飾るように、明るいパステルで盛り上げます。

3曲目は QUEEN 『I Was Born To Love You 』

序盤は、情熱の赤い八方咲きと、
(らい。よく運動会などで打つ、ピカっと光り轟音を出す花火)
のコラボ打ちで威勢よくスタート!

光が動くハートの花火に、会場は笑顔に包まれました!

サビにかけての大玉の盛り上げ方に、反り返るほどの大興奮でした!

大玉はなんと”三重芯“(みえしん)が登場Σ(・ω・ノ)ノ!

“三重芯”とは、円の中に、三重の層(芯)があり、全体で4層になる花火です。
ロシアのマトリョーシカのように、花火の中に花火を作るような構造で、
製作に手間が掛かる為、通常の花火大会では滅多にお目に掛かれません。

大曲花火組合の粋な心意気により、特別な玉を魅せてくれました!

4曲目は RADWIMPS 『スパークル』

映画「君の名は。」の感動を思い起こさせるように、華麗な芸術玉で幕を開けます。

この花火は、”ターコイズブルーを散りばめたペンダント“という玉名の花火です。
花火には、玉名(ぎょくめい)があり、色やデザインによって名前が付けられているのです。

名シーンの場面を表すようなパステルカラーで飾り、大玉が夜空に大きく舞い上がります。

何と!先ほど登場した”三重芯“と、それを上回る”四重芯“が連続で登場Σ(・ω・ノ)ノ!
盛岡の皆さん!今日の花火を見るコトが出来た人たちは、とてもラッキーですよ(^O^)/

五度変化(5回色が変わる花火。5回変わるので全6色)のパステルカラーが、巡る巡るストーリー展開を表すかのようです。

この”五度変化“、とても製作に手間がかかります。
通常、花火の色を出す火薬玉(と呼ぶ)は、1色の火薬を、攪拌しながら玉にしていきますが、
この作業を6回(6色分)繰り返し、6層の”星”を形成していきます。つまり、6倍の手間がかかるのです(^_^;)

“の製造作業

何度も重ねて層を形成してゆく

サビへ突入。ストーリーも佳境に入ってゆきます。
“八重芯”(全体で3層になる花火)の大玉が上空を、金色のヤシ(ヤシの木のような太い筋の花火)
が低空を飾り、見るものを圧倒させる迫力を演出。

いよいよクライマックス!映画を振り返る綺麗な想い出!!
孔雀“(雪の結晶のような、艶やかな造形の花火)が美しく咲き誇ります!
散り際にキラキラと余韻を残し、一度見たら、その美しさはずっと忘れない花火です。

ラストは、”千輪“(一度音がした後に小さな花火が一斉にバーっと広がる花火)を、
金冠“(”きんかむろ”。フィナーレでたくさん打つ、金色で降り注ぐ花火)
の中へ織り交ぜ、馳せる想いの先に余韻を残す、華麗な演出でした。

サプライズという形式ではあったものの、在庫では無く、この日の為に新たに芸術玉を込めてくれた、大曲の花火師たち。
花火を打ち上げる機会を与えてくれた事への感謝を込めて、大曲の技を結集し、”チーム大曲”で挑む全力の花火を魅せてくれました。
大曲ならではの、芸術性が高い花火。こうゆうのは初めて見た!と驚いた方も多かったのでは(・・?
来年こそは、たくさんの人達に、ここでしか見られない花火をみんなで楽しめるように、実行委員一同、励んで参ります(^O^)/

冒頭でも触れた通り、筆者である私も実行委員ですので、身が引き締まる思いです!
とにかく、みんなを楽しませたいのです(^O^)/

来年への応援、よろしくお願い致します!

翌朝に拾った花火の夢のカケラです↓

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