富山県滑川(なめりかわ)市は、富山市の東隣に位置し、富山湾に面した港を有するところ。その滑川が、夏は県内最大の「正三尺玉」が上がる花火大会で盛り上がります!
この記事では、「ふるさと龍宮まつり海上花火大会」の2023年7月16日開催時の様子をレポートします!
「ふるさと龍宮まつり海上花火大会」ってどんな花火大会?
「ふるさと龍宮まつり海上花火大会」が開催される滑川市は、なんといってもホタルイカで知られる町。春になると、「海の銀河」といわれる幻想的なホタルイカの群遊が見られ、見学ツアーなども行われています。
ホタルイカがやってくるのは3月下旬~5月上旬頃で、ツアーもこの時期のみですが、市内の「ほたるいかミュージアム」では、展示の見学やVR体験などで、年間を通して楽しくホタルイカについて知ることができます。
そんな海と生きる滑川市で夏に開催されるのが、「ふるさと龍宮まつり」。2日間にわたって開催されるこのお祭りは、初日は滑川市の伝統芸能である「新川古代神(滑川市に伝わる民謡)踊り街流し」が行われ、2日目には海上花火大会が開催されます。
今回は、残念ながら2日目しか滑川に行けなかったので、花火大会のみを見てきました。
花火大会は20:10~20:50頃までと約40分間。夏の花火大会としては短めです。
ですがこの花火大会には、他にはない魅力があります。それは、「正三尺玉」という巨大な花火が、富山県で唯一ここだけで上がること。
さて、「正三尺玉」とは?
「正三尺玉」は、花火の直径が約3尺=90cmある特大サイズの花火のこと。打ち上げたときには約600mの高さまで上がり、上空で直径約600mの花火を開く、大迫力の花火です。
製造できる業者も、打ち上げられる場所も限られているので、この花火が見られる花火大会は全国でもごくわずか。富山ではここ滑川だけです。
夕焼けも美しい海岸で花火を待つ
花火大会の会場は、ほたるいかミュージアムがある港の近く。北西向きに海が開けているので、見事な夕陽を見ることもできます。
沖には台船が2台鎮座していました。手前の長い鉄塔が立っている台船が打ち上げのメインだったようです。その左斜め後ろの台船が正三尺玉用だと、毎年来ているという方に教えていただきました。
海に向かって右手には滑川漁港があります。
漁港からも花火が上がるのだとか。うーむ、これは台船と一緒にフレームに収めるのは難しそう…。
とりあえず、台船がしっかり見える場所を確保しました。
とにかく暑かったので、一時ホテルに避難し、19時頃、再び会場に向かいました。いい感じに日が暮れてきています。
堤防まで戻ってみると、すでに陽は落ちていましたが、美しい夕焼けが空に残っていました。
40分間の鮮やかな海上花火に会場が湧いた!
夏の花火はまだ明るいから始めるところが多いですが、ここでは20:10開始と、すっかり暗くなってからのスタートでした。
アナウンスとともに、花火の打ち上げが始まります。
オープニングは「ゴールドスターマイン」ということで、沖の台船から金色の花火が次々に上がりました。
真っ暗だからこそ、ゴールドが見事に映えます!
オープニングの打ち上げが終了すると、今度は海に向かって右手の漁港から、カラフルな花火が上がりました。
型物花火や、大きめの芯入花火なども上がり、場内から歓声が上がります。
スターマインは主に沖の台船から、単発花火は漁港と台船と両方から、という感じでした。終始、カメラを右に振ったり左に振ったり、必死(笑)
次の目玉プログラムは、市民協賛による「海空中スターマイン」。
斜め上に打ち上げる花火と、海に打ち込まれて海上に半円に開く花火との競演です。
カラフルな花火が空と海で鮮やかに咲きます。海に色が反射するのがまた美しい。
「海中空スターマイン」と聞いて、新潟の「柏崎の花火」を思い浮かべた方もおられるかもしれませんが、この「ふるさと龍宮まつり」の花火も、「柏崎の花火」と同じく新潟の片貝煙火工業が担当しています。
2つ目の目玉プログラムは「超特大スターマイン 扇の舞」。
ぽんぽんと扇形に小玉が広がり。
その上に大玉が上がって扇形が完成!
最初はゆっくりとした打ち上げですがどんどんペースが上がり、大きな扇が海上に出現しました。
続いて、3箇所同時打ち上げの「スペシャルスターマイン」。これは2023年初の試みだとか。
漁港から2箇所と海上からの打ち上げだったようです。幅広いエリアが花火に眩しく照らされます!(そしてフレームぎりぎり!)
ラストは圧巻の正三尺玉!
楽しい時間はあっという間で、早くもラスト。正三尺玉の打ち上げとなりました。
その前の花火を撮るために、カメラをかなり右の漁港側に振っていたので、アナウンスの間に台船の方に戻そうと思っていたら、アナウンスが終わるか終わらないかのうちに打ち上げが!
花火が大きく開くと同時に、会場も大きくどよめき、ひときわ大きな歓声があがりました。
ちなみにこの写真、ファインダーをのぞく余裕もなくシャッターを切ったのでダメかと思いましたが、ギリギリで何とかフレームインしていました。奇跡(泣)
たくさんの歓声と、「すごかった~…」というため息と、そして拍手で、花火大会は締めくくられました。
観覧してみたい!と思ったら
40分間、とてもメリハリの効いた打ち上げで、楽しく観覧できる花火大会でした。
日曜日開催ということで、他の花火大会とあまり重ならないのも嬉しいところ。
いつか行ってみたい!という方に向けて、観覧の際のポイントをお伝えしますね。
アクセスについて
花火観覧会場までは、あいの風とやま鉄道の滑川駅から徒歩10分足らずとアクセスがいいのも魅力。富山駅から滑川駅までは普通電車で約15分です。
地方ローカル線ながら、富山駅方面・黒部駅方面とも23時台まで列車があります。花火終了後の駅は混雑してはいましたが、おそらく乗りきれないことはなかったように思います。
宿泊施設について
滑川市に宿泊施設はあまり多くはないので、遠方から泊まりで行くなら、早めに動かないと会場近くの宿を確保するのは難しそうです。
ただ、あいの風とやま鉄道を使えば富山駅や魚津駅にも近いので(魚津駅までは約10分)、富山駅や魚津駅周辺の宿を押さえるのもよいと思います。
買い物について
今後状況が変わる可能性はありますが、2023年開催時点では、会場周辺にはコンビニなどはありませんでした。
駅から徒歩3分ほどのところに「YELL(エール)」というショッピングモールがあり、食料品売り場やお弁当・お惣菜のお店もありました。
駅から会場に向かって歩いた場合、最初の信号を左折するとすぐに見えてきます。
場所取りについて
2023年は、ふるさと納税の返礼品としての観覧席はありましたが、一般的な有料席はありませんでした。なので、自分で場所取りする必要があります。
筆者が16時頃に会場に到着した時点では、防波堤の階段部分に余裕で場所を確保することができました。
こちらは17:30頃の防波堤の様子です。まだ何とか入り込めそうですね。
ですが、いったん離れて19時過ぎに戻ってきたときには、防波堤の上もシートを敷いて陣取っている人が増えていて、確保した場所に戻るまでちょっと大変でした。
早めにいい場所を確保しても、打ち上げ直前に戻ってくると、混雑に阻まれてせっかく確保した場所に戻れないかもしれません(トイレや買い物に行く場合も同じ)。できれば打ち上げ1時間前、遅くとも19:30頃には着席しておくのが無難だと思います。
海風を浴びながらのんびり花火鑑賞ができる「ふるさと龍宮まつり海上花火大会」。
前日入りして2日間お祭りを楽しんだり、北陸旅行と合わせるのもいいですね。
来年以降の夏の旅の候補に、ぜひ!