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祇園祭の山鉾行事を快適に観賞するには?攻略法を徹底レポート!2023年最新開催情報も!

2023/6/30
2024/3/5
祇園祭の山鉾行事を快適に観賞するには?攻略法を徹底レポート!2023年最新開催情報も!

日本三大祭りのひとつ、祇園祭。2023年もアツい都の祭が始まります!

7月1日の「吉符入り」から31日の「疫神社夏越祭」まで、1ヶ月にわたって関連行事が行われます。中でも7月14日・24日の「神輿渡御」、7月17日・23日の「山鉾巡行」は祭の花として大勢の見物客が集まることで知られています。

この記事では、2022年に祇園祭を初体験した当メディア編集長の池田が得た、祇園祭の山鉾行事と宵山期間を快適に楽しむノウハウをお伝えするとともに、2023年の最新開催情報をお届けします。

初めての祇園祭!見所が多すぎて自分でミッションを課してみた!


こんにちは!オマツリジャパン編集長のイケちゃんです。お祭り専門会社というクレイジーすぎる弊社に入社して早4年、北海道から沖縄まで全国様々な祭りを渡り歩いてきましたが、実は祇園祭にお邪魔するのは初めてです。

日本三大祭りの一つとしても名高いこの祭りに行けるとなって浮かれ気分でしたが、この祇園祭、下調べをすればするほど面白いことが分かってきます。ただ祭りの様子を伝えて、山鉾の写真を撮影するだけではあまりにももったいない…。せっかくなので、祇園祭ならではの文化や、「動く美術館」と称されるほどの山鉾のディテールはどれだけ凄いのかも伝えたい!

という思いから、取材にあたって3つのミッションを自分に課してみることにしました。


ミッション①:子ども達が売っている粽(ちまき)をGETする
ミッション②:縄がらみ(山鉾を組み立てる際に縄だけで木材を固定する伝統技術)のアップの写真を撮影する
ミッション③:山鉾に散りばめられた動物を写真に収める

特に「ミッション③」がなかなかのエグさ。鶏鉾や鯉山など、動物の名を冠した山鉾はもちろん、そのほか多くの山鉾にも前掛に描かれた獅子や龍、角金具のチョウまで多彩で、その種類は130以上とも言われます。

麒麟に鳳凰、虎、兎、鶏。梟にラクダに八咫烏にライオンに…ギャア!これは覚えるだけでも一苦労!だけどお祭りメディアのメンツにかけて達成せねば…!

というわけで、初めての祇園祭は宵々山から参加して撮影ラッシュに挑むことに。

宵山期間の歩行者天国は人の大洪水で身動きもままならない!だけど…

祇園祭の山鉾巡行を前にした3日間、京都市中心部に位置する四条烏丸周辺の街中は、山鉾や各種展示、山鉾関連商品の販売などが行われる宵山期間となります。

前祭期間の夜の時間帯は京都市中心部の四条通や烏丸通が歩行者天国となるのが通例でしたが、2020年と2021年はコロナ禍の影響で実施されませんでした。

しかし2022年、通常通りの形で開催を目指す祇園祭は歩行者天国を実施。待ちわびていた人々が我先にと足を運んだためか、初日の歩行者天国が始まる15日18時には同エリア最寄りの四条駅・烏丸駅は既に人の渦。階段を上がって街に出れば、見渡す限りの人・人・人!

祇園祭山鉾と四条通を埋め尽くす人々

「神田祭」「青森ねぶた祭」「阿波おどり」を始め、全国の名だたる祭りに足を運んだ筆者もこれには驚きました。宵々山の人出は約25万人(午後9時半時点:京都府警発表)、宵山にいたっては約30万人(午後9時半時点:京都府警発表)が来場していたとのこと。30万人は東京・吉祥寺駅の1日の乗降者数や、東京都豊島区の総人口とほぼ同じです。

例えるなら超満員のスポーツイベントや大型ライブにおける駅までの帰り道のような、なんとか前に進むのが精一杯の状態が延々と続きます。

↓の山鉾マップに紹介されているように、四条烏丸の路地に前祭だけで23もの山鉾が建てられるので、ここに数十万人が集結するとなるとそりゃ大ごとですよね。


※赤マーカーが前祭に建てられる山鉾

片側一車線の細道は入り口部分に人が殺到し、さらには一方通行の規制が敷かれているので、道に入るだけでも時間がかかります。

祇園祭烏丸通を埋め尽くす人々

路地の奥に山鉾があっても近づくのに一苦労

そんな中でも、片道2-3車線の大通りである四条通は比較的ひとが流れ、長刀鉾、函谷鉾、月鉾が建てられておりましたので、初日はこれらを中心に見て回ることにしました。
しかし、タペストリーにはビニールがかけられているため写真に収めようとすると光が反射してしまう。仕方ないので宵山の風景や装飾を中心に撮影することに。

祇園祭その時に撮った写真がこちら。手前から「月鉾」「函谷鉾」「長刀鉾」

撮影には困難な状況ですが、間近で眺めることはできますし、「コンチキチン」と称される祇園囃子の軽やかな音色が街に響き、お祭りムードは最高です。

この祇園囃子は鉾の上で能や狂言を演じた名残とも言われているそう。太鼓、笛、鉦で構成され、独特の音色が祇園祭ならではの雅さを醸し出します。山鉾によって少しずつ違いがあるので、聴き比べて楽しむのもオススメです。尚、会所には演奏が行われる時間が明記されていますので、訪れた際はチェックしてみて下さいね。

この夜、浴衣姿のカップル、遠方からの来京と思われる老夫婦、孤独なお祭りおじさんの筆者、誰もがこの雰囲気を心待ちにしていたような、ハレの日の空間が広がっていました。

多種多様なグルメ屋台が軒を連ね、近隣の飲食店も軒先でビールやフードを販売。もちろん感染症対策を取りつつではありますが、コロナ前と同様の風景が広がります。

祇園祭

仕事ながらも「あぁ、来てよかったな」としみじみ感じる瞬間でしたが、あまりの混雑でどの屋台もトイレも行列ができていましたし、飲食店も満杯。腰掛けて休憩できるところもほぼ皆無ですのでご注意を。お子さんと一緒に行かれる方ははぐれた時の待ち合わせ場所を決めておくと良いでしょう。

子ども達が粽(ちまき)を売っている?宵山の中で大捜索!結果は…?

ところで皆さん、冒頭で筆者が「ミッション①:子ども達が売っている粽(ちまき)をGETする」と自らに課したことを覚えていますでしょうか?

そう、祇園祭では子どもが粽を売る風習があるとのことで、その独特の雰囲気を伝えてみたいと思ったのです。

「ちまき」と言っても食べ物ではなく、疫病・災難除けの「お守り」です。粽には「蘇民将来子孫也」と書かれており、これも祇園祭ならではのこと。

しかし、筆者も初めての祇園祭。無事に粽を入手できるのか、不安で一杯。ここからは16日の宵山でのお話です。

祇園祭

この日も18時過ぎに四条駅から降り立つと、さすが連休初日土曜日の宵山。前日以上に人で溢れかえっています(30万人が来場とのこと!)。前日の記憶では函谷鉾も月鉾もお子さんが粽を売っていたはずですが、この日は粽が売り切れてしまったようで、子供達の姿はあれど粽を売る姿には遭遇できず。

ちまき宵々山ではあったのに…

うーん、困ったな。その後も立て続けに山鉾の会所を訪れるも、子供たちの姿はあれど、粽は無し。

宵山をさまようこと2時間「まさか全ての粽が完売してしまったのでは…」不安を胸に細い路地を進んで行くと、かすかに何かを奏でるような女性の声が聞こえてくる。

ついに出会えた!その名の通り船の形が特徴的な「船鉾」の粽がまだ残っていました!早速購入し、手元の写真を撮らせてもらいます。

粽

うん、「蘇民将来子孫也」もちゃんとついている。

船鉾の粽

ホテルに戻って明るい場所で撮った写真がこちら

粽

しかし、粽を手にすると山鉾への愛着が増します。船鉾の見た目の美しさも相まって、すっかりファンになってしまいました。

粽はそれぞれデザインが異なりますし、買うと上に登らせてもらえる山鉾もありますので、お目当の粽はぜひ早めに買い求めましょう。

ある「裏技」で山鉾を快適に鑑賞できたぞ!

ここまで宵々山と宵山での苦労話をお伝えしておりますが、そろそろ読者のみなさんから「山鉾行事を快適に観賞する攻略法はどうなったんじゃ」とツッコミが届きそうでビクビクしております。

大変お待たせしました……!時計の針を宵山の16日朝6:00に巻き戻します。繰り返しますが、早朝の6時ですよ。そう、誰もいない時間を狙って撮りに行ったのです。

山鉾のタペストリーにはビニールが被さったままでしたし、ご神体や見送などが設置されていない状態ではありますが、人がまばらなのでどの山鉾もじっくり観察できます。

細い路地にあるため夜は近づけなかった菊水鉾

胴懸もじっくり眺められます

人が多いと観察できない細かいディテールもじっくり見学できます

特に屋根下の飾りなどはこの段階でしっかりと撮ることができました。

放下鉾の装飾

鶏鉾にはその名の通り鶏が

岩戸山岩戸山の天井裏の装飾

うわぁ、どれも凄い!これらが「動く美術館」と称されるのにも納得です。

さらには、ここで「ミッション②:縄がらみのアップの写真を撮影せよ」もクリア!どの山鉾も接近してじっくり観察できるので、縄がらみの様子もしっかりと写真に収めることができたのです。

縄がらみ

縄がらみ

縄がらみ

実は全ての山鉾は釘を一本も使わうことなく組み立てられています。最も重いもので約12tもあり、数十人ものひとを乗せて街中を巡行する山鉾。これを縄だけで固定する伝統技術がこの「縄がらみ」なのです。
これらはよく見ると、山鉾ごとに縄目や組み立て方が違います。動いているときの衝撃を吸収する機能性も備えてるものなので、山鉾の形や重量によって個性豊かな「縄がらみ」を楽しむことが可能です。見ているだけでも芸術的なので、読者のみなさんもぜひご注目を!

ここで早朝行動のメリットとまとめると

①空いている
通行規制も無いので移動が楽チンです。

②涼しい
夏が暑いことで知られる京都も、早朝は涼しく過ごしやすい気候です。

③静か
静寂の中で山鉾を眺めていると美術館にいるような気分に浸れます。

④写真が撮りやすい
近くから撮れる、回り込んで様々なアングルで撮れる、人の映り込みが少ない、など、様々なメリットが。

ただ、交通規制がされていないため車やバイクが通りますし、蚊がいるので虫除けが必須です。涼しいといえ移動をすると汗をかくのでしっかり水分とることも注意点としてお知らせしておきます。

ちなみに、前述した粽も午前であれば手に入るそうです。特に人気の長刀鉾の粽はお昼には売り切れになってしまうそうなので、早朝の見学と合わせての購入もオススメです。

長刀鉾のちまきを買い求める列。撮影は朝8:00ですが、販売は10時からと書いてありました…

いよいよ山鉾巡行!じっくり堪能できた場所とコツを全て教えます!

山鉾巡行の当日、この日も早めに四条烏丸の街へ。筆者が赴いたのは7:00でしたが、この時間には山鉾もビニールを外し、ご神体や稚児人形、見送なども取り付けられて完全体に!9:00からの山鉾巡行までの短い時間ですが、間近でじっくり楽しむにはオススメです。

放下鉾のフクロウの見送放下鉾のフクロウの見送

鶏鉾のタペストリー

そして9:00からは祇園祭の見所のひとつ、前祭の山鉾巡行が行われました。コースは四条からスタート。四条河原町交差点から河原町通を北に向かい、御池通を西に向かって新町御池に至ります。

筆者は四条烏丸と河原町の中間地点、「くじ改め」と「注連縄切り」が行われる中間地点に陣取りました。
8:00には撮影ポジションを確保しましたが、30分後には人がギッチリ。それもそのはず、山鉾巡行の人出もおよそ14万人(京都府警発表)と、大賑わいだったそうです。

筆者が陣取ったのは「ファミリーマート 四条富小路店」さんの前あたり。

このポイントを選んだ理由としては

①車線が膨らんでいる
ズームレンズで撮る際に多少の角度を確保したほうがいいかも?見送りも取りやすいポジションをGET。

②大丸デパートが背景に映り込む
歴史ある大丸京都店と一緒に撮れれば京都感UP?

③日陰になる
当日の天候は晴れ!待機時間含めて3時間以上の長丁場なので、体調管理もマスト。

もちろん、祇園祭に慣れている方はもっと良いポイントを存じているでしょうが、ここは素人が頑張って導き出した答えとしてご勘弁を。

気になる結果としては…

長刀鉾

岩戸山

船鉾

菊水鉾

など、祇園祭らしさの溢れる山鉾の数々に、

「ミッション③:山鉾に散りばめられた動物を写真に収める」も

蟷螂山蟷螂山のカマキリ

木賊木賊山のコウモリ

芦刈山のライオン芦刈山のライオン

などと、なんとか撮影に成功してクリア!

「やりきった!」達成感はありつつも、やはり巨大な山鉾が動く姿や豪華絢爛なタペストリー、優美な所作やお囃子に、いち見物客としても感動を与えてもらい大満足の中で帰路につくのでした。

 

この記事では筆者が「初めての祇園祭」で得た体験をご紹介しましたが、お役に立つ情報はありましたでしょうか?

祇園祭の開催期間は7/31まで。前祭の山鉾巡行が終わった後も後祭の山鉾建てが進み、毎年7月24日は後祭の山鉾巡行が行われます。

また、祇園祭にはこの記事で紹介しきれなかった「山鉾の辻回し」「屏風祭り」「お会所の開放」「御輿渡御」など、他の見所も盛りだくさんです。

初めてのあなたでも大丈夫!ぜひ日本三大祭りのひとつ、祇園祭を楽しんでみてくださいね!

2023年最新開催情報!

7月1日~18日
吉符入り 各山鉾町

1日
午前10時 長刀鉾町お千度 八坂神社

1日~11日
二階囃子 各山鉾町(鉾・曳山のみ)

2日
午前10時 くじ取り式 京都市役所 市会議場
午前11時30分 山鉾町社参 八坂神社

3日
午前10時 神面改め(しんめんあらため) 船鉾町

5日
午後3時30分頃~ 長刀鉾稚児舞披露 長刀鉾町

7日
午後2時 綾傘鉾稚児社参 八坂神社

10日~14日

前祭山・鉾建て 前祭各山鉾町

10日
午後4時30分~9時 お迎え提灯 氏子区内
午後8時頃~ 神輿洗(みこしあらい) 四条大橋

12日~13日
前祭山鉾曳き初め・山舁き初め 前祭各山鉾町(鉾・曳山、一部舁山)

12日~16日
夕刻より 山鉾上での囃子 前祭各山鉾町(鉾・曳山のみ)

13日
午前11時 長刀鉾稚児社参 八坂神社
午後2時 久世駒形稚児社参 八坂神社

14日~16日
前祭宵山 前祭各山鉾町

15日
早朝 斎竹(いみたけ)建て 四条麩屋町
午後8時 宵宮祭 八坂神社

16日
午前9時 献茶祭 八坂神社
夕刻より 宵宮神賑奉納行事(よいみやしんしんほうのうぎょうじ) 八坂神社

17日
午前9時~ 前祭山鉾巡行 氏子区内
くじ改め 四条堺町

午後4時~ 神幸祭 神輿渡御 八坂神社~四条御旅所

18日~21日
後祭山・鉾建て 後祭各山鉾町

20日~21日
後祭曳き初め・山舁き初め 後祭各山鉾町(鉾・曳山、一部舁山)

21日~23日
後祭宵山 後祭各山鉾町(鉾・曳山のみ)

23日
午前9時 煎茶献茶祭 八坂神社
午後 護摩焚き 役行者町

24日
午前9時30分~ 後祭山鉾巡行 氏子区内
くじ改め 寺町御池
午前10時~ 花傘巡行 八坂神社~市役所前~八坂神社
午後4時頃~ 還幸祭 神輿渡御 四条御旅所~八坂神社

25日
午前11時 狂言奉納 八坂神社

28日
午後8時頃~ 神輿洗(みこしあらい) 四条大橋

29日
午後4時 神事済奉告祭(しんじすみほうこくさい) 八坂神社

31日
午前10時~ 疫神社夏越祭(えきじんじゃなごしさい) 八坂神社境内疫神社

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