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冬の海、みんなで入れば寒くない?第38回寒中神輿錬成大会 フォトレポート

2020/12/9
2020/12/9
冬の海、みんなで入れば寒くない?第38回寒中神輿錬成大会 フォトレポート

※2020年12月9日時点で2021年の開催は未定です。

2019年1月20日、神奈川県下きっての観光地、江の島海岸に褌姿の男衆が集結しました。

その名も「寒中神輿錬成大会」。

毎年成人式に近い日曜日、一年の神輿渡御の安全を祈願し、同時に新成人を祝う行事で、湘南江の島の新春恒例イベントとなっています!

(この記事は2019年に公開されたものを再編集しています。 2020年12月9日 編集部更新)

 

第38回 寒中神輿錬成大会 開催概要

日時:平成31年1月20日(月)午前11時より

会場:江の島・片瀬海岸東浜

天気:晴れ、気温10℃、水温13℃

新成人:15名

一般参加者:約400名

参加神輿:片瀬諏訪睦、腰越小動会、藤沢鳳龍会、藤沢伊勢睦

主催:藤沢鎌倉神輿連合会(会長:小室正昭)

 

曇り空の下、砂浜に鳴り響く和太鼓の音

相模湾を囲む湘南地域一帯では神輿が海に入っていく祭りが多くあります。有名な茅ヶ崎の「浜降祭」をはじめ大小ありますが、殆どが夏の祭りシーズンに行われるもので、湘南地域で冬の海に神輿が入っていくのは、大磯元旦寒中神輿と、ここ江ノ島だけのようです。

一月なんて、服着ていても寒いのに・・・

冬の外出には襟巻と手袋は欠かせず、箸より重いものは持たずに育った筆者にとって、当日の天気と気温はとても気になるところでしたが、現地に到着した午前10時頃は生憎の曇り空・・・

午前10時過ぎに会場へ到着すると既に和太鼓の演奏が始まっていました。

気温はさほど低くないものの、どんよりとした雲から時折太陽が見え隠れするような天気。

毎年この大会で和太鼓を披露するのは「鎌倉櫻咲く会」のみなさん、そして同会の太鼓指導をされている中沢先生率いる「和太鼓 蓮 ute-na」の方も加わっての演奏で、会場を盛り上げてました。

ちなみに「鎌倉櫻咲く会」ではメンバーを鋭意募集中だそうです!

海中渡御に先立ち、式典と安全祈願のお祓い

和太鼓演奏の後、式典では開会の挨拶や国歌斉唱、江島神社の神職さんによる祝詞の奏上、お祓い等が粛々と行われました。

砂浜に祭壇が用意され、式典が始まります。

お祓いをするのは江島神社の神職さん。

新成人の皆さんも少し緊張の面持ち。

砂浜に掘った穴に、暖を取るための焚火が用意されます。式典の間にまだかまだかと集まってくる褌姿の担ぎ手達。

式典をよそに、こちらは色んな意味で熱気ムンムンです!

 

準備が整い、空模様は一転して青空へ。いよいよ海中渡御が始まります!

式典が終わると、待ってましたと担ぎ手達が神輿に付き、新成人たちは神輿の上に!

 

新成人達の晴れ舞台、いい笑顔です!

海中渡御が始まる頃には青空が広がってきました!

神輿が勇ましく冬の海へ。

「どっこいどっこい♪どっこいそ~りゃ~♪」

参加神輿のうち三基は担ぎ棒が二本の相州神輿。神輿の横についている取っ手(通称:箪笥)をカチカチと鳴らし、そのリズムに合わせて独特の掛け声で進みます。

寒そう~と思っていましたが、これだけ密着すれば温かい?いや、皆さんアツいです!

順に海へと向かい、4基の神輿が行ったり来たり。広がる青空の下、気持ちよさそう!

担ぎ手達も大盛り上がり!

筆者は膝上まである長靴を履いて撮影に臨みましたが、神輿につられてザブザブと海へ・・・始まって数秒で既に長靴の中までびっちょり!レンズにも水しぶきがー

褌神輿をよそに、沖にはヨット。そう、ここはいつもならマリンスポーツを楽しむ人で賑わい、来年はオリンピックの会場にもなる江の島です!

神輿の渡御は30分程、最後は四基の神輿と担ぎ手が揃って三本締めで終わります。

終了後には豚汁が振舞われ、冷えた体を癒してくれます。藤沢鎌倉神輿連合会が前の晩から用意しているというこの豚汁、大会参加者が優先ですが、見学の人達も無料でいただくことができます。

一生に一度、新成人たちの神輿体験

成人のお祝い行事とは言え、褌姿の屈強な担ぎ手に囲まれて、神輿に乗るのはとても勇気がいるのでは?と思いましたが、今回参加した新成人の皆さんは、成人を迎えたらこの大会で神輿に乗ることを楽しみにしていた人が多かったようです。

しかし、担ぎ手として神輿を経験していたとしても、神輿の上に立つのは初めての経験。事前に神輿に乗る練習があったのかと思いきや、ぶっつけ本番だったそうです!

担ぎ棒の上でバランスをとるのが難しそう・・実際に乗ってみた感想を聞くと、「海水に担ぎ棒が濡れると足元がツルツル滑って・・・それが怖い!」との事。

神輿の上で堂々と掛け声を上げたり、海に入って皆と神輿を担いだり、飛び切りの笑顔でそれぞれ楽しんでいたようでした。流石に終了後は寒さに震えあがっている新成人の姿もありましたが・・・

しかしそんな成人祝い、なんともうらやましい!

華やかな振袖姿で参加する新成人。神輿の上から掛け声の指揮をとっているようです。

下で担いでいる新成人の姿も。女性でも海に入って担ぎます!

こちらは参加神輿の中で唯一江戸前神輿のスタイルをとる藤沢鳳龍会。他の三基と違い、担ぎ棒が四本あり、総勢七人もの新成人が乗っていました!

成人おめでとうございます!

神輿に新成人が乗っかる、その心は・・・

そもそもこの大会は、連合会に所属する各神輿が年の初めに集い、一年の神輿渡御の安全と無事を祈願する事、担ぎ手が神輿を担ぐスキルを磨く事、そして成人式の時期に合わせ、連合会の皆で新成人を祝福する事を目的としているそうです。

かつては、「神輿はご神体を乗せるものであって、人が乗るべきではない」との考えのもと、新成人を神輿に乗せる事を禁止していたそうです。しかし、この行事はあくまでも錬成大会その位置づけで、また成人のお祝いという目的からして、より新成人を盛り立て、そして新年に神輿を愛する皆が集まり、大いに楽しみたいとの思いから、いつしか新成人を神輿に乗せるようになったそうです。

そのため、通常は神社等で神輿にご神体を乗せる儀式が行われますが、この行事ではそれを行わず、ご神体は乗ってないとの事。

また、錬成大会と成人祝いを合わせる事で、若い人達に神輿に親しんでもらい、次世代の担ぎ手を育てて行きたいという願いもあります。

 

なるほど、日本各地ありとあらゆるお祭りがありますが、神輿の扱いについては地域やお祭りによって様々な考えがあり、白装束の正装でしずしずとお運びすることもあれば、大きく揺らしたり、投げたりぶつけたり、壊したり、燃やしたり!!と様々ですよね?

大切なことは形ではなく、神輿に込められた想いなのかなと思いました。

 

今年一年の渡御が無事で、そして大いに盛り上がることを願っています!

 

末筆ながら、寒い中お話を伺った新成人の皆さまや、参加者の皆さま、そしてご協力いただいた藤沢鎌倉神輿連合会の河内様に、御礼申し上げます。

 

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