春と言えば、風景写真の季節。明るい日差しとポカポカな空気が、風景の美しさ以上に写真撮影という行動自体を「楽しい!」という気持ちにさせてくれます。
陽気につられてマイカメラないしはマイスマホを持ち出したいとお考えの方に、今回は関西のとっておき撮影スポットのご紹介。菜の花と桜の名所、奈良県橿原市「藤原宮跡(ふじわらきゅうせき)」です。
奈良藤原宮跡とは?
古の都奈良県には飛鳥時代や奈良時代の遺跡が多数存在しますが、藤原宮跡もそのひとつです。藤原宮跡の元であった「藤原京」は、持統天皇の代である694年よりそれまでの「飛鳥浄御原宮」に代わり都となった施設であり、710年に「平城京」へ遷都するまでの実に16年間、日本の首都として機能していました。日本ではじめて「都城制」が採用された大規模な都であり、後の平城京や平安京をしのぐ古代日本最大の大きさであったと言われています。
現在藤原宮跡の一部は「特別史跡」として観光客向けに整備され、訪れた人が気軽にその歴史を学ぶことが可能です。また、一部区画は菜の花や桜をはじめ、コスモスや蓮等さまざまな植物が栽培されており、写真撮影スポットとしても楽しむことができます。特に、約250万本も植えられているという菜の花は見応え十分、撮り甲斐ありです。
藤原宮跡への行き方
藤原宮跡へは最寄駅から徒歩で行くことも可能ですが、おおよそ30分程度の時間がかかります。徒歩でお出かけの際は下記画像を元に、迷わないようご注意ください。
古風な佇まいのJR橿原線畝傍駅から出発。
駅から出て右へ。
次の角をもうひとつ右。
線路沿いを歩いた後、踏切を渡ります。
その後は民家をずっとまっすぐ歩いて
この分岐は看板のある道へ
しばらく直進した後、看板の指示に従い左に曲がります。
大きな横断歩道を超えてまっすぐ行けば
藤原宮跡に到着!
藤原宮跡で桜と菜の花を撮影!
桜の咲き具合はまだまばらな感じ。(3月22時点)
しかし、菜の花畑は一面に広がっていました。あともう少しすれば、菜の花といっしょに満開の桜を楽しめるでしょう。今ですら鮮やかなこの風景がさらに見応えのあるものとなりそうですね。
桜の花が満開の場合、たとえばこういった場所は見応えがありそうです。
この藤原宮跡からは、「大和三山」のひとつである「天香具山」や、聖山として知られる「三輪山」を見ることができます。天香具山は百人一首の「春過ぎて 夏来にけらし 白たへの 衣干すてふ 天の香具山」が有名ですね。
あの三角形の山は同じく「耳成山」。かつて火山であったと言われています。
畑の間に一本道があり、そこを歩いて移動することができるので、いろいろな構図を試すことができます。
上からの俯瞰、下からのあおり等、お気に入りの視点を試してみましょう。
また、場所によっては菜の花にかなり近づくことができるのもポイントです。
被写体に焦点距離の長いレンズを近づけ、「絞り(F値)」を小さくすれば被写体の周囲が非常によくボケます。望遠レンズを活用すれば、より幻想的な雰囲気の風景写真を撮ることができるでしょう。
ちょっとした高台もあるので、ぜひ活用しましょう。
夕暮れはエモい写真の狙い時。昼間とは全然違う雰囲気の一枚が撮れるかもしれません。
逆光にもチャレンジしてみましょう。レンズの仕様や夕陽の向きによってはゴーストやフレアも入りますが、それを補って余りある美しい写真を撮ることができます。
奈良藤原宮跡でエモい一枚を狙おう
藤原宮跡は場所的にじっくり狙って写真が撮影しやすく、奈良県内のフォトスポットの中でもおすすめの場所です。平日の昼間や夕暮れであれば人もそこまでいないので、撮影に集中できるでしょう。「菜の花」と「桜」、春を代表するふたつの植物をいっしょにフレームインさせることができるというのも大きな魅力です。
これは注意点ですが、周囲には少し距離はあるものの民家が存在しています。他の観光客もいるので、大声で騒いだりしないようにしましょう。
菜の花畑の中に入ってしまうのは問題外です。アップで撮りたいのであれば、スマホのズーム機能や望遠レンズを使用するようにしてください。
以上のようなマナーを注意しつつ、春しか撮れない自分だけの風景写真を撮りに出かけましょう。
2021年藤原宮跡の菜の花(春ゾーン)開花状況はこちら:https://www.city.kashihara.nara.jp/article?id=5e78634b65909e0b8c83a3a7