温泉地 熱海の祭り
全国屈指の温泉地として知られる、静岡県熱海市。静岡県の最東部、伊豆半島の付け根に位置するこの街は、都内から新幹線で約40分、車でも約90分と言う近さから、年間を通して多くの観光客で賑わいます。この熱海で毎年正月はじめの三連休、成人式前日の日曜日に開催されているお祭りを今回はご紹介していきます。その名も「どんどん焼き」です!
どんどん焼きの舞台となるのは、温泉街の前で太平洋に面して広がる、熱海サンビーチ。11時から神事が行われるとのことでやってきました!ビーチの真ん中には「おんべ」と呼ばれる、正月飾りやだるまと若竹で組み上げられた焼き場が設置されています。若竹の高さは約20mと空高く延びているのも特徴的です。
おんべを近くで見るとこんな感じ。たくさんの正月飾りやだるまが積まれ、山となっています。
地域の方々によって続々と縁起物が持ち込まれ、その度に山が高くなっていきますよ!
どんどん焼きと熱海で呼ばれるこのお祭りですが、広く”とんど焼き”、または”左義長”とも呼ばれる小正月(1月15日)の火祭りで、正月飾りのしめ縄や一年の役目を終えただるまなどを焼き上げる節目のお祭りとなっています。一年のはじまりに、無病息災や学業向上、火防などの祈りも込められて、熱海ではどんどん焼きが実施されるとのことです。
真っ直ぐに立てられた若竹の上の方では、きれいに正月飾りが掲げられていました。
おんべを前に行われる神事
11時になり、神職の方々がおんべの前へと現れました。神事が執り行われていきます。
神事を進めているのは坂上田村麻呂が勝利祈願をしたと伝わる熱海市内の歴史ある神社、來宮神社の神職の皆さまです。來宮神社は毎年7月15日の例大祭で、たくさんのお神輿や山車が出ることで知られる神社でもあります。さて神事では、お祓いや祝詞奏上などが順番に進められていきました。
切麻が撒かれ、場が祓い清められます。
おんべに向かっても切麻が撒かれます。
どんどん燃え上がる
神事が終わると、宮司さんの手元には火が用意されました。いよいよおんべへ火が点けられていきますよ!
二本の門松の間から火が点けられました!
その後はおんべの四方へも火が点けられていきます。
まもなくすると、一気に火がおんべ一帯に燃え広がりました!
すごい火の勢いです!しめ縄やだるまなどが、まさにどんどん燃えていきます。
熱海のどんどん焼き。空高く掲げられた“おんべ”に火が点けられました!まさにどんどん燃えています!#祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/xC7Wk88TNm
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) January 8, 2023
市民の皆さまに見守られる中、あっという間に縁起物などが燃え尽くされました!
しばらくすると若竹も倒れ、こちらも燃やされていきます。
燃え尽くされたおんべ。火の勢いは弱くなりますが、この後13時頃までは火が点けられているとのことでした。その間であれば、縁起物の持ち込みも可能ですよ。
無事に開催された2023年のどんどん焼き。どんどん焼きのご利益を持ち帰って、新たな一年を過ごしていきたいですね!
ちなみにおんべが燃え上がった後には、嬉しいご接待も。紅白餅のお振る舞いがあり、家に帰っても食べながらお祭りの余韻に浸ることができます!
お囃子や獅子舞などの披露も
おんべの火が保たれている間、12時から13時にかけて伝統芸能の披露も行われました。伝統芸能を披露くださるのは、信州伊那谷から来られた、田楽座の皆さまです!
太鼓やお囃子の演奏、そして上州名物の八木節を踊りと共に披露していきます!
熱海で行われている「どんどん焼き」に合わせ、田楽座の皆さんにより八木節が披露されています!お囃子の音が響き渡りめでたいですね!#祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/l9xLtb4YSO
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) January 8, 2023
南京玉すだれも見せていきます。本日は昔話をテーマに様々な技を披露されていました。こちらは桃太郎から川を流れる大きな桃です!
枝垂れ桜も見事に花を咲かせました!
獅子舞やにわか万歳も!お祭りに花を添え、盛り上げてくれますね!
アクセス
■熱海駅まで
・東京駅からJR東海道本線で120分弱、東海道新幹線で約45分
・横浜駅からJR東海道本線で約80分、踊り子号で60分弱
・三島駅からJR東海道本線で約14分
■熱海駅から熱海サンビーチまで
・徒歩で約11分
毎年お正月に開催されている熱海のどんどん焼き。ぜひ温泉観光などと合わせて来てみてください!