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夏の日中にはマリーンスポーツを楽しむ人々で賑わう江の島
神奈川県の茅ヶ崎市から鎌倉市にいたる相模湾の海岸線は湘南海岸と呼ばれ、夏には海水浴やサーフィンなどのマリーンスポーツを楽しむ人々で賑わいます。湘南海岸のほぼ中央の藤沢市で相模湾に突き出した陸繋島の江の島は、「天女と五頭龍」の伝説が語られ、アウトドアレジャーばかりでなく歴史的な情緒が溢れる観光スポットです。例年7月下旬から8月下旬までの夜間には、島のいたるところで灯篭から柔らかな光を放ち、幻想的な雰囲気に包まれます。2020年は新型コロナ感染拡大防止のためイベントは中止となりましたが、7月23日~8月31日の期間で「江の島灯籠」が行われています。
江の島の西の空で夕陽に染まる富士山
江の島の島内に設置された約1000基の灯篭に灯が点されるのは、西の空で富士山が夕陽に染まる18:30前後です。
公共交通機関を利用した場合の江の島へのアクセスには3種類あります。小田急電鉄、江ノ電、湘南モノレールが江の島にターミナルを設置しています。この中で最も江の島に近いのは、小田急江ノ島線の片瀬江ノ島駅です。
灯篭の光で照らされる江島神社の3つの宮と参道
江の島の玄関となる弁天橋を渡れば島内です。橋の袂から弁財天仲見世通りを進むと江島神社の辺津宮に突き当たります。
江島神社の辺津宮は、1206年に鎌倉幕府第3代将軍の源実朝が創建したと伝わります。権現造りの拝殿を構え、田寸津比賣命を祀っています。境内に敷かれた石畳の道を左右から灯篭の和かな光が照らします。
江島神社の辺津宮から島の中央に社殿を構える中津宮に向かう参道沿いにも灯篭が整列して並べられています。
江島神社の中津宮は、853年に慈覚大師が創建したと伝わり、市寸島比賣命を祀っています。
江島神社の中津宮から島の先端近くの奥津宮に向かう参道が灯篭に照らされると、静けさの中に和の情緒が漂います。
江島神社の奥津宮では多紀理比賣命を祀っています。境内の入口に建つ石鳥居は、源頼朝が奉納したと伝わります。隣接して龍宮大神を祀る龍宮が設けられています。
サムエル・コッキング苑の「天女と五頭龍」の影絵灯籠で語られる江の島の歴史と文化
「江の島灯籠」では、江島神社の辺津宮、中津宮、奥津宮の3つの宮と、各々を繋ぐ参道が和の光で照らされますが、島の中央のサムエル・コッキング苑でも、異なる趣向による光のアートを鑑賞することができます。
サムエル・コッキング苑の入口広場では、「天女と五頭龍」の伝説をモチーフとした影絵灯籠で、江の島の歴史や文化を物語っています。影絵を利用したフォトスポットもユニークと言えるでしょう。
灯篭の光が揺れる島で味わう新鮮なシーフード
「江の島灯籠」の期間中の夜間は、島中に和の伝統を感じる灯篭の光が揺れますが、江の島はシーサイドです。島内には豊富な種類のシーフードが溢れています。消費したエネルギーを新鮮なシーフードで補いたくなることでしょう。
湘南海岸のほぼ中央に位置する江の島は、夏の日中にはマリーンスポーツを楽しむ人々で賑わいますが、夜には灯篭の光で照らされ静けさの中に和の情緒が漂います。例年7月下旬から8月下旬にかけて開催される「江の島灯籠」では、江島神社の3つの宮や参道、サムエル・コッキング苑に並ぶ灯篭からの光には温かさが漲ります。