東京都文京区の湯島天満宮で開催される文京梅まつり!2025年は2月8日(土)〜3月8日(土)の約1カ月、早咲きから遅咲きまで美しい梅をお楽しみいただくことができます。週末を中心に多彩なステージや催し物、様々な露店など、イベントや食も充実。ちょっとしたおでかけにもオススメなお祭りです。
この記事では、2024年のレポートとあわせて、2025年の開催情報をお届けします。地元の人しか知らない「文京梅まつり」の歴史や魅力、超穴場スポットなど、知ると何倍も「文京梅まつり」が楽しくなる情報が満載!ぜひチェックしてみてください。
※本記事は2024年2月15日の記事に加筆・修正したものです。(2025年1月24日更新)
目次
湯島天神の梅を見に出かけよう!2024年文京梅まつりをレポート
2024年は2月8日(木)から始まった「文京梅まつり」。その最初の週末の2月11日(日・祝)はたくさんのイベントも行われ、多くの人で賑わいました。
境内の梅は、梅園を中心に咲き始めていました。
梅園は日当たりが良いこともあって、境内の中でもよく咲き進んでいました。
今年の梅は、咲き始めはかなり早かったのですが、2月の初めに強い寒気が入ったこともあってか、少しペースダウンした様子。まだ蕾の固い木もあり、全体的には3分咲き程度といったところでした。
梅園で一番よく咲いていて、多くの人のカメラを集めていたのはこちらの木。南側梅園に咲いている白梅です。
一重の大きな花が咲く「月影」。
枝ぶりもよく大きな木で、かわいらしいお客さんもきていました。
蜜を食べにやってきたメジロ
撮影するのにちょうどいい感じで咲いていたので、たくさんの方がこの梅の前で記念撮影をしておられました。こちらのご家族はご近所の方ではなく用事があり東京に来られたそう。きれいな梅に迎えられて満点の笑顔ですね。
赤ちゃんを連れたご家族もいらっしゃっていました。小さなお子さんと一緒でも楽しめるようなイベントや露店があるのが「文京梅まつり」、また「文京花の五大まつり」の素敵なところ。
南側梅園には野点の席も用意されています。近くの紅梅も見頃になっていました。
八重の紅梅「鹿児島紅」。濃いピンクが鮮やかです。
梅園中央の菅公一千年祭記念碑の隣にある大きな枝垂れ梅も他の木に比べて開花が進んでいて、人気の撮影スポットでした。手前のベンチで梅を眺めつつ一息つく人もたくさん。
梅を楽しむ可愛らしいお嬢さん。梅とおしゃべりをしているみたいですね。
こちらは拝殿前に咲いている白梅。境内ではかなり咲き進んでいる梅です。
八重咲の白梅「白難波」
一方、狛犬の周辺の紅梅はまだ咲いていませんでした。ですが蕾はかなり紅いので、開花まではきっともう少し。
本殿の北側に並ぶ枝垂れ梅、2週間ほど前はまったく咲いていませんでしたが、ちらほら咲きになっていました。見ごろになると、素敵な眺めになりそうです。
境内に上がる男坂や女坂、夫婦坂の梅も、少しづつ咲き始めていました。
男坂
女坂。3つの坂の中では一番咲き進んでいました。
夫婦坂
境内の東側では、盆栽の梅の展示も。
とにかく境内全体にたくさんの梅! まだ全体的には3分咲き程度とはいっても、見ごろになっている一角もあり、十分楽しめました。そしてこれからさらに咲き進んでいくのが楽しみですね!
イベントも盛りだくさん!多彩な奉納演芸や露店・物産展も
奉納演芸
本殿北の特設奉納舞台では、土日祝日に様々な奉納演芸が行われています。迫力ある白梅太鼓や様々なダンスパフォーマンスまで、多彩なステージイベントもこのお祭りの醍醐味です。2024年の奉納演芸には大人気の熊本のゆるキャラ、くまモンが登場しました!
大人もお子さんも大喜びで、大盛況!
全方向に手を振ったり、おどけてみたり、サービス満点のくまモンでした。
くまモンは、この日物産展を出展していた熊本県上天草市の天草四郎観光協会とともにやって来ました。続いて物産展や露店をご紹介しますね。
物産展・露店も賑やか
期間中の土日祝日には、文京区とご縁のある地域の物産展を開催。上天草市の物産展が行われていました。海鮮だご汁や名物の大根を使ったステーキは大人気で、長い行列も。
長蛇の列で賑わった熊本県上天草市のブース
物産展以外のお店もたくさん出ています。お祭り定番のたこ焼きやお好み焼きなどの露店もありますが、湯島や文京区のお店も多数出店。境内には文京区の名品がギュッと詰まっていました。
境内北側の夫婦坂を上がったところにもお店が並び、ここでは白梅商店会のお茶のふるまいも。
文京区が誇る日本の最高学府・東京大学も、まんがくらぶが似顔絵コーナーを出店!
お菓子にお茶、お酒にアートと、文京区の豊かさに触れられるラインナップ。大人も子供も楽しめるイベントやお店がたくさんで、笑顔溢れるお祭りになっていました。
梅がいっぱいに描かれた巨大チョークアート!
「文京菊まつり」に続き、2月11日限定で素敵なフォトスポットが登場。お花がいっぱいに描かれた巨大なチョークアート、今回はもちろん梅です! 文京区にお住いのアーティスト、新井友梨さんが心を込めて描いてくださいました。
笑顔の素敵なご夫婦と赤ちゃん。文京区にお住まいで、おまつりをよく楽しんでおられるそうです。
文京花めぐりトートバッグ制作も大人気
2023年度「文京花めぐり」のワークショップのトートバッグ制作が、「文京梅まつり」でも開催されました。中学生以下のお子さんを対象に、親子で楽しめる無料ワークショップです。
最後に「文京花めぐり」のスタンプを押してもらって完成!
まだまだ続く!「文京梅まつり」これからの見どころ
たくさんのイベントをご紹介しましたが、梅まつりにはまだまだ楽しいイベントがあります。
期間中、日没後に行われるライトアップ「夜神梅」では昼間とはまた違った幻想的な光景が広がります。
夜神梅(ライトアップ)(Ⓒ文京区観光協会)
土日祝日には、様々な奉納演芸が行われ、ハイレベルと評判のカラオケコンクールの決勝大会も。
また物産では、文京区とゆかりのある様々な地域が出展します。
白梅太鼓(Ⓒ文京区観光協会)
そして2月25日(日)には、祭りのクライマックスでもある「神輿の渡御」が行われます。
神輿の渡御(Ⓒ文京区観光協会)
イベントは日によって変わります。詳細は湯島天満宮の梅まつりのページでご確認ください。
湯島天満宮公式サイト|湯島天神梅まつり
「文京梅まつり」、ぜひ足を運んでみてくださいね!
「文京梅まつり」の魅力やポイントを深掘り!
たくさんの人で賑わう「文京梅まつり」。その魅力や今後の見どころを、「文京梅まつり」実行委員長の小能大介(このう・だいすけ)さんに教えていただきました。明治時代から文京区にお住いの家柄で、親子2代で梅まつり実行委員を務めているという小能さんのお話は、地元の方しか知らないトピックに溢れていて、必読です!
文京梅まつり実行委員長 小能大介さん
――「文京梅まつり」は昭和33年(1958年)に始まったということですが、その歴史を教えてください。
「湯島天満宮は昔から梅の名所でしたが、戦争などもあり、一時期荒廃してしまっていました。湯島地域、ひいては文京区全体に潤いを取り戻そうということで、地元の有志が勤労奉仕をしたり、同じ志の方に献木をいただいたりしながら、昭和30年代に梅園が再生されました。その梅園をたくさんの人に見ていただこうということで始まったのが湯島天神梅まつり(現在の文京梅まつり)です。
当初は盆踊りや、手作りの催しをやる、みんなで寄り集まってやるようなまつりだったと聞いています。
それがだんだん組織化していって、文京区からのご後援をいただきながら、いわゆる「文京花の五大まつり」の1つに入ることになりました。手作りのものから、しっかりした企画をして、実行委員会など組織だった動きをするおまつりに進化をしてきました」
――日本全国に様々な梅まつりがありますが、「文京梅まつり」にしかない魅力はどのようなものですか?
「文京区との繋がりがある各地の物産展を開催しているところでしょうか。物産展は期間中の土日祝日中心なので、出ていただける地域には限りがありますが、いろんな物産展や各地の産物に触れられるというのは「文京梅まつり」の特徴じゃないかなと思っています」
(注:2024年は熊本県上天草市、青森県平川市、石川県金沢市など5地域が参加)
熊本県上天草市の物産展。湯島大根や海鮮、地鶏製品などたくさんの名物が出品されていました。
「出展している上天草市には、湯島という小さな島があるんです。以前、熊本県でその湯島をPRしていこうという企画があって、パソコンで「湯島」を調べてみたら「湯島天満宮」が見つかったそうで。そこで、上天草市の公益事業本部の若い職員が名物の湯島大根を何本か持参して、突然実行委員会を訪ねて来られたんです。そして、湯島のPRをしたい、ぜひお手伝いいただけませんか、この大根を食べてみていただけませんかと勧められたんですね。その大根がまた美味しかった」
文京区と上天草市を結んだ湯島大根。太くて大きい!でもみずみずしくて美味しいそうです。
「見も知らないようなところへ交渉に来ることに熱意を感じて、それならぜひ協力しようという話になりまして。湯島天満宮の押見宮司にお話しし、物産展でPRしてもらおうということになりました。その話が区長にまで届いて、文京区として上天草市と協定を結ぶことになったんです。このように、元は民間のお付き合いだったものが、自治体同士の繋がりに発展したりと、梅まつりが各地との交流を広げていく場にもなっています」
――奉納演芸に地元のダンスサークルや中高生、専門学校の方が参加されているのも魅力的だと思いました。
「地元の学生さんに演奏していただいたり、地域のダンス教室の方が来てくださったりしています。また、近くに落語協会があるのでそういった方々にお囃子をやっていただく、講談の一龍斎貞水師匠(六代目、講談師として初の人間国宝に認定。2020年逝去)が近くにお住まいだったご縁で講談をやっていただくなど、いろんな演目を楽しんでいただけるのも魅力の1つだと思っています」
情熱的な踊りで魅せたフラメンコ
――「文京梅まつり」にはお子さんもたくさん来ていますが、地域の子供を中心に行われている取り組みはありますか?
「ワークショップみたいなものはいろいろとやっていて、文京区伝統工芸会でも銀細工を作るとか、水引を作ってみる体験などをやったことがあります。今回のフォトパネルとトートバッグ制作もその一環ですね。
また、コロナ禍の影響で今は休止していますが、以前は時々、子供さんたちに神職の装束を着せてお参りの仕方を教えたりしていました。今回はお祭りもかつての規模に戻しているので、神職の装束を着るという体験もゆくゆくは再開して、情操教育に繋げていければと思っています」
――今年の「文京梅まつり」で必ず見てほしいイベントや催しがあればお教えください。
「梅まつりの神輿渡御はぜひ見ていただきたいです。近年はコロナ禍でできなかったのですが、2023年から復活しまして、2024年は以前のようにできるようになりました。
また、日曜日に梅園で野点をやっています。お茶体験自体が普段はなかなかできませんけれども、美しい梅園の中で、プロの先生に立てていただいたお茶と和菓子を召し上がっていただくというのはとてもいい機会だと思うので、こちらもぜひご体験いただけるとありがたいと思っています」
梅園の中での優雅な野点。茶道の経験や知識がなくても、だれでも参加できるそうです。
――最後に、地元の人だけが知っているおすすめポイントはありますか?
「梅の写真を撮るのに非常にいいスポットがあるんです。これはなかなか普通に来た方だとわからない場所です。女坂は梅園の横に階段があるんですが、それを上から一望できます。ここはとてもお勧めです。女坂の梅は遅咲きの方なので、梅まつりの最後の方まで楽しめるんじゃないかと思います」
――たくさんのお話、ありがとうございました!
隠れ絶景スポットに行ってみよう!
それでは、ここまでご覧くださった方だけに、小能実行委員長直伝のとっておきの場所をお教えしますね。
場所は下の境内図右上のピンク色の丸印のところ。
東回廊と、手前の透塀の間に、ちょっと入っていけるスペースがあります。
ここを入っていくと…
おお、上から女坂を一望! なお、この日はまだ少し梅が寂しかったのですが、見ごろになると
©文京区観光協会
このような景色が見られるそうです。地元の方だけが知っている絶景ポイントで、ぜひ素敵な写真を撮ってくださいね!
未来のために「梅園再生プロジェクト」
昭和30年代に梅園再生のために植えられた梅も、残念ながら老化のために樹勢に衰えがみられます。手入れはずっと続けられていますが、元に戻すのは難しいということで、東京に春を告げる美しい梅園を、長く後世に伝えるためのプロジェクト「梅園の再生プロジェクト」を実施。
2024年2月1日から開始したクラウドファウンディングは、CAMPFIREで実施され、多くの方の協力で目標金額を大きく上回ることができました。2025年の文京梅まつりでは、生まれ変わった新たな梅園を見ることができそうです。
2025年の開催概要/イベント情報
【開催期間】2025年2月8日(土)~3月8日(土)
【会場】湯島天満宮(文京区湯島3-30-1)
【入場料】無料
特別企画「クイズ&ミッション! 文京花まつり探検ラリー」
文京区を代表する観光イベント「文京花の五大まつり」、「文京朝顔・ほおずき市」、「根津・千駄木下町まつり」の各まつりで、中学生以下を対象とした特別企画「クイズ&ミッション! 文京花まつり体験ラリー」を実施中!文京菊まつりに続き、文京梅まつりで6回目の開催となります。
まつりや神社仏閣、花、歴史に関するクイズ&ミッションに挑戦して、切り絵御華印⁽ごかいん⁾とお菓子をゲットしましょう!
【日時】2025年2月8日(土)・9日(日)10:00~15:30 ※最終受付は15:00となります
【受付場所】文京花めぐり特設テント
詳細は、こちらからご確認ください。
文京梅まつりの御華印
カラオケコンクールに物産展や奉納演芸ほか 盛り沢山のイベント!
【主な催物(予定)】※予定は変更になる場合がございます
■神輿の渡御 2/23(日) 13:00出発 15:00宮入
■野点(期間中各土曜祝)
紅茶野点 2/8・2/11・2/15・2/24・3/1 (5回)
■物産展 (期間中の土日祝日)
■チャリティー販売(期間中の土日祝日)
湯島の老舗ほか
■奉納演芸(期間中の土日祝日)
江戸里神楽、白梅太鼓、日本舞踊、おはやし、ハワイアン・フラほか
■カラオケコンクール 決勝 3/8(土)
■昭和初期懐メロ(東京大衆歌謡楽団) 3/2(日)午後から
■尺八とお琴の演奏 2/22(土)・3/8(土) 各日11:00~、13:00~
■その他
似顔絵チャリティコーナー(東大まんがクラブ)、作品展示(藝育会)
詳しくは湯島天満宮公式サイト|湯島天神梅まつりをご確認ください。